3列シート版日産 ノートの噂は誤報だった!? 「NISSAN NEXT」から改めてひも解いてみる
- 筆者: MOTA編集部
日産から2020年11月24日(火)に、新型ノートがいよいよ発表された。この発表の1年前くらいに良く聞かれていたのは「ノートにスライドドア・3列シート版ミニバンの派生仕様が存在する」というまことなしやかな噂だった。その後、日産のコンパクトミニバン登場説はどうなっているのだろうか。改めて検証してみる。
日産の事業構造改革「NISSAN NEXT」で明らかにされた新型車は12車種
2020年12月の時点で既に9車種が発表済み
以前、日産 新型ノートについて、3列シートのミニバン派生モデルが登場するとの噂が広く流れた時期があり、MOTAでもその情報を取り扱っている。気付けばその話も、ここ最近はすっかり聞かれなくなってしまった。果たしてどうなっているのだろうか。
ノートの発表よりさかのぼること半年前の2020年5月28日、日産は事業構造改革「NISSAN NEXT」をオンライン上で発表した。ここで向こう18か月の間に、世界で12車種の新型車を市場投入することを明らかにした。新型フェアレディZ発売の計画があることが明らかになったのもこの時が初めてだった。
既にこの半年で「アリア」、「キックス」、「フェアレディZ」、「ノート」、「ローグ」(日本名「エクストレイル」だが日本仕様は未発表)、あとは今のところ日本未導入の「マグナイト」、「ナバラ」、「QX60」(現時点ではコンセプト)、「テラ」(エクステラ)の9台が発表済みだ。
そこで懸案の「ノート派生ミニバン」となるのだが…残念ながらその名前は挙がっていない。
残りの3車種は海外向けのSUVやトラックばかりか
実は残りの車種も、プレゼンの動画でアルファベットのイニシャルだけは明らかにされていた。現在の車名と当てはめると「アルマーダ」、「フロンティア」、「パスファインダー」と、どれも日本未導入モデルばかり。動画でも、明らかにSUVやピックアップトラックのシルエットで、ミニバンには見えないモデルばかりが並んでいた。
楽しみに待っている方にはガッカリな情報だが、この法則に従うと、少なくとも2021年中のノート派生ミニバン登場はない、ということになる。
日本で4車種のe-POWERモデル導入を宣言! その内訳とは!?
キックスとノート、既に2台は導入済みだ
NISSAN NEXTでは、これまであまり注力してこなかった日本市場へのテコ入れを図るとした日産。少なくとも1年1台のニューモデルを国内で発表し、さらに2023年度末までにe-POWERモデルを4車種導入する、と日産の内田社長は宣言していた。
現段階でキックス、ノートと2台のe-POWERモデルを導入済み。2021年には、e-POWER初採用の新型エクストレイルが登場する見込みだ。スポーツカーのフェアレディZにはe-POWERはないだろうから、残りは1台! となる。
ミニバンといえば気になる、次期セレナの存在
そこで気になるのが、もうひとつのミニバン「セレナ」の存在だ。現行型のデビューは2016年。2018年にe-POWERモデルが追加されているが、2022年で登場後丸6年が経過する。
先代、先々代と人気を維持するセレナは、およそ5~6年の間にフルモデルチェンジを実施してきた。次もそのサイクルで新型が登場する確率は非常に高そうだ。e-POWERも当然継続採用されるだろう。
となると、同じタイミングでまた新たなコンパクトミニバンを投入してくるとは到底考えにくく、残念ながら現段階では誤報だった可能性が高い。
あるいは、次期セレナがノートと同じ最新のCMF(コモン・モジュール・ファミリー)プラットフォームを用いて、ノートと同じ第2世代e-POWERを積むことなどから、ノート派生という情報として伝わってしまった可能性もありそうだ。
そもそも12車種の定義があいまいだった
キャシュカイにQX55と、そもそも12車種を超えるモデルが登場する現状
しかしまさかのウルトラCを思わせる事態が起きている。11月13日、2021年春に新型キャシュカイを発表すると欧州の日産が発表したのだ。13車種目の登場である。おそらくローグの兄弟車となるはずだから、1台とカウントしていなかったのだろうか。
ちなみにインフィニティが9月25日に新型QX60のコンセプトカーを発表した後の11月18日、QX55を発表している。QX60も2021年中の発表を宣言しており、すでに全く計算が合わなくなっている。もはや12車種と宣言した前提条件すら、もろくも崩れてしまうのだった。ならばまだ可能性もありそうだが…。
実態はノートの派生モデル! それとも!?
ノート派生モデルについては現在、SNS上で「ノート・オーラ」と、やけに具体的な車名まで流されている。真偽のほどは不明だが、もしこうしたサブネームがついたなんらかの仕様違い(特別仕様車!?)だとすれば、ノートファミリーの一員とカウントされてもおかしくはない。この情報に尾ひれがついて、派生ミニバンとの噂を呼んだ可能性もある。
いずれにせよ、2020年12月の段階でMOTA編集部にそうした情報は一切入ってきていないのが実情だ。2019年時点では信憑性の高そうな話題だったことを考えると、その後何らかの計画変更が行われたのかもしれない。MOTAでは引き続きこの情報について追い続けていく予定だ。
[筆者:MOTA編集部]
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