悪路を走る性能を備え、なおかつ舗装路の走りも上質な先進の輸入SUV3モデルを比較チェック(2/4)

悪路を走る性能を備え、なおかつ舗装路の走りも上質な先進の輸入SUV3モデルを比較チェック
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先進的なボディスタイルと軽快な運転感覚、さらに燃費性能も追求した新時代のレンジローバー

ランドローバー レンジローバー イヴォークランドローバー レンジローバー イヴォーク

イヴォークを最初に見た時は複雑な気分になった。「ランドローバー・イヴォーク」なら理解できるが、「ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク」。最上級SUV「レンジローバー」に組み込まれるからだ。

しかもエンジンはフリーランダー2と同じく横向きに搭載され、日本には導入されないが前輪駆動の2WDも用意する。私自身は80年代のオフロードSUV全盛期に、日本車とは一線を画す初代レンジローバーに憧れた世代。イヴォークの登場には、正直、戸惑いを感じた。

しかし、外観には最上級のレンジローバーに通じる存在感がある。ヘッドランプやグリルを横長にデザインしたフロントマスクは、一見すると精悍な印象だが、かなり緻密に造り込んだ。大きく張り出すフェンダーも同様だ。

しかも繁雑な造形に陥らず、スッキリと洗練させている。品質を下げることなく、比較的コンパクトなボディにレンジローバーの持ち味を凝縮させた。ボディタイプは5ドアと3ドアの「クーペ」を設定。グレードは両ボディに「ピュア」が設けられ、上級タイプは5ドアが「プレステージ」、クーペが「ダイナミック」になる。試乗車は「プレスレージ」だ。

ボディサイズは、両タイプとも全長が4355mmで全幅は1900mm。全長は国産SUVでいえばRAV4やデュアリスと同等だが、全幅はランドクルーザーよりも幅広い。

日本の街中で1900mmの全幅はかなりワイドに感じられ、サイドウインドウの下端を後ろへ持ち上げたから、斜め後方の視界も悪い。コンパクトといっても取りまわし性は良くないが、このワイドなボディがレンジローバーの風格に結び付いていることも確かだろう。

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SUVらしい強い存在感を放つ外観ながら柔らかいボディの面構成には柔和な雰囲気を感じる

アウディ Q3アウディ Q3

アウディは「目立ちたくないクルマ好き」にピッタリなブランドだ。私自身、実は密かにアウディを狙っている。メルセデスベンツでは、偉そうな感じがして、仕事が来なくなりそうで心配。BMWはコテコテのクルマ好きに見られそうで、やはり違和感が伴う。その点、アウディはメルセデスベンツやBMWに負けない品質を持ちながら、控え目で大人しい印象。今の私にピッタリだ。私に限らず、同じような見方をする読者諸兄は多いと思う。

その意味で、大柄なQ7を見た時は驚いた。堂々として押し出し感が強く、およそ控え目とはいい難い。

しかしQ3なら納得。SUVだから存在感は強いが、ボディは小柄で全体に丸みがあり、柔和な雰囲気も併せ持つ。外観はシンプルな印象だが、ボディパネルの微妙な面構成と、それが生み出す陰影が美しい。時間の経過につれて良さの分かる飽きのこないデザインだ。

ボディサイズは全長が4385mmで、全幅は1830mm。意外に全長が短く、全幅の数値まで含めて日本車でいえばRAV4と同程度。全幅はワイドではあるがSUVの平均レベルに収まり、水平基調の外観によって後方視界も悪くない。このあたりもアウディらしい馴染みやすさだ。

エンジンは2リッターのターボで、4WDのクワトロシステムを搭載。グレードは「2.0TSFIクワトロ170PS」と、「同211PS」に分かれる。試乗車は「2.0TSFIクワトロ211PS」で、ターボの過給圧の違いなどによって最高出力を211馬力まで高めた。上級グレードになるから、カーナビやフロントシートの電動調節機能なども備わる。

「スタートストップシステム」の名称でアイドリングストップを装着。JC08モード燃費を12.6km/Lに高めたことも特徴になる。

アウディ Q3アウディ Q3アウディ Q3アウディ Q3アウディ Q3

SUVになってもロングノーズのボディで後輪駆動をベースにした4WDを採用しBMWらしさを貫く

BMW X1BMW X1

BMWは、後輪駆動を採用するスポーティセダンに力を入れるメーカーだ。外観はボンネットが長くスマートで、エンジンを縦置きにしたことを示す。後輪駆動のレイアウトは前後輪の重量配分が優れ、操舵と駆動を分けることで運転感覚も洗練されている。シートは背筋を伸ばして深く座ると、運転姿勢がピタリと決まる。

ドイツ車には几帳面で理詰めのクルマ造りが多いが、BMWは特にこの傾向が強い。クルマが正確に運転することを求めてくる。

その意味で、BMWでは最初のSUVとなった先代(初代)X5が導入された時は、少なからず違和感を抱いた。操舵感が少し鈍めで、いかにも北米向け。BMWとしては大味な印象を抱いたからだ。

しかしその後、先代(初代)X3を試乗して印象が変わる。3シリーズのセダンと同様、正確性の高い動きを示した。

今回試乗するのはX1。BMWのSUVでは最小サイズだが、プラットフォームは2760mmのホイールベースまで含めて先代3シリーズと共通だ。ボンネットは長く、外観は少し背の高い5ドアハッチバックという印象。全長は4470mm、全幅は1800mmに収まり、国産SUVでいえばRAV4を100mmほど長くした程度の大きさになる。全高を1545mmに抑えたことも特徴で、立体駐車場を利用しやすい。

エンジンは2リッターを搭載。sドライブ18iは後輪駆動でノーマルエンジン。xドライブ20iとxドライブ28iは、4WDを採用してターボを装着する。今回は中級に位置するxドライブ20iを試乗した。

BMW X1BMW X1BMW X1BMW X1BMW X1

デザイン・スペックの総評

今回取り上げた3車種の外観を見比べると、各ブランドの個性は明確だ。

特にX1は、フロントマスク、リヤビュー、ロングノーズのサイドビューまで、BMWらしさが濃厚だ。全高も3車種の中では唯一1600mmを下まわり、低重心化を図るが、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は195mmと十分。SUVとしての機能は保たれている。

X1の対極に位置するのがイヴォークだろう。革新的で、未来のレンジローバーを予感させる。それでも本質的な機能は継承され、最低地上高は210mmと十分に確保。前後のオーバーハング(ホイールから前後にボディが張り出した部分)も短く抑え、デコボコを乗り越えやすい。雪道、泥道、砂地といった走行条件に応じて最適な運転感覚の得られる「テレイン・レスポンス」、滑りやすい傾斜路面を安定して走れる「ヒル・ディセント・コントロール」なども装着される。このあたりはレンジローバーらしい念の入れ方だ。

そしてセダンやアバント(ワゴン)のイメージを適度に受け継ぎながら、SUVらしさも相応に盛り込んだのがアウディQ3。最低地上高は170mmと若干低めながら、4WDのクワトロシステムによって走破力に不足はない。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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