トヨタ C-HR(CHR)ガソリンターボの実燃費は?C-HRハイブリッドとガチ比較!

トヨタ C-HR(CHR)ガソリンターボの実燃費は?C-HRハイブリッドとガチ比較!
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前回のC-HR(CHR)ハイブリッドに続き、今回はC-HRの1.2Lガソリンターボの実燃費をチェック!

トヨタ C-HR ターボ

昨年12月に登場したトヨタのミドルサイズ新型SUV“C-HR”は、発売後の1ヶ月で6,000台の月間販売目標台数に対し、その8倍となる約4万8,000台を受注、販売の中心となるハイブリッドは納車まで3ヶ月を要する人気車となっている。

前回の燃費テストで取り上げたC-HRのハイブリッドモデルに続き、今回はC-HRの4WDに設定される1.2リッターガソリンエンジンを搭載したターボモデルをテストした。C-HRのポジショニングやコンセプトに関しては前回の記事を参照していただき、ここでは1.2リッターターボエンジンとパワートレーンについて解説したい。

C-HRの4WDに搭載される4気筒の1.2リッターターボエンジンは、欧州ではVWゴルフなどが競合車となるC-HRと同じ車格のオーリスに搭載されているエンジンと同様である。

トヨタ C-HR ターボ

欧州では主流となりつつある、いわゆる“ダウンサイジングターボ”であるこの1.2リッターターボエンジンのスペックは、最高出力が116PS、最大トルクは18.9kg・mで、直噴化やアクセル操作に対するレスポンスを重視したターボチャージャーなどを採用することでパワーと燃費を両立し、1.8リッターNAエンジン並の性能バランスが得られている。

また、オーリスの1.2リッターターボと異なる点として、指定燃料がハイオクからレギュラーとなったことはユーザーとしては大きな違いであろう。トランスミッションはCVTが組み合わされる。

カタログに載るJC08モード燃費は15.4km/Lと際立って良い燃費ではないが、これは最近の新型車としては非常に珍しくアイドリングストップが装備されないということも関係している。

そのほか、標準の“S-T”と上級の“G-T”が設定されるグレード体系や、トヨタセーフティセンスPが全グレードに標準装備される自立自動ブレーキなどは基本的にハイブリッドのC-HRと相違ない。

今回の燃費テストでは、1.2リッターターボ+4WDの標準グレードとなるS-T(車両本体価格251万6,400円、JC08モード燃費15.4km/L)を起用。

テストは2月7日(火)の午前6時半に開始し、15時ごろ帰京するというスケジュールで実施。天候は終日晴天だったものの風が強く、最高気温は冬場としては平均的な10度で、交通の流れは比較的スムースであった。

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トヨタC-HR(CHR)ガソリンターボ燃費テスト/結果まとめ

今回の実燃費テストの結果は以下の通り。参考値として、前回記録したハイブリッドモデルの実燃費も同時に掲載しているので、ぜひ参考にしていただきたい。

トヨタC-HR(CHR) 実燃費計測結果まとめ
トヨタC-HR ガソリンモデル<参考>トヨタC-HR ハイブリッドモデル
駆動方式4WD2WD
カタログ燃費(JC08モード)15.4km/L30.2km/L
高速道路 実燃費17.2km/L24.8km/L
郊外路 実燃費13.1km/L25.6km/L
街乗り(市街地) 実燃費11.7km/L21.4km/L
トータル平均実燃費13.7km/L23.7km/L

>>“激売れ”トヨタ C-HR ハイブリッドの実燃費をテスト!ライバルやプリウスとの比較で驚きの結果に!

トヨタ C-HR(CHR)ターボ 燃費テスト/高速道路編

トヨタ C-HR ターボ 高速道路燃費テスト

C-HRはハイブリッドがFFで1.2リッターターボが4WDと区分けされているため、エンジンよりもどちらかというとFFか4WDかという駆動方式の方が購入の決め手になることは多いと思うが、とはいえ動力性能の違いも気になるところだろう。

結論としては、ハイブリッド/FFでは車重1,440kgに対して最高出力122PS、1.2Lターボ/4WDでは車重1,470kgに対して最高出力116PSと、馬力についてはかなり近く、絶対的な加速性能はほぼ同等。

ハイブリッドとターボにおける乗り味の特徴としては、常用域でグイグイと加速するのがハイブリッドで高速域で伸びるのがターボだが、ハイブリッドは長い上り坂などでバッテリーが底をついてしまう場合もあり、シチュエーションによってはガソリンがある限り116PSを維持できるターボに軍配が挙がる。

ターボのフィーリングは、1気筒当たりの排気量が300㏄と小さいことも幸いしているのか、絶対的な速さこそ1.6~1.8リッターのNAエンジン並とそれほどではないものの、スムースかつトルク感を伴いながらレッドゾーン近くの5,000rpm強まで回り、全域で良好なフィーリングを味わえる(1気筒のあたりの排気量が大きいと不快な振動が出やすい)。

加えて、エンジン音も回転フィールと同じように耳障りでない力強い音色であることも好感が持てる。なお、100km/h走行時のエンジン回転数は1,750rpmと低く抑えられていた。

また、トヨタセーフティセンスPに付帯するアダプティブクルーズコントロールやレーンデパーチャーアラートの印象は、ハイブリッドと同様に運転が上手なドライバーのように信頼のおける制御がなされており、優秀な運転サポートデバイスの1つと評価できる。

トヨタ C-HR ターボ 高速道路燃費テスト結果

C-HRターボの高速道路での燃費は、17.2km/Lを記録。C-HRハイブリッドの24.8km/Lには遠く及ばないものの、4WDであることなどを考えれば納得できるところではあるだろう。なお、比較対象としてC-HRハイブリッドと、ジャンルは異なるもののC-HRターボと近い価格帯でかつ4WDという理由から競合することも考えられるインプレッサスポーツの2リッター4WDの燃費データも併せて記載したい。

【高速道路における実燃費】

トヨタ C-HR1.2リッターターボ(4WD)/17.2km/L

トヨタ C-HRハイブリッド(FF)/24.8km/L

スバル インプレッサ(2リッター・4WD)/17.4km/L

トヨタ C-HR(CHR)ターボ 燃費テスト/郊外路編

トヨタ C-HR ターボ 郊外路燃費テスト

C-HRターボのハンドリングや乗り心地は、タイヤサイズによるフィーリングの違い(ハイブリッドはGグレードで18インチ・ターボはS-Tグレードで17インチ)が大きい可能性があるが、前回テストしたハイブリッドよりも若干好印象であった。

まずハンドリングについては、18インチのハイブリッド(G)に対し17インチのターボ(S-T)はハンドルを切るに従って起きるグリップの立ち上がりが、例えるならば“シトシト”という穏やかな感覚で、クルマやタイヤとの対話を楽しみながらの運転がし易く感じた。

乗り心地のほうは、17インチのターボ(S-T)はタイヤのゴムが厚いという比較的単純な理由なのかマイルドで、大小の路面の凹凸を通過した際の吸収性に優れ、ハイブリッド(G)よりもしなやかで快適だった。個人的には17インチのターボ(S-T)のフィーリングの良さを支持したい。

また、ターボは絶対的な動力性能そのものは大したことはないが、それだけに公道を常識的なペースを走ってもエンジンパワーを使い切れる楽しさを持っていることも美点と言える。

トヨタ C-HR ターボ 郊外路燃費テスト結果

郊外路での燃費は13.1km/Lとハイブリッドのほぼ半分であったが、インプレッサの燃費も踏まえると、この数値はやむを得ないだろう。

【郊外路における実燃費】

トヨタ C-HR1.2リッターターボ(4WD)/13.1km/L

トヨタ C-HRハイブリッド(FF)/25.6km/L

スバル インプレッサ(2リッター・4WD)/12.7km/L

トヨタ C-HR(CHR)ターボ 燃費テスト/市街地(街乗り)編

トヨタ C-HR ターボ 市街地燃費テスト

C-HRターボはアイドリングストップが無いこともあり、市街地編ではドライバビリティ(運転のしやすさ)や走行モードによるフィーリングの違いなどをお伝えしたい。

まずドライバビリティは、低速域からターボラグ無しに太いトルクを出すエンジンとCVTとのマッチングが良く、市街地であれば1,500rpmあたりからの低いエンジン回転数で普通に流れに乗ることができる扱いやすさを備えており、優秀といえるだろう。

また、走行モードはノーマルに加えて“スポーツ”と“エコ”も選択することが出来る。実際に試すと“スポーツ”は高いエンジン回転数を維持してステアリングが重くなり、“エコ”はアクセル操作に対するレスポンスが適度に鈍い方向になる。市街地における普段使いなら、ノーマルよりも運転しやすい“エコ”を選ぶのが良いだろう。

トヨタ C-HR ターボ 市街地燃費テスト結果

市街地での燃費は、郊外路と同じくハイブリッドの半分近い11.7km/Lという結果となった。燃費は決して良いとは言えないものの、アイドリングストップが無いことを考えれば(本来は付けるべきなのだが)まずまず納得できる燃費とも考えられるのではないだろうか。

【市街地における実燃費】

トヨタ C-HR1.2リッターターボ(4WD)/11.7km/L

トヨタ C-HRハイブリッド(FF)/21.4km/L

スバル インプレッサ(2リッター・4WD)/10.9km/L

トヨタ C-HR(CHR)ターボ 燃費テスト/総合評価

トヨタ C-HR ターボトヨタ C-HR ターボ

【総合実燃費】

トヨタ C-HR1.2リッターターボ(4WD)/13.7km/L

トヨタ C-HRハイブリッド(FF)/23.7km/L

スバル インプレッサ(2リッター・4WD)/13.0km/L

トヨタ C-HRターボは燃費こそハイブリッドに遠く及ばないものの、価格が近いインプレッサの2リッター・4WDモデルを基準に考えると、同クラスのガソリン車と同等かそれ以上の燃費を確保しており、それほど燃費を気にしない人や走行距離が少ない人であれば燃費に大きな不満は持たないのではないかと思う。

ターボはハイブリッドよりも12万9,600円安く、車両価格だけで見ればターボの方が得だ。だが、その損得勘定を計算してみると、同グレードであればエコカー減税の差も大きく、価格差は購入時点で(なんと)ほとんどが相殺されてしまう。そして、購入後はハイブリッドのガソリン代の方がもちろん安くなるため、金銭面から見た場合にはターボのメリットは無いという結論になる。

C-HRターボは、現時点では“4WD”ということ以外は利点が非常に分かりにくいクルマ、と言わざるを得ない。

筆者はC-HRターボに計3日間試乗させていただいたのだが、1日目はさほどクルマの良さを感じられず、2日目になって合計200kmほど走行した時点あたりから印象がよくなってきた。これを言い換えれば、ディーラーでの僅かな試乗で好印象を持つのは難しいかもしれない。

それだけに、クルマ好きというだけで生きている筆者としては、金銭面ではとてもハイブリッドに太刀打ちできないながらも、運転して妙に楽しかったC-HRターボに対し「クルマを買う、乗るというのは必ずしも理屈や理性だけで動くものでもない」という気持ちで、理屈とは対照的な感情的な方向でC-HRターボがもっと売れるような対策はないかと考えてしまう。

具体的には、欧州仕様では存在するMTの日本仕様の発売や、4WDではなく安価なターボ+FFの設定、各種装備のオプション選択の拡大、日産ジュークにある1.6リッターターボのように、さらに高出力化したスポーツモデルの設定などが考えられる。

C-HRのグレード選びにおいては「4WDが必要な人以外はハイブリッド」という結論で揺るぎないのだが、C-HRターボが「分かりにくいけれども、乗ると妙に楽しい」というクルマ好きの心に刺さる可能性を秘めているだけに、C-HRターボのさらなる魅力の拡大を願いたい。

[初出:2017/3/15 追記:2017/5/19]

>>C-HRの詳細な情報を見たい方はこちら

トヨタC-HR主要スペック

トヨタC-HR グレード別主要スペック
主要スペックG-TS-TGS
駆動方式4WD2WD
ガソリンハイブリッド
車両型式DBA-NGX50DAA-ZYX10
車両重量1,470kg1,440kg
車両総重量1,745kg1,715kg
カタログ燃費(JC08モード)15.4km/L30.2km/L
全長4,360mm4,360mm
全幅1,795mm1,795mm
全高1,565mm1,550mm
最低地上高155mm140mm
室内長1,800mm1,800mm
室内幅1,455mm1,455mm
室内高1,210mm1,210mm
乗車定員5名5名
総排気量1,196cc1,797cc
使用燃料無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量50L43L

▼【試乗】トヨタ 新型SUV「C-HR」を速攻試乗!ニュルで鍛えた走りはどうなのか!?

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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