アウディ Q5 試乗レポート(2/4)
- 筆者: 竹岡 圭
- カメラマン:小宮 岩男
アウディらしい独特のフォルムと格段に向上したQ5のインテリア
まずデザイン。
それはパッと見、「あっ!アウディだ!」と誰もが思えるスタイルだ。
最近のアウディのアイデンティティの一つであると言っても過言ではないLEDのアイライン。それにカタマリ感のあるフォルム、大型のシングルフレームグリル。これはどこから見ても、アウディ以外の何モノでもない。
ボディサイズは、全長4630mm×全幅1900mm×全高1650mm。
この全高1650mmという数値は、スズキのワゴンRより10mmも低い。なのに、最低地上高は205mmを確保している。軽の本格的オフローダーとして呼び声高いスズキのジムニーでさえ、最低地上高は200mmにして全高1680mmだから、そのボディディメンションの特殊さがわかる。
Q5はクロスオーバーSUVとしての機能性は十分に確保しながら、アウディらしいスポーティさの香るデザインと、これまたアウディらしいオンロードでの走行性能を考えた構成になっているというわけだ。
さてアウディにはもう1車種クロスオーバーSUVがある。お兄さんとも言えるQ7だ。
こちらはサイズだけ見ても全長5,085mm×全幅1,985mm×全高1,740mmとビッグサイズ。5mを超える長さと、2m近い幅では、日本の交通事情では少々もてあましてしまうというのが正直なところだろう。
さて最近のアウディは、インテリアの質感も格段に向上している。すっかりプレミアムブランドとしての仲間入りをしたな…というのが、お世辞じゃなく頷けるくらい丁寧な作り込みがなされている。それはQ5でも同じ。時には荒々しい野山を駆け抜けるなんていう状況でも、信じられないほど上品な雰囲気を醸し出す。
そういったクルマは大抵利便性へシフトするよりも、見た目豪華な装備に走りがちだが、Q5の場合、輸入車としては珍しくスライド可能な後席を採用しているのはユニークなところ。ちなみにスライド量は100mm。そしてこの後席、レバーひとつで前倒しできたりもするのだ!
シートアレンジすることが当たり前になっている日本のユーザーにとっては、この機能は嬉しい限り。ただしこういった利便性の高い機能に不慣れな欧州ユーザーは、少々ビックリだったのではないだろうか。
ちなみに小柄な私としては、フロア高の高いクロスオーバーSUVでのシートアレンジは、身長的に大変なので、この簡単装備がかなり心に刺さったのは言うまでもない。これには、バックドアが電動だったことも加点されている。
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