メルセデス・ベンツ 新型 Sクラスクーペ 海外試乗レポート/桂伸一(2/3)

  • 筆者: 桂 伸一
  • カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
メルセデス・ベンツ 新型 Sクラスクーペ 海外試乗レポート/桂伸一
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え、クルマが内側にロールする!?

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すでに新型Sクラスサルーンに導入された「マジックボディコントロール」は、ステレオカメラがクルマの目の役割を果す。前方15mまでの路面の凹凸をスキャンして予めサスの油圧を制御して路面からの衝撃を減少させ、姿勢変化も抑えるシステムだ。この機能の一部とABCに車速とステアリング舵角などの情報からボディを制御するのが「カーブチルティング機能」だ。

現象としてはコーナリング中にクルマが内側に傾く!!

通常コーナーではボディが遠心力を受けてサスペンションは内輪が伸び、外輪が沈み、外側に傾くもの。ところがカーブチルティング機能は、ステア操作した方向にバイクのように、ボートのようにコーナーの”インに向けてロール”しながらコーナリングする驚きの姿勢を展開する。

メルセデス・ベンツ 新型 Sクラスクーペ

もう目から鱗!!である。クルマが内側にロールする!?

確かに’90年代にメルセデスもボルボも、内ロールのテストを行っていることを発表していた。それが実現したということだ。

この革新技術はもちろんABCの制御を成熟させ、洗練できたからこその進化発展系。通常の速度でコーナーに進入すると、呆気なく旋回し終える。

目からウロコ! 驚きのコーナリング体験

メルセデス・ベンツ 新型 Sクラスクーペ

試乗コースでは90~120km/hの領域が判りやすいと指導される。では、より高い車速でコーナーに進入すると、急転舵により体に横Gを感じた次の瞬間”縦G”に変化!! 乗員の姿勢は横から重力を感じかけた瞬時に縦方向へ変わり、上からの力でシートに押さえ付けられたままコーナーをクイックに駆け抜ける。ボディのロール角は最大2.5度。ステレオカメラが路面をスキャンして、車速、ステアリング舵角等の情報から制御され、内輪サスを縮め、外輪はその時の状況に応じて伸ばす事もある。

不快なGを低減し、快適にコーナーを楽しむ

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メルセデスのエンジニアによると、カーブチルティング機能は「速く走るための機能ではなく、あくまでも不快な横Gを低減してコーナーを快適に楽しむための機能」だという。

ところが、この速度でコーナーに進入すれば完璧にアンダーステアだろう、という勢いで進入したにも関わらず、自車が進む先にあるコーナーはすべてにカント、バンク角が付いたかのようにスルッと呆気ないほどクイックにコーナリングして見せるのだ。

タイヤのグリップ性能がアップすることではないので、旋回速度が上がるハズはないのだが、内側にロールすることで内輪にも荷重が加わり4輪の荷重バランスに優れ、4輪の接地性が高まることで結果的に曲がりやすくなる。ドライバーの感覚でも曲がるから、より強く深くアクセルを踏み込めて、踏んでもアンダーステアは出ず曲がるから旋回速度が高くなり、速く安定して抜けて行く・・・、という相乗効果がすべてに効いていると思う。カーブチルティング機能を働かせているほうが、明らかに“速く”走れているのだから。

メルセデス・ベンツ 新型 Sクラスクーペ「S550クーペ」(ドイツ名「S500クーペ」)

素晴らしいのは、これだけの動作をしながら制御感がまったく感じられない事。コーナーに進入した瞬間から横Gが瞬時に縦Gに移り変わる変化の滑らかさに、緻密な制御を高度に洗練させたABCの制御技術が生んだ次世代のクルマの操縦性を、新型Sクラスクーペでは味わえる。

[次ページへ続く]

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桂 伸一
筆者桂 伸一

1982年より雑誌「OPTION」誌編集部員からレーシングドライバーに転身!!92~93年はR32 GT-RでN1(現スーパー)耐久シリーズチャンピオン。近年はドイツ・ニュルブルクリンクで開催される24時間レースに、アストンマーティン・ワークスカーのドライバーとして参戦。2度の優勝を飾る。日本ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カーオブザイヤー(COTY)選考委員、ワールドカーアワード(W-COTY)選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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