【2024年】スバル 新型レヴォーグ レイバックの価格は399万3000円! サイズや装備、スバルの他SUVとお買い得度を徹底比較

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:SUBARU/小林 岳夫/堤 晋一
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スバルの新型SUVとなる「レヴォーグ レイバック」の先行予約が2023年9月7日から開始されました。正式発表は今秋に予定されています。

新型レヴォーグ レイバックはステーションワゴンのスバル レヴォーグをベースとし、車高を上げた日本市場向けのSUVです。

さっそく、新型レヴォーグ レイバックを閉鎖されたコースでカーライフ・ジャーナリスト渡辺 陽一郎さんが試乗。そんな渡辺さんに価格やサイズ、オプション装備などを解説してもらいました。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型レヴォーグ レイバックの価格(販売店調べ)
  2. 新型レヴォーグ レイバックの主要装備(標準装着品)
  3. 新型レヴォーグ レイバックのメーカーオプション装着車と価格(販売店調べ)
  4. 新型レヴォーグ レイバックのレビュー・評価
  5. 新型レヴォーグ レイバックのエンジンやプラットフォーム、ボディサイズ
  6. 新型レヴォーグ レイバックが登場した背景
  7. 新型レヴォーグ レイバックのエクステリア(外観)
  8. 新型レヴォーグ レイバックのインテリア(内装)、シート
  9. 新型レヴォーグ レイバックの運転のしやすさ、乗り心地
  10. 新型レヴォーグ レイバックの走行性能
  11. 新型レヴォーグ レイバックのターゲットユーザー|SUVが豊富な今、あえて日本専売にする理由
  12. 新型レヴォーグ レイバックの価格|新型レヴォーグ、新型クロストレック、新型レガシィアウトバックと比較

新型レヴォーグ レイバックの価格(販売店調べ)

・リミテッドEX:399万3000円(4WDの1グレードのみ)

グレードは1種類で、駆動方式は4WDです。

それでもスバルでは上級車種のグレード名となっている「リミテッドEX」の名称が与えられました。価格は399万3000円です。

下記に示す通り、ハーマンカードンサウンドシステムまで含めてフル装備となります。

新型レヴォーグ レイバックの主要装備(標準装着品)

・アイサイト(衝突被害軽減ブレーキ+運転支援機能)

・アイサイトセイフティプラス

・アイサイトX(高度運転支援システム)

・サイド/カーテン/ニーエアバッグ

・歩行者保護エアバッグ

・11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム

・ハーマンカードンサウンドシステム

・運転席と助手席の電動調節機能

・18インチアルミホイール&オールシーズンタイヤ

新型レヴォーグ レイバックのメーカーオプション装着車と価格(販売店調べ)

・スマートリヤビューミラー装着車:404万8000円

・本革シート装着車:412万5000円

・スマートリヤビューミラー+本革シート装着車:418万円

・スマートリヤビューミラー+本革シート+サンルーフ装着車:429万円

新型レヴォーグ レイバックのレビュー・評価

外観

3.0

★★★☆☆

内装・居住性

4.0

★★★★☆

走行性能

4.0

★★★★☆

運転のしやすさ

3.0

★★★☆☆

乗り心地

5.0

★★★★★

燃費

3.0

★★★☆☆

価格の割安度

3.0

★★★☆☆

良かった点

・ベースとなる新型レヴォーグに比べ、日本の使用環境に合わせて乗り心地を大幅に向上

・200mmの最低地上高で悪路の走破性能も高い

・内装の仕上げが上質で装備内容も充実している

気になった点

・カーブを曲がる時にボディが大きめに傾く

・丸みのある外観は好みが分かれそう

・充実装備ではあるが、価格も約400万円に達する

新型レヴォーグ レイバックのエンジンやプラットフォーム、ボディサイズ

新型レヴォーグ レイバック

全長

4770mm

全幅

1820mm

全高

1570mm

ホイールベース

2670mm

最低地上高

200mm

車両重量

1600kg

最小回転半径

5.4m

エンジン

水平対向4気筒1.8L直噴ターボ

最高出力

177馬力(5200〜5600回転)

最大トルク

30.6kg-m(1600〜3600回転)

フロントサスペンション

ストラット

リアサスペンション

ダブルウイッシュボーン

新型レヴォーグ レイバックはSUV風の仕様で、前後のフェンダーにはブラックの樹脂の縁取りが施されています。

フロントマスクやリヤバンパーの形状もベースとなる新型レヴォーグとは異なります。この外装パーツの装着によって、全長は4770mm、全幅は1820mmと新型レヴォーグに比べてボディが少し拡大されています。

最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は、新型レヴォーグの145mmに対して、新型レヴォーグ レイバックはスバル 新型クロストレックと同じ200mmに拡大されました。悪路のデコボコも乗り越えやすいです。

エンジンは新型レヴォーグと同様の水平対向4気筒1.8Lターボで、最高出力は177馬力(5200〜5600回転)、最大トルクは30.6kg-m(1600〜3600回転)。エンジン性能からギヤ比まで、新型レヴォーグと共通化されています。

新型レヴォーグ レイバックが登場した背景

スバルは走りにこだわりを持つ技術指向のメーカーです。電気自動車の新型ソルテラやOEM車を除くと、スバル全車で水平対向エンジンが搭載されています。またスポーツカーの新型BRZ以外の全車で4WDを選べることも特徴です。都会的な5ドアハッチバックの新型インプレッサでも、4WD比率は50〜60%に達します。

この中でワゴンのスバル 新型レヴォーグは、ターボエンジンと4WDのみを搭載し、スバルのイメージリーダーカーになっています。

ちなみに以前のスバルは、ツーリングワゴンのレガシィが主力で、レガシィをベースにしたSUVのアウトバック、セダンのB4もありました。ただし近年のレガシィは北米指向を強め、日本で販売されているタイプはレガシィアウトバックのみです。

現行型のレガシィアウトバックはボディも大きく、全長は4870mm、全幅は1875mmに達します。スバルらしい適度に機敏な運転感覚が薄れ、混雑した街中や駐車場でも扱いにくいため、レガシィアウトバックは売れ行きが下がりました。

そこで以前のレガシィツーリングワゴンに相当する車種として、レヴォーグが登場しました。現行型は2代目で、全長は4755mm、全幅は1795mmです。

これは2009年に発売された5代目レガシィツーリングワゴンに近い大きさです。当時はレガシィツーリングワゴンをベースにしたレガシィアウトバックも適度なサイズを選べました。

このような背景を考えると、当時のレガシィに近いサイズの新型レヴォーグにも、アウトバックに相当する仕様が欲しいところです。

そこで新型レヴォーグ レイバックが投入されたという背景があります。

新型レヴォーグ レイバックのエクステリア(外観)

新型レヴォーグ レイバックの外観を実車で見ると、新型レヴォーグの鋭角的な印象が抑えられ、フロントマスクは丸みを強めています。全体的に柔和な印象です。

この点を開発者に尋ねると以下のように返答されました。

「スバルのSUVは、レガシィアウトバックからフォレスターまで、アウトドアの印象が強いです。そこで新型レヴォーグ レイバックは、最低地上高を200mmに高めながら、フロントマスクは都会的としました。トヨタ ハリアーなどの都市型SUVがライバル車です」。

新型レヴォーグ レイバックでは、新型レヴォーグのようなシャープでスポーティ感覚は薄れました。一方で、外観にはボリューム感が伴い、リラックスできる雰囲気となっています。

新型レヴォーグ レイバックのインテリア(内装)、シート

内装も同様で、インパネなどの基本デザインは新型レヴォーグと同じですが、シートの造りは異なります。新型レヴォーグ レイバックでは、座面の左右に張り出すサイドサポートの高さが抑えられており、乗降性が向上しています。

シートの色彩も、新型レヴォーグはブラックが基調ですが、新型レヴォーグ レイバックは明るいグレーなどが用いられています。

車内の広さは新型レヴォーグと同じです。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、握りコブシ2つ半です。

後席に座る乗員の足が前席の下に収まり、広々とした雰囲気があります。座面の前側が少し持ち上げられたため、腰が落ち着いて4名乗車も快適です。

新型レヴォーグ レイバックの運転のしやすさ、乗り心地

新型レヴォーグ レイバックの試乗を開始すると、快適な乗り心地に気付きました。路上の細かなデコボコを吸収して、硬さや段差での突き上げが抑えられています。

外観や内装、さらに走りまで、新型レヴォーグ レイバックはリラックス感覚を強めました。

その代わりにキビキビとした走りは苦手な傾向にあります。峠道のカーブを曲がる時は、新型レヴォーグよりも新型レヴォーグ レイバックの方がボディの傾き方が大きいと感じます。速度を少し高めてカーブに進入すると、旋回軌跡が拡大しやすく、不安定な姿勢となります。

また下りカーブで、危険を避けるためにブレーキを掛けると、後輪の接地性も若干下がる印象を受けました。それでも不安を感じさせない範囲に収められています。

新型レヴォーグ レイバックの走行性能

新型レヴォーグ レイバックのタイヤサイズは18インチ(225/55R18)で、試乗車の銘柄はオーツタイヤのファルケンZIEX・ZE001A/Sでした。このタイヤは指定空気圧を含めて、新型クロストレック リミテッドと共通ですが、新型レヴォーグ レイバックは1.8Lターボの搭載で動力性能が高いです。そのため、タイヤの性能が相対的に不足しているように感じました。

それでもステアリング操作に対する反応は穏やかで、乗り心地や安定性とのバランスも取れています。パワーステアリングの操舵感も、不安を感じさせない範囲で軽く仕上げられました。スバル車に慣れていない人でも、運転感覚は新型レヴォーグよりは馴染みやすいです。

またボディの傾き方など、新型レヴォーグよりも新型レヴォーグ レイバックの方が大きな挙動変化は穏やかに発生するため、ドライバーは操る楽しさを実感しやすいです。

速さを競えば新型レヴォーグが勝ちますが、一般的な速度で同じカーブを曲がると、姿勢の変化が大きな新型レヴォーグ レイバックの方が運転が好きな方にとっては楽しく感じられる面もあります。

新型レヴォーグ レイバックに搭載される1.8Lターボの動力性能は十分ですが、エンジン回転が2500回転以下になると、峠道などではアクセル操作に対する反応が少し緩慢に感じられます。

新型レヴォーグ レイバックの性格を考えると、今後の商品改良で最高出力を現在の177馬力から150馬力程度に抑えても、実用回転域の駆動力が高められることに期待したいです。高回転域まで回す性格ではないからです。

新型レヴォーグ レイバックのターゲットユーザー|SUVが豊富な今、あえて日本専売にする理由

開発者によると「新型レヴォーグは海外でも販売されますが、新型レヴォーグ レイバックは日本専用で、国内の使用環境に合わせて開発されました」とのことです。

日本向けだからこそ、比較的低い速度域に重点を置き、足まわりを柔和な設定にされました。

そしてターゲットユーザーは奥様です。新型レヴォーグはクルマ好きの男性が主に欲しがりますが、女性が試乗すると「乗り心地は硬いし、ハンドルも重いからダメ」と言われてしまう、ということが現場から多く聞かれました。そのため、新型レヴォーグ レイバックが開発されたという背景があります。

新型レヴォーグ レイバックは乗り心地が快適で、パワーステアリングの操舵感も重くありません。内装は明るくオシャレで、シートの改善により、買い物に出かけた時の乗り降りもしやすいです。女性が身につけるスカートも乗降の際に引っかかりにくいでしょう。

新型レヴォーグ レイバックの持ち味は、1990年代の日本で「レガシィグランドワゴン」と呼ばれたアウトバックの前身に近いです。

今のレガシィアウトバックはSUVに近いですが、レガシィグランドワゴンは文字通りワゴンの派生モデルでした。

新型レヴォーグ レイバックもSUVらしい野性味は弱く、リラックスできる車高の少し高いワゴンです。新型レヴォーグ レイバックはレガシィグランドワゴンの再来ともいえます。

新型レヴォーグ レイバックの価格|新型レヴォーグ、新型クロストレック、新型レガシィアウトバックと比較

新型レヴォーグ レイバックの価格は、冒頭で示した通りリミテッドEXが399万3000円です。

新型レヴォーグGT-H・EXの価格は370万7000円で、新型レヴォーグ レイバック リミテッドEXは28万6000円高いですが、ハーマンカードンサウンドシステムが標準装着されているので、実質15万円程度で外装パーツが装着されて、最低地上高も高区なります。

新型レヴォーグとの比較では、新型レヴォーグ レイバックは割高ではありません。

一方、ベーシックな新型クロストレック リミテッドは、水平対向4気筒2Lのe-BOXERが搭載され、4WDの価格が334万4000円です。新型レヴォーグ レイバック リミテッドEXは65万円高いです。

新型レヴォーグ レイバックと新型クロストレックの車内の広さは大差がないため、動力性能、安定性、乗り心地、さらにアイサイトXやハーマンカードンサウンドシステムなどの装備に65万円相当の価値を見い出せるか否かで、新型クロストレックか新型レヴォーグ レイバックかの選択が変わります。

このあたりは試乗して判断するのが良いでしょう。

新型レガシィアウトバックは、1.8LターボのリミテッドEXが440万円です。

この機能や装備内容は新型レヴォーグ レイバック リミテッドEXとほぼ同じで、価格は新型レヴォーグ レイバックが41万円安いです。

この比較では新型レヴォーグ レイバックが割安でしょう。

以上の新型クロストレック、新型レヴォーグ レイバック、新型レガシィアウトバックを比較して選ぶ方法もあると思います。既存の車種をベースにしたSUVモデルが出そろいました。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:SUBARU/小林 岳夫/堤 晋一】

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筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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