悪路を走る性能を備え、なおかつ舗装路の走りも上質な先進の輸入SUV3モデルを比較チェック(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
悪路に強いSUVの機能と舗装路の快適な走りを兼ね備えた質感の高い輸入SUV3車の実力を探ってみよう
4WD(4輪駆動)車は自動車の黎明期から存在したが、本格的に実用化されたのは第二次世界大戦になる。アメリカのジープが有名だが、日本も1930年代に「くろがね四起/九五式小型乗用車」を開発していた。
この後、北米では4WDがSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)として幅広く普及。日本でも1982年に三菱パジェロが登場し、オフロードSUVがブームになった。
90年代に入ると日本では北米市場も視野に入れたCR-V、RAV4といった前輪駆動ベースのSUVが登場。市場を確立させている。
これに比べて欧州は、SUVを設定する時期が遅れた。メルセデスベンツのゲレンデヴァーゲン(今のGクラス)は1979年に登場したオフロードSUVだが、例外と見るべきだろう。アウディは1980年に4WDのクワトロを手掛けたが、車高の高い悪路向けのSUVには発展させていない。
その意味で傑出していたのが、イギリスのランドローバー。最初はローバー社のSUVだったが、後に独立したブランドになり、1970年には高級オフロードSUVのレンジローバーを生み出している。
BMWがX5、アウディがQ7でSUV市場に参入したのは2000年以降だ。導入が遅れた理由を輸入車を手掛ける複数のインポーターに尋ねると、「欧州は全般的に走行速度が高い。走行安定性が確保されたのを受けて市販されたから、時期が遅れたのだろう。北米のSUV人気に対応した面もある」と言う。
まさに満を持しての投入。それだけに熟成された車種がそろう。ここでは老舗となるランドローバーのレンジローバー・イヴォーク、アウディQ3、BMWX1を比較する。いずれも2リッターエンジンと4WDシステムを搭載するミドルサイズのSUVで、都会的な雰囲気を備えている。ボディサイズも手頃。日本の市場にもマッチする。
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