BMW 1シリーズ 試乗レポート

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BMW初プレミアムコンパクト 1シリーズ誕生!

BMWが発表したプレス向けのリリースの冒頭の一文にはこう書いてある。

--ミュンヘン発:2004年秋、BMWはまったく新しいコンパクト・クラスのクルマを発表します。この新しいモデルシリーズは3シリーズセダンよりも全長が240㎜短い。BMW独自のドライブ・コンセプト、パワフルなエンジン、ハイグレードな装備、そして真のドライビング・プレジャー「駆けぬける歓び」の体験を可能にするこのシリーズは、競争の激しいこの特別な市場セグメントに、新しい選択肢を提供する。---

実車に乗る前のイメージは、3シリーズの下のクラスの新しい2ボックスカー。駆動方式はFRだが、1シリーズというイメージはメーカーがいかに小さな高級車といっても、信じられなかった。

しかし、試乗してみると、確かに1シリーズは最新のBMWとは異なる楽しさがあった。それは、かつてのBMWのもつ“らしさ”だ。

スポーティなプロポーションがFR車であることをイメージさせる。

1シリーズのボディサイズを3シリーズセダンと比較してみると、全長は243㎜短く、ホイールベースも65㎜短い。しかし全幅は11㎜大きく、全高は15 ㎜高い。全幅がたっぷりしていることで、この1シリーズはあまり小さくは見えない。とくにリアビューはボリュームがある。

デザインはフロントはBMWの象徴であるキドニーグリルが大きく、左右はシンプル。リアは鋭いエッジを組み合わせたスタイル。コンパクトサイズの2ボックスカーだがフロントノーズが長く、スポーティなプロポーションだ。これがFR車であることをイメージさせている。

インテリアはこれまでのBMWらしく無難なデザインにまとめられている。センターパネルの操作面はドライバーのほうを向き、使い勝手はよい。リアシートは着座は低めで、足元の広さは確保されているが、中央部はコンソールと床面が高く、ヘッドスペースは身長165㎝が限界だ。

エンジンのレスポンスのよさだけではない。 ハンドリングが抜群に良い。

直列4気筒エンジンは2.0L、150馬力、20.4kgmの性能で、ミッションはマニュアルシフトモード付の6速ATを組み合わせている。1シリーズのバリエーションは2種類の2Lのほかに、1.6Lもある。

2Lエンジンは5000回転でもエンジン音は高まらず、トルクも3000回転からトルクが盛り上がる。全体にトルク感があり、軽いアクセルペダルも軽快なドライビングに貢献している。

しかし、1シリーズの魅力はエンジンのレスポンスのよさだけではない。ハンドリングが抜群なのだ。ガッシリとしたボディ剛性がコーナーや高速での安定感に結びついている。後輪駆動のバランスのよさも、FF全盛のこのクラスには新鮮だし、操る楽しさがある。この雰囲気は、初期のBMWスポーツセダンに共通するのだ。コンパクトなボディも扱いやすさにつながっている。久々に楽しいコンパクトカーに出会った。

「これでこそBMW!」本来目ざしていたドライビング・プレジャーを見事に再現。

気持ちよく回るエンジン、シャープなハンドリングを楽しみたいのならば、このクルマがいい。とくにBMWにそういうイメージを持っている人は、このクルマに乗ると本質を味わうことができる。

プレス向け試乗会で、この120iに乗った人の多くが「これだよね、BMWって」といっているのは、大きく、豪華になってしまったBMWが、本来目ざしていたドライビング・プレジャーを再現してくれたことに対する賛辞なのだ。

現在は、2.0Lエンジンの120iのみのラインナップだが、2005年春には2.0Lで129馬力の「118i」や1.6Lの115馬力の「116i」が加わる。そのなかで、もし1.6L+マニュアルミッションの組み合わせがあったら。 そして、そのモデルが250万円ぐらいだったら。それは、きっと楽しいコンパクトFRスポーツになるに違いない。

かつてAE86やKP61に乗っていた30~40代の“若者”なら、その楽しさがわかるはずだ。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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