お台場にハイパワーマシンが激走! モータースポーツの楽しさを伝えるイベント「モータースポーツジャパン2018」開催

モータースポーツの楽しさの一端を伝えるMSJ2018

2018年4月14日(土)、東京・お台場の特設会場で「モータースポーツジャパン2018 フェスティバル イン お台場(MSJ2018)」が開催された。MSJは国内自動車メーカー8社(トヨタ、日産、ホンダ、スバル、マツダ、三菱、スズキ、日野)と日本自動車連盟(JAF)、日本レースプロモーション、GTアソシエイション(GTA)、日本モータースポーツ推進機構が中心となり、日本のモータースポーツ文化の継承と発展を目的に開催されるイベントで、その魅力は臨海副都心…つまり東京の都心と言っていい場所で行われるモータースポーツイベントであることだ。2006年の第1回目から今年で13回目を迎え、毎年2日間で10万人前後の来場者が訪れる魅力あるイベントとしてすっかりお馴染みになった。

モータースポーツが行われるサーキットは都市部から遠かったり、クルマでないと行くのが難しいなど、心理的・物理的なハードルがちょっとあるのは事実。でもMSJではその魅力を伝えるために、現役のトップレーシングドライバーを招き、スーパーGTなど国内最高峰のモータースポーツマシンなどをお台場という都心で走らせ音や加速の鋭さを体感させてくれる。しかも入場無料。冷静に考えるとスゴいイベントなのだ。

>>モータースポーツジャパン 2018 フェスティバル イン お台場(MSJ2018)の模様を大量画像でもっと見る!

お台場をスーパーGTマシンが、ラリーカーが、ドリフト車が、そしてレーシングトラックが走り回る!

特設会場はゆりかもめの船の科学館駅前にある青海臨時駐車場を使用する。広い敷地だがサーキットに比べれば決して広くはない。そのため、マシンがデモランするクローズドコースも、一見すると「結構小さいコースだね」と思うだろう。しかし!このコースをラリーカーやドリフト車は全開でコース脇いっぱいまで使い切ってタイヤスモークを上げて華麗に走り回り、スーパーGT、しかも最高峰GT500のマシンは秘めたる500馬力以上のハイパワーを一瞬の加速で魅せつける。MSJ名物ともなった「ダカールラリー」参戦用のレーシングトラックデモ走行も、想像以上の速度で激走して度肝を抜かされるだろう。この迫力はむしろこの「コースの小ささ」「観客との近さ」があるからこそだ。

670馬力のレーシングトラックの迫力にノックアウト

筆者もこの迫力あるレーシングトラック「日野 レンジャー」に同乗走行するという幸運な機会を得た。見上げるように高いキャビンの助手席によじ登るようにして乗り込み、4点式シートベルトを締めるとドライバーの菅原 照仁選手はレンジャーを一気に発進させる。670馬力を絞り出す驚異の8.9リッターチューニングディーゼルは全長6.3m×全高3.2m、車重7.3tという巨体をいとも簡単に加速させ、しかも後輪をブレークさせるのだ。トラックでドリフト!しかも重心の高さを全く感じさせない。トラックなのにレーシングカー…なんと魅力的なマシンなのだろう。このトラックが砂漠を走っている姿を見てみたくなった。

【動画】ダカールラリー優勝の日野レンジャーに緊急試乗! HINOレーシングトラックデモラン|MSJ2018

各種イベントや各メーカーや出展社のブースにも注目

MSJの楽しさは、それだけではない。軽自動車を改造したレース「K4GP」マシンのパレード走行や、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディのドイツ3メーカーによる最新モデルのデモラン、フォーミュラマシンやスーパーGTのマシンのコクピットに乗り込んでの体験&記念撮影、日産VSレクサスのワークスチームによるスーパーGTマシンを用いた、タイヤ交換作業の短さを競う「SUPER GTピットストップコンテスト」、実際のサーキットのように参加マシンを縦に並べてその間を歩ける「グリッドウォーク」「エンジン始動デモ」など、クルマの楽しさやモータースポーツの雰囲気が伝わるイベントが盛りだくさんだった。現役ドライバーは29名、監督も4名がゲストとして招かれていたので、気がついたら名だたる有名ドライバーが自分のすぐそばに立っていた!という貴重な体験をした来場者も多かったことだろう。

モータースポーツに力を入れる各メーカーのテントではレーシングカーの展示やドライバーのトークショーやタイヤ交換のデモなどが行われ、どのブースも人気を博していた。また、鈴鹿サーキット、富士スピードウェイやスポーツランドSUGOの国内主要サーキット、自動車大学校、タイヤメーカー、スポーツテレビ局などモータースポーツに関連するブースが出展。その出展者数は合計で45社を数えた。

今年からアルファロメオ ジュリエッタで全日本ラリーに参戦するモータージャーナリストの竹岡圭さんもドライビングスーツ姿で来場し、たくさんのファンに囲まれて参戦をアピールしていた。

今年も「U−18運転予備校」を開催!

雑誌やテレビで活動するモータージャーナリストの団体、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)は今年もMSJと併催で「みんなの楽ラク運転講習会」をMSJ会場内で実施した。同講習会は、交通安全促進を図る目的でAJAJが年に一度ボランティア事業として開催している安全運転講習で、講師はAJAJのモータージャーナリストが務める。

昨年のMSJで行われて注目を集めたのが18歳以下の運転免許を持たない中学生・高校生向けの運転講習会「U−18運転予備校」で、今年も特別プログラムとして開催された。

■参考:免許持たない中高校生が新型車のトヨタ 86とマツダ ロードスターを運転(2017/4/17)

事前申し込みをした身長150cm以上、18歳以下、4輪運転免許を保持しない中高生が、助手席ではなく「運転席」に乗り込む。このプログラムにはトヨタ 86、スバル BRZ、マツダ ロードスターの広報車が用意された。どれもスポーツカーというのも夢がある。助手席にはインストラクターが乗り、運転操作の指導を行った。

「クルマを運転するドライバーの立場から歩行者の危険な行動を理解」して交通安全に対する意識を高めること、そして実際にクルマを運転する体験によって運転操作やクルマに興味を持ってもらうことが趣旨だ。 受講者は1時間の座学講習、そしてクルマを実際に動かす実技を理解し、体得する。一般的には免許取得前にクルマを実際に動かすという機会はまずないことだと思う。受講した中高生には大きな刺激になったに違いない。この画期的な取り組みの継続開催に期待したい。

荒天予報で開催日程短縮も、約4.5万人が来場

MSJ2018は4月14〜15日の週末2日間の開催予定だったが、14日夕方から天候が崩れ15日には風雨が強まるという天気予報から、実行委員会と運営事務局は14日の15時以降と15日(日)のイベント開催中止を決定。安全を最優先するため、強風によるテントや造作物による来場者への危険があると判断してのことだった。せっかく見事に設営されたイベントなので残念に感じたが、風の強い湾岸エリアのイベントだけにこの判断は賢明だったと思う。実際、この後天気予報の通りに激しい風雨となったからだった。しかし短縮された土曜開催だけでも44,917人(主催者発表)の観客を集め、MSJというイベントの人気の高さを改めて感じさせた。

次はぜひ“サーキット”に足を運ぼう!

都心のお台場ではたしかにサーキットの再現はできないが、それでもモータースポーツの雰囲気を感じることができるように工夫されたMSJは、今年も大いに盛り上がりを見せた。MSJで「レースって面白そうだな」と思ったら、ぜひサーキットに足を運んでみてほしい。レーシングカーの咆哮、一瞬で走り去る猛烈なスピードに驚くことだろう。「戦うクルマの世界」の非日常感はとても魅力的である。クルマやメーカー、レーシングカーや選手の名前をよく知らなくてもいい。サーキットで、モータースポーツの「理屈抜きのスカッとした楽しさ」を感じてみてはいかがだろうか。

[レポート:遠藤 イヅル/Photo:和田 清志]

【動画】TOYOTIRESのドリフトマシンに同乗試乗!|モータースポーツジャパン 2018(MSJ2018)

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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