レンジローバー ヴェラール試乗レポート|SUVの老舗が切り開いた新たな地平(2/3)

  • 筆者: 金子 浩久
  • カメラマン:茂呂 幸正・ジャガーランドローバージャパン
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オブジェのように美しいスタイリングとスタイリッシュなインテリア

つい長々とヴェラールの悪路走破性について書いてしまったことをご容赦いただきたい。しかし、ヴェラールの真骨頂はそこにはない。ヴェラールの最も重要な要素は、ご覧の通りの素晴らしくカッコ良いスタイリングにある。こればかりは実物を前にしてもらうしかないのだが、無駄な線や装飾を極力排したボディは現代美術のオブジェのように美しく、センターコンソールから操作ダイヤルをたった3つにまで減らしたインテリアもエクステリアに劣らずスタイリッシュだ。

リサイクル素材を積極的に使用し、エシカルな意識に訴求していく

シートも目新しく、デンマークの「Kvadrat」社製テキスタイルを用いたものが眼を惹いた。特にグレーとアイボリーのコンビネーションになったものが新鮮で、グレーの部分にはクルマ用としては珍しくウールを用いていて、吸湿性の高さを実現しているという。英国国旗がパンチング加工されたアイボリーの部分は合成素材で、座面の材料には使用済みのペットボトルがリサイクルして使われている。

自分の乗るクルマのシートにこそ、リサイクル素材を積極的に使っていこうという人々のエシカルな意識に訴求しようという企画だ。BMW i3のシートにもペットボトルのリサイクル素材が用いられているが、こうした視点からの企画は今後増えていくことだろう。意識も性能と同じくらい、クルマを買おうとする人々に訴え掛けるのである。

なめらかな乗り心地と高いパフォーマンス

走り始めると、兄貴分のレンジローバー譲りの滑らかな乗り心地に改めて感嘆させられる。アルミを80%以上使ったシャシーは固くガッシリとしているのだけれども、サスペンションの当たりがとても柔らかいので、とろけるように心地良い。

ちなみに、このヴェラールはジャガー Fペイスとプラットフォームとコンポーネンツを共用しているのだが、駆動力配分を前後50対50から走行状況によって変化していくように設定されている。それに対して、Fペイスは0対100からスタートする。スポーツカー及びスポーツサルーンに出自を持つジャガーとしては後輪駆動(FR)のスポーティな操縦性にアイデンティティを持っているからだ。

FペイスはサルーンのXFやスポーツカーのFタイプにそっくりの構えで走りながら、オフロードでも下手なSUV顔負けの悪路走破性を持っていて驚かされたことを思い出した。東欧のモンテネグロの山の中を縦横無尽に走ったのは1年半前のことだ。

■参考:ジャガーがあえてクロスオーバー車を造る意義とは/新型 SUV「ジャガー F-PACE」海外試乗レポート[2016/5/19]

ヴェラールはエアサスペンションを持ち、最低地上高もFペイスより高く、50対50というオフロード走破性に適した設定が施されているので、おそらくFペイス以上のパフォーマンスを見せてくれることだろう。

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金子 浩久
筆者金子 浩久

モータリングライター 1961年東京生まれ。 自動車と自動車に関わる人間について執筆活動を行う。主な著書に、『10年10万キロストーリー』(1~4)、『セナと日本人』、『地球自動車旅行』、『ニッポン・ミニ・ストーリー』、『レクサスのジレンマ』、『力説自動車』など。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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