トヨタ ハイエース バン スーパーGL(ディーゼルターボ)実燃費レポート/永田恵一(3/5)
- 筆者: 永田 恵一
トヨタ ハイエース バン スーパーGL(ディーゼルターボ)実燃費レポート【郊外路編】
マイナーチェンジ後のハイエースに乗って、一番驚いたのが「乗り心地の良さ」であった。
商用車はこのハイエースで最大積載量が2人乗車時で1トン(5人乗車時だと850kg)、さらに2人乗りなら法律上で110kgの荷重が加わることになり、カタログに載る車両総重量が3トンを超えるなど、重い荷重に耐えなければならないという使命があり、サスペンションは硬いものになるというのが常である。
結果、乗り心地は荷物を積んでいないとガチガチというより凹凸で「跳ねる」という印象のものが多く、ハイエースもマイナーチェンジ前まではまさしくこのタイプであったと聞く。
だが、今回テストしたハイエースはサスペンションが実によく動いており、大きな凹凸でも不快なショックを感じることはまったくなかった。全体的には柔らかめに感じるくらいで、「フル積載した時に大丈夫なのだろうか」と思うほどであった。この乗り心地なら「ハイエースより乗り心地が悪い乗用車はいくらでもある」と断言できるほどだ。
この乗り心地は冒頭に書いた通りバンのスーパーGLの2WDに限ったものだと思うが、ハイエースの乗り心地をここまでに仕上げたトヨタのハイエースに対する情熱には敬意を表したい。
サスペンションがよく動いて乗り心地のいいクルマでよくある好循環で、ハンドリングも予想外に良好であった。この種のクルマで気になるロールは、ロール量自体が意外に少ない上に不安感のない「ジワリ」と起きるもので、ハンドル操作に対する遅れもなくクルマが思うように曲がってくれ、望外に運転が楽しかった。
ステアリングフィールも最近では油圧パワステである恩恵なのか、濃厚なフィーリングというか、いい意味での懐かしさが感じられた。また、サスペンションがよく動いてくれるだけに、ロールのさせ方や減速の際に代表されるクルマの動き方に代表される荷重コントロールもしやすく、運転の練習にもなるだろう。
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