ジープ 新型チェロキー[2014年春発売予定] 新型車解説/岡本幸一郎(1/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:和田清志
新型ジープ チェロキー、まもなく日本上陸
先日お届けした、ジープ 新型グランドチェロキー試乗レポートの会場の一角に、日本で発売されることが正式に発表されたジープ 新型「チェロキー」が置かれていた。未登録のため走らせることはできなかったが、いちはやく目にすることのできた実車の様子と、現時点わかっていることをお伝えしよう。
「チェロキー」というと、1984年~2001年という長きにわたって現役であり続け、日本でもヒットした、2代目のXJ型のイメージが強い。コンパクトなサイズとスクエアなフォルム、シンプルなたたずまいやタフな走破性に魅了された愛好家はいまだに多い。
そんな「チェロキー」というネーミングがあまりに日本で浸透していたため、その後の3代目、4代目の2世代のモデルについては、海外では「リバティ」として販売されたところ、日本国内ではひきつづき「チェロキー」の名前が踏襲された。ところが、全面的に刷新された今回の5代目モデルは、世界で統一して「チェロキー」という車名が与えられることとなった。
むろん往年のチェロキーの熱狂的なファンは、母国であるアメリカにも大勢いる。その大半が日本のファンと同じくXJ型に愛着を感じている。ゆえに、2013年10月より発売された北米では、多くのファンがSNSで「この顔はジープじゃない」、「いや、すごくかっこよくなった」と賛否両論を繰り広げた。
ところが、当初は前者の声が優勢だったところ、結果的には圧倒的に支持派が優勢に転じ、発売から2ヶ月あまりで約3万台もの受注を達成するという上々の滑り出しを見せた。
また、北米の媒体や自動車ジャーナリスト組織によって、“SUV of the Year”(ベストSUV)、“Top Ten Cars of 2014”(今年のベスト10車)、“Best New SUV/CUV Under $35,000”($35,000以下のベストSUV/CUV)に選出されるなど、すでに高く評価されている。
ベースはアルファ ロメオ ジュリエッタ!?
新型チェロキーの成り立ちはこれまでとはまったく異なる。ベースとなったのは、フィアットとクライスラーの提携をもとに両社が共同開発した、アルファ ロメオ ジュリエッタのプラットフォームだ。つまり、前輪駆動でエンジン横置きである。いうまでもなくチェロキー=リバティとはまったく関連性のないもので、まさしく全面刷新となる。
あのジュリエッタがベースと聞くと意外に感じることと思うが、実はもともとSUVにすることも視野に入れ開発されたプラットフォームであり、バランスにも優れるという。
エクステリアデザインも旧来の固定概念に捉われることなく、新たなユーザーの開拓をしていくことを念頭に大胆に変えた。これまでのちょっとレトロな趣を持つチェロキーの固定概念を覆す、未来志向なデザインとした。
ただし、ジープの伝統とDNAを失うことはない。たとえばアッパーボディは流れるような滑らかなラインとしながらも、ロアボディはジープらしい走破性を象徴するデザインとしていることが見て取れる。
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