富士重工業がこのタイミングで“スバル”に社名を変えるワケ

富士重工業がこのタイミングで“スバル”に社名を変えるワケ
現在発売されているスバル車 スバル360 スバルエンブレム スバル インプレッサ スバル WRX STI スバル WRX STI 画像ギャラリーはこちら

世界的にもブランドイメージが高い“スバル”を社名に

現在発売されているスバル車

2017年4月1日をもって『富士重工業』が『SUBARU(スバル)』という社名に変わる。会社の名前を変更するのは珍しくないけれど、自動車業界だと1984年に『東洋工業』が『マツダ』になって以来のこと。なぜ富士重工業はスバルに社名を変えるのだろうか? 以下、考察してみたいと思う。

まず『富士重工業』と『スバル』の名前はどちらが一般的だろう? おそらく日本人なら「同じくらいでしょうね」と感じるかもしれない。しかし。アメリカに代表される海外に行くと、圧倒的にスバル優勢なのだった。このことを痛感したのが、吉永社長だったかもしれません。

吉永社長曰く「航空機関係の仕事でアメリカに入って名刺を出すと反応はほとんどありません。けれどスバルを作ってる会社ですというと、途端に“あのスバルか!”となるんです」。今やアメリカに於けるスバルのブランドイメージは、驚くほど高い。いや、世界的に見てもスバルなのだった。

ブランドイメージは、株の世界でも大きな影響を与える。富士重工業の業績が低迷した15年ほど前、富士重工業の株価総額は4000億円前後。2000億円で過半数の株を買えてしまう。実際、ヘッジファンドから狙われていたのだった。ブランドイメージを作れば、株価も安定していく。

こうなると残る問題は富士重工業という伝統ある社名を無くしていいのか、ということが課題になってくる。これまた社内で調査したところ、懸念していた航空関連部門からの反対意見も出なかったそうな。考えてみたら航空関連部門にとってのルーツは『中島飛行機』なのかもしれない。

>>新生スバル第一弾の新型XVを写真で見る

中島飛行機100周年、むつら星誕生60年という年に

スバル360

また、普通なら社名変更しようとすれば、看板の変更に代表されるけっこうな投資をしなければならない。スバルの場合、ディーラーはすでにスバルだし、エンブレムも全く同じ。メールアドレスも自動車関連部門はすでにsubaru。名刺の富士重工業という部分をスバルに変えるくらいで済む。

ちなみに初めて『スバル』という名前を使った製品は1958年3月に発売された『スバル360』である。スバルは英語でなく、古来夜空で親しまれているプレアデス星団の日本名『すばる』(むつら星とも言う)にちなんでいる。スバルのエンブレムにある6つの星はその所以から来たものだ。

また、富士重工業は企業の祖である『飛行機研究所』が出来て今年で100周年を迎える。同時にスバル360から60年という素晴らしいアニバーサリー。社名変更をするなら今年しかないでしょう、という文句のないタイミングだったりする。

[Text:国沢光宏]

>>スバル車を写真で見る

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

スバルの最新自動車ニュース/記事

スバルのカタログ情報 スバルの中古車検索 スバルの記事一覧 スバルのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる