人気の最新国産SUV 徹底比較(2/4)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:島村栄二
3代目モデルは“大きく、立派に”変身
2005年の秋に2度目のフルモデルチェンジを行い、前述の初代モデルからすると3代目を数える事になったのがトヨタのRAV4。当初は明らかに日本を最重点市場と捉えた“5ナンバー・サイズ”のコンパクトなサイズが売り物だったブランドだが、後に欧米での販売比率が高まり続ける事を受けてモデルチェンジのたびにサイズを拡大。この3代目モデルでは売れ行きが鈍りつつあった3ドア・モデルをついに廃止。一本化された5ドアのボディサイズも全長で180mm、全幅で80mmと従来型に対して大きく拡大される事になった。
というわけで実際のクルマを目の前にすると、まずは「大きく、立派になった事」を強く実感させられる新型RAV4。が、それでもひと目で「RAV4の新型だナ」と認識をする事が出来るのは、左右フェンダー部分へと回り込んだヘッドライトや台形グリル、スペアタイヤを背負った横開き式のテールゲートなど、初代モデルから続くRAV4ならではのデザインキューを続けて採用しているからだろう。
こうして“大きく・重く”なったという事実に対応して、従来同様フロントに横置きされるパワーパックも一新。全グレードで、2.4リッターというRAV4史上最大のエンジンにこのところのトヨタ車が積極展開を行うCVTの組み合わせを標準搭載する。
より身近でカジュアルな三菱のブランニューSUV
老舗のオフローダーとしては一級の評価を勝ち取りつつも、海外マーケットからの要求に応えた“重厚長大”路線を進めた事もあり今や日常の相棒としてはちょっとばかりヘビーデューティ過ぎる印象が避けられなくなったのがパジェロ。そんなこのブランド一辺倒という政策を改め、より身近でカジュアルな装いで誕生したのがブランニュー・モデルであるアウトランダー。RAV4同様、パワーパック横置きのFFレイアウト・ベースという生い立ちを備える点でも、パジェロとは考え方の大きく異なる一台だ。
全幅サイズは同等であるもののRAV4よりも全長が30cm以上も上回るのは、こちらのパッケージングが3列目シートの採用を念頭に置いて行われているゆえ。一方、3列目シート無しの仕様も設定され、こちらではラゲッジスペースのボリュームがさらに上乗せをされる事になる。
今後の様々な乗用車系モデルにも採用をされると予想される新開発のプラットフォームを採用するのに加え、エンジンも新開発ユニット。2.4リッターの直列4気筒ユニットは、ブロック部分の設計開発をダイムラークライスラーとヒュンダイをパートナーに加えた3者共同で行い、4バルブDOHCのヘッド部分に関しては三菱独自の開発が行われたものだ。
“ハードボイルド”な本格的オフローダー
初代エスクードがデビューをしたのは、1988年のこと。そもそもは“ジムニーの兄貴分”として開発をされたものの、そのモダーンなルックスが都会派4WDともてはやされ、すでにRAV4以前に「オフローダーの乗用車ユース」の市場を開拓した一台としても記憶に残るのがこのモデルだ。
もっとも、その内容は梯子型フレームをベースとした屈強なボディにパワーパック縦置きのパートタイム式4WDシステムをドッキングと、いかにも本格的なオフローダーのそれ。そしてRAV4/アウトランダーという2車よりもわずかに早く2005年の5月にモデルチェンジを行い3代目となった現在のモデルにも、そんな“ハードボイルド”な血が流れ続けているのがこのクルマならではの特徴だ。
4,390mmと、RAV4にプラスαの全長サイズのボディに搭載される心臓は、2リッター4気筒もしくは2.7リッター6気筒の4バルブDOHCユニット。FRレイアウト・ベースの4WDシステムはLSD付きのセンターデフを用いるフルタイム方式で、さらに副変速機も標準とする。通常時のエンジントルク配分はフロント側45対リア側53という割合。ボディはモノコック方式ながら、フレームをフロア部分に組み込んだカタチの、いわゆる“ビルトイン・フレーム”構造を採用する。
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