シトロエン DS5 試乗レポート/森口将之(1/2)

  • 筆者: 森口 将之
  • カメラマン:プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社
シトロエン DS5 試乗レポート/森口将之
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他のどのクルマにも似ていないところが「シトロエンらしい」

シトロエン DS5

シトロエンのDSラインは、シトロエンのプレミアムブランドと言っていいだろう。

ただし多くのライバルのように、スポーティさをウリにしているわけではない。キーワードは「革新と大胆」。もともとシトロエンが持っていたブランドイメージを、極限まで追求したシリーズなのだ。

去年日本に上陸したDS3は「プレミアムコンパクト」、今年発売されたDS4は「クーペとSUVの融合」というように、クラスによってコンセプトが異なるのもDSラインの特徴。日本とは逆に人と違うことがエライとされるフランスらしい。

第3弾となるDS5のコンセプトは「グランツーリスモ」と定義されている。

シトロエン DS5

南仏コートダジュールで行われた試乗会で出会った実車は、ワゴンとミニバンを足して2で割って、そこにクーペっぽいスパイスを振りかけたようなスタイリング。

ヘッドランプからドアにかけての「サーベル」と呼ばれるクロームの装飾がとにかく目立つ。他のどのクルマにも似ていない。

でもかつてのシトロエンは、唯我独尊といわれるほど超個性的な存在だった。そういう意味でDS5はシトロエンそのものだ。昔からのファンは「こうでなくちゃ!」と思っているんじゃないだろうか。

ボディサイズはそれほど大きくはない。

プラットフォームは同じクラスのもう1台のシトロエン、C5と共通ではなく、DS4やC4のストレッチ版で、4,530×1,871×1,512mmという数字はC5より265mmも短い。これなら日本の道でも持て余すことはないだろう。

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DS3やDS4と比べても一枚上手なインテリア

シトロエン DS5
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インテリアも個性的だ。

DS3やDS4ではインパネが同じクラスのC3やC4と共通だったが、DS5は独自の造形になった。さすがトップモデルだ。航空機のコクピットをイメージしたというそこは、奥行きが長く、センターコンソールはスロープしていて、シトロエンとしてはタイトな雰囲気が得られた。

仕上げのレベルは、最近レベルアップが著しいシトロエンの中でも最上級。しかも時計からパワーウィンドウスイッチまで、ほとんどのパーツが専用で、オーバーヘッドのスイッチも同じデザインで統一し、ルーフには3分割のガラスルーフが備わる。

DS3やDS4もスペシャリティだったけれど、DS5の特別感は一枚上手だ。腕時計のベルトをヒントにしたという前席の着座感はやさしくて、シトロエンそのもの。

後席は身長170cmの僕が座ると、ひざの前には約15cmの空間が残り、頭上にも余裕が残る。シートの角度や高さも絶妙で、座り心地は最高レベルだった。

低いフロアが印象的なラゲッジスペースは468リッターの容積を誇り、後席を折り畳んでスペースをさらに広げられる。

プレミアムブランドであっても実用性や多用途性を犠牲にしていないのはDS3やDS4と同じ。バカンスの国フランス生まれらしい作りだ。

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森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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