フォード マスタング 試乗レポート(2/3)

フォード マスタング 試乗レポート
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新開発V8エンジンはもはや前モデルとは比較にならない

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さて、その新開発V8エンジンについて説明しよう。

シリンダーヘッドはDOHC4バルブとなり吸排気独立可変バルブタイミング機構(Ti-VCT)が採用されている。エンジンルーム内の熱影響を受けにくいコールドエアーインダクションなど、前モデルからキャリーオーバーしたシステムと融合したそのスペックは最大出力418psを6,500rpmで、最大トルク529Nmを4,250rpmで発生する。

400ps越えのパワーもさることながら500Nmオーバーのトルクも強烈な数値だ。エンジン回転数のトップエンドは約7,000rpmと高回転型エンジンである。とはいえTi-VCTなどの機構で低中速もフォローしている。

このV8エンジンのブロックはアルミ製。また、減速時やエンジン負荷が少ない低速走行時などに積極的に燃料供給量を絞り燃費に貢献するADFSO機構が新たに採用されている。

ハイパフォーマンスモデルでも燃費への配慮が不可避な時代に突入してきているのだ。

さらに、トランスミッションは6速のATとなった。V6・V8モデルともに共通のギヤ比は、3-4速が加速重視、5-6速がクルージング重視(燃費重視)のセッティングになっている。

フォード マスタング

いよいよ走り出そう。

ドアを開けてシートに座った時、眼前に広がるのはあのマスタングの個性的なダッシュボード。1960年代を彷彿とさせる速度計のデザインや、イルミネーションの多種多様さ。メーターパネルバックライトのイルミネーションは、125色から好きな色が選択できるのだ。さらに、シートの造りが素晴らしい。

マスタングのインテリアにはマスタングにしかない華がある。だが、見とれている場合ではない。ポジションを合わせたらさっそくDレンジをチョイスして右足に力を入れる。

そのアクセル操作に、新開発V8エンジンは瞬時に反応した。少し強めにアクセルを踏み込めばフロントノーズが持ち上がり、リヤサスペンションが縮んで加速体制に入る。

そして、さらにアクセルを踏み込めば身体がシートに埋め込まれるように沈み、押さえつけられ、強烈な加速体験に誘うのだ。

7,000rpmの高回転エンジンとは思えない中速域の加速感。

まさにトルクで持って行かれそうになるアメ車独特の加速フィールだ。しかも、そのままアクセル開度を維持すれば、そのままトップエンドの7,000rpm付近まで回り、気がつけばショックの小さなエンジンリミッターが作動している。

このエンジン、アイドリング時から感じていたことだが、とても振動が少ない。そのくせ、排気音はアメリカンらしい豪快な音質。排気系からくる振動感もしっかりと味付けしている。

新しいV8のピックアップと力感は前モデルとは比較にならない。前モデルオーナーにちょっと申し訳ないくらいにスゴイ・・・。

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松田 秀士
筆者松田 秀士

1954年高知県生まれ。僧侶の資格を持ち、サラリーマン、芸能人の付き人を経て、28歳でレースデビュー。92年には、デイトナ24時間&ル・マン24時間レースに出場。94年、インディ500マイルレースに日本人2人目のドライバーとして初参戦。2年目の95年には完走を果たし、翌年、当時日本人最高位完走という成績を残した。同じ頃から東京中日スポーツ新聞等で自動車評論活動を開始。現在も執筆活動の傍ら、レーシングドライバーとしても活躍中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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