トヨタ パッソ/ダイハツ ブーン 試乗レポート|藤島知子(2/3)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:オートックワン編集部
綺麗なカラーが揃ったエクステリアとセンスの良いインテリア
スタイリングについては、自然な感覚で向き合えるシンプルな造形になっている。外装色は落ち着きのあるキレイ目なカラーが用意されていて、「ソーダ」や「ベニ」、「カガミ」といった、女性にとって身近なキーワードをエクステリアカラーとして取り込むことで、ワクワクするような世界感が繰り広げられている。
インテリアは、ベースとなるブラウン系の樹脂パネルが素っ気なく映るが、左右を横切る特徴的なダッシュパネルは、生地を織り込んだかのような立体的なシボを用いて、ひと手間掛けられている印象を受ける。
オーディオの操作パネルは菓子箱に入ったチョコレートを連想させ、エアコンの吹き出し口を家庭用オーディオのスピーカーに見立てた洒落の効いたデザインだ。
こうして必要十分でシンプルな素材と、ちょっといいモノを巧みに組み合わせているあたりは、ファッションやインテリアをコーディネートするテクニックに通じるものがある。
また、シートは茶、オレンジ、黄色など複数の色が織り混ぜられることで表情を生み出していて、スカートとして履いてもカワイイと思えるほどセンスがいい。今まではゲンナリさせられるファブリックを目の当たりにしてきただけに、「よくやってくれた!」と思わず拍手を送りたくなってしまった。
CVTの緻密な制御が1リッターエンジンと見事にマッチしていて、丹念にセッティングが煮詰められたと感じられるほど。CVTは吸音材付きの防音カバーが採用されていることで耳障りなノイズが低減されており、走行中の快適性も高かった。
また、13インチタイヤはスッとハンドルを切ったときも、タイヤの角を感じさせない滑らかな操縦性を発揮する。
いっぽう、新開発の1.3リッターエンジンは、アイシン製のCVTとの組み合わせ。アクセルを踏み込むと軽快にパワーを絞り出し、アクセルオフの状態でもエンジン回転の落ち込みが滑らかだ。まるで、ひとクラス上のクルマをドライブしているかのようなスムーズさが満喫できる。
1リッターでも十分な動力性能が得られているが、休日は高速道路を使ってロングドライブする使いかたなら、60km/h以上の高速域でもうひと伸びしてくれるぶん、気持ちにゆとりをもってドライブが満喫できる1.3リッターもオススメといえるだろう。
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