アウディ A3 海外試乗レポート(3/4)
- 筆者: 竹岡 圭
- カメラマン:アウディ・ジャパン株式会社
注目は1.4L TFSIエンジン+7速Sトロニックの運動性能
今回、数種のA3に試乗する機会があったのだが、いちばんのポイントとなりそうなのは、新パワーユニット1.4L TFSIエンジンと7速Sトロニックの搭載である。
このパワーユニット、VWゴルフTSIトレンドラインに搭載されているので、すでに体験された方もいらっしゃるかもしれないが、実はこのエンジンは欧州で展開されているTDIエンジンで培った、直噴+過給の技術を応用したもので、過給の力でパワーをコントロールするのが特徴。インテークマニホールドに組み込まれた水冷式インタークーラーと小径ターボチャージャーの採用がポイントとなっている。つまり少ない排気ガス量が少なくても、トルクの減少を補うための工夫がなされているのだ。
ちなみに200NmのMAXトルクが1,500~4,000rpmで発揮され、また1,250rpmという低回転域でMAXトルクの80%に到達する。特に3,000rpm以下の実用領域では、2L FSIエンジンを凌ぐパワフルさを発揮してしまうというのだ。
そして組み合わされた7速Sトロニックトランスミッションもニュースである。画期的!と世間を震撼させた6速Sトロニックが最大350Nmまでのトルクを発揮するエンジンに対応可能なのに対し、最大トルク250Nmまでの小排気量エンジンにしか対応はできないものの、より環境に優しい工夫がなされている。
その秘密は乾式クラッチの採用。乾式にするとクラッチ冷却用オイルが不要なため、オイル回路で生じていたパワーロスが押さえられ効率化が図られる他、潤滑に必要なオイル量が1.7Lと少ないのだ。
また、オーバードライブギアとしてギア比が高く設定できるため、回転数が抑えられて燃費がイイのは言うまでもない。スポーティと言い切れる走りの楽しさをスポイルせずに、環境への配慮を考えるところは、実にアウディらしいと言っていいだろう。
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