日本の道にちょうどいいアウディ A3&S3が8年ぶりに新型へ! デザイン良し・走り良しの優等生(1/3)

  • 筆者: 嶋田 智之
  • カメラマン:MOTA編集部・アウディAG
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アウディのプレミアムハッチバック&セダン「A3」シリーズが、2021年5月18日、フルモデルチェンジした。新型のベースグレード「30 TFSI」には、ダウンサイジングされた3気筒 1リッターターボ+48Vマイルドハイブリッドを搭載したことで注目される。

モータージャーナリストの嶋田 智之氏がさっそく試乗。小排気量化のネガをまったく感じさせない素晴らしい出来栄えに感服したという! 310psの2リッターターボを搭載するスポーツモデル「S3」の印象も交え、新型A3の優等生っぷりを紹介しよう。

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目次[開く][閉じる]
  1. A3とS3は同時期デビューの兄弟車8代目ゴルフと何が違う?
  2. 巧みなデザインでコンパクトサイズと存在感を両立
  3. インパネはデジタル化が加速! エッジの効いたデザインも見もの
  4. 999ccのダウンサイジングターボと48Vマイルドハイブリッドによる組み合わせに大満足
  5. デュアルクラッチの弱点であるギクシャク感を完全に解消
  6. 驚異的な曲がりっぷりとパンチのあるエンジンのS3
  7. コンパクトクラスの基準を超える価値がある新型A3&S3

A3とS3は同時期デビューの兄弟車8代目ゴルフと何が違う?

新しいアウディA3/S3を初めて日の光の下で見たときの第一印象は、“もしかしてアウディでいちばんカッコイイかも”だった。A3 セダンとS3 スポーツバックに試乗した後に最初にクチから出てきた言葉は、どちらも同じ、“いや〜、まいったなぁ……”だった。ホメ過ぎに思われるかも知れないが、こればかりは仕方ない。事実なのだから。いいと感じたモノをダメだということなんて、できるはずがない。

日本ではこの4月に正式発表となった新型A3シリーズ。スポーツバックは第4世代、セダンは第2世代となるわけだが、小さな高級車を目指して開発された初代から、ずっとCセグメントのプレミアムモデルの代表的な存在であり続けているのは御存知のとおりだ。またフォルクスワーゲン ゴルフと同じプラットフォームやパワートレーンを分け合い、チューニングを変えてそれぞれ独自のテイストを表現し続けてる点も、クルマ好きの間ではよく知られていることだろう。

実はこの数日前、僕はA3シリーズより遅れて国内発表となったゴルフ8を走らせて、その出来映えのよさに、同じように唸らされていた。けれど同じように唸りながらも僕の頭の中にあったのは、A3/S3の方がちょっと好きかも、という気持ちだった。

アウディ/A3スポーツバック
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巧みなデザインでコンパクトサイズと存在感を両立

その理由のひとつは、スタイリング。A3シリーズの基本骨格は、ゴルフ8などと同様、フォルクスワーゲン・グループ内で広く採用されているMQB EVOプラットフォームをブラッシュアップしなおしたもので、それを覆っているフォルムが先代と較べてかなり印象的なのだ。

とりわけ、ボディサイドの面構成やキャラクターラインを巧みに利用して、実際にはそれほど大きく膨らんではいない4つのフェンダーを見事なブリスターフェンダーに見せる演出。ここが上手い。そこからスポーティなイメージがパッと広がっていく。シリーズのスポーツモデルであるS3のノーズ先端に設けられた3つのスリットもそうなのだけど、こういうことをされると往年のグループBマシン、スポーツ・クワトロに憧れた世代は特に弱い。

またリアフェンダーのボリューム“感”に負けない太さのCピラーを絶妙な角度で寝かせることでスポーツバックのリア周りをシャープに見せてること、リアフェンダーのボリューム“感”をショルダーラインをリアエンドまで引いていくことでセダンのリア周りに視覚的な安定感を持たせてる辺りにも、心憎いと感じさせられる。

A3シリーズに関心のあるユーザーはA8のような重厚さを求めてるわけじゃないのだから、このくらいの華やかさはあっていい。スポーツバックもセダンも、僕は素直にカッコイイと思う。

インパネはデジタル化が加速! エッジの効いたデザインも見もの

インテリアも大きく変わっている。ダッシュ周りはe-tronのそれを思い起こさせる水平基調のややエッジの効いたデザインで、好き嫌いはあるかも知れないが、個人的には悪くないと思う。何よりドライバーに必要なモノが全てドライバーに向いているから、視認も操作もやりやすい。

時代が時代なだけにオプションも含めてデジタル化が進んではいるが、運転中にドライバーが操作しがちなスイッチ類は、ほとんどが物理的なモノとされている。レイアウトを覚えれば視線をやらなくても操作が行えるから、一定以上の世代やデジタル嫌いな人にはちょっとばかりありがたい。ゴルフ8ではさらに操作系のデジタル化が進んでいて、一部を除くほとんどの操作をタッチパネルでする必要がある。それは便利といえば便利だけど、不便といえば不便。アウディの方がドライバーの気持ちをより深く理解してるという見方ができなくもない。

ちなみに従来までのシフトのセレクターレバーが廃止され、代わりに指先で引いたり押したりするような小さいツマミのようなセレクターが備わってるのだが、それは見た目と違ってとても操作しやすかった。ゴルフ8にも同じような小さなセレクターが採用されてるから、今後のフォルクスワーゲン・グループのクルマは全て、これからこうなっていくのかも知れない。

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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