ホンダ 新型CR-V ハイブリッドの予想価格は450万円〜!? 発売は2025年中盤以降

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:佐藤 正巳/島村 栄二/堤 晋一/茂呂 幸正/本田技研工業/MOTA編集部
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ホンダの大型SUV「CR-V」が水素燃料電池車「e:FCEV」として復活し、注目を集めましたが、さらにハイブリッドモデル「e:HEV」の国内導入が期待されています。

この記事では、新型CR-Vの特徴やe:HEV導入時の予想価格と発売時期、そしてホンダの他モデルとの比較についてカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが詳しく解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型CR-Vとは
  2. 新型CR-Vのハイブリッドモデル導入への期待
  3. ホンダの国内戦略における新型CR-Vの役割
  4. 新型CR-Vの外観(エクステリア)
  5. 新型CR-Vの予想ボディサイズ
  6. 新型CR-Vの内装(インテリア)
  7. 新型CR-Vの前後席(シート)
  8. 新型CR-V e:HEVの予想パワーユニット
  9. 新型CR-Vの走行安定性
  10. 新型CR-V e:HEVの予想価格と発売時期
  11. 新型CR-Vのレビュー・評価

新型CR-Vとは

SUV人気の先駆けとなった初代CR-V

SUVは現在人気のカテゴリーですが、その先駆けとなったのが1995年に発売された初代CR-Vでした。

乗用車と共通のプラットフォームを使った前輪駆動ベースの4WDを搭載して、コンパクトなボディに広い室内空間を備えました。

初代CR-Vはアウトドア志向のユーザーやファミリー層などに支持されたことで人気車になり、発売された翌年の1996年には、国内で1か月平均約8600台が登録されました。

CR-Vの大型化と北米指向が招いた販売不振

CR-Vは1996年ごろまでは販売が好調でしたが、その後は売れ行きが下がりました。北米指向を強めてボディが大型化され、日本のユーザーニーズから離れたためです。

2013年にコンパクトなボディで広い室内を備えた初代ヴェゼルが登場すると、CR-Vはさらにユーザーを奪われ、2011年に登場した4代目の売れ行きはますます低迷しました。2015年の1か月平均登録台数は100台以下で、1995年の1%以下まで減りました。

CR-Vは一時国内販売終了するも復活を遂げた

CR-Vは2016年に国内販売を終了しましたが、2018年に復活しています。

開発者は「SUVの人気が高まり、オデッセイなどからの乗り替えを考えると、コンパクトなヴェゼルだけでは足りない。そこでCR-Vを復活させた」とコメントしました。

しかし、復活したCR-Vは内装の質などに不満があり、価格は割高で販売が低迷します。

2018年に復活した時に公表した1か月の販売計画は1200台でしたが、2021年の実売台数は約370台と大幅に下まわり、2022年に再び廃止されました。

国内で一度廃止した車種を復活させ、改めて廃止するケースは珍しいです。

燃料電池車「e:FCEV」として復活

もはや再度の復活はないと思われましたが、2024年7月にフルモデルチェンジした新型CR-Vが国内販売を改めて再開しました。

新型ホンダCR-Vは、2024年に燃料電池車(FCEV)の「CR-V e:FCEV」として登場しました。

CR-V e:FCEVは、水素と酸素の化学反応で発電しモーターを駆動する仕組みで、1回の水素充填で約621kmの走行が可能です。

例えば電気自動車の日産 リーフが1回の充電で走れる距離は、最も長いグレードでも450kmなので、燃料電池車のCR-V e:FCEVは大幅に上まわります。

また水素充填の所要時間は約3分なので、電気自動車の急速充電と比べても圧倒的に短いです。

水素充填は約3分と迅速ですが、水素ステーションの数が少なく利便性に課題があります(全国で約160箇所)。

そのため、CR-V e:FCEVは、燃料切れ対策として充電機能を備え、満充電で約61kmの走行が可能な17.7kWhのリチウムイオン電池を搭載しています。

これにより、自宅充電や短距離移動で水素の節約も可能です。

ただし、現在はリース専用車で、価格は809万4900円と高額です。

新型CR-Vのハイブリッドモデル導入への期待

今後のCR-Vは、高額な燃料電池車の「e:FCEV」だけでなく、ハイブリッドの「e:HEV」搭載車も日本国内に導入する可能性が高いです。

ホンダの関係者からは「クルマの性格や価格がZR-V(ホンダのミドルサイズSUV)と重複する心配はありますが、現行型のCR-Vは、走りなどについて社内的にも評価が高いです。日本でも人気が高まると思います」と、新型CR-Vについて前向きな意見が聞かれました。

燃料電池車から国内販売を開始するモデルは珍しく、走行性能についても一定の評価が得られるモデルであれば、パワーユニットのラインアップを増やす可能性はあります。つまりe:HEVも導入するのではないか、という具合です。

販売店からは「燃料電池車は、近所に水素ステーションがないと使えないため商売になりません」と厳しい声が挙がっています。

続けて「しかもCR-Vは5年間のリース専用車で、買い取りはできません。リース料金は(税金や車検費用などを含めて)概算で月額17万円前後になり、リース期間が過ぎたら返却します。そうなるとCR-Vは売りにくいです。CR-Vを復活させるには、e:HEVが不可欠でしょう」と、ハイブリッドの導入を期待する声が寄せられました。

ホンダの国内戦略における新型CR-Vの役割

先のコメントで新型CR-Vは「クルマの性格や価格がZR-Vと重複する」という話がありましたが、比較対象となるZR-Vの売れ行きは伸び悩んでいます。

ZR-Vの2024年上半期(4月から9月)の登録台数は、コンパクトSUVであるヴェゼルの約60%です。

ZR-Vは2023年4月に発売された比較的設計の新しいSUVでありながら、好調とはいいがたいです。

そしてZR-Vの車内の広さは、コンパクトサイズで空間効率の優れたヴェゼルと大差ありません。

ZR-Vの走行性能と内装の質はヴェゼルに比べて優れていますが、ZR-Vは商品力の違いが曖昧な面もあり、長く大量に販売できる商品ではないでしょう。

そうなると知名度もそれなりにあり、外観も立派で、ボディが大きく車内も広いCR-Vも必要となります。そこで北米仕様と同様に、CR-Vにもハイブリッドモデル「e:HEV」の導入が考えられます。

新型CR-Vの外観(エクステリア)

新型CR-Vにe:HEVが追加されると仮定して、まずは外観(エクステリア)についてみていきましょう。

新型CR-Vの外観はすでに販売されている「e:FCEV」と大幅な変更はないでしょう。デザインは先代モデルに比べて上質なSUVと言えます。外観の存在感も従来のCR-Vに比べて強くなりました。

新型CR-Vの予想ボディサイズ

新型CR-V e:HEVのボディサイズは全長4805mm、全幅1865mm、全高1690mm、ホイールベース2700mmとなるでしょう。これは現在販売されているCR-V e:FCEVと同等の数値です。

ボディサイズも先代モデルに比べて大きいですが、トヨタ クラウンクロスオーバーなどと同程度です。

以下は一覧の表です(単位はいずれもmm)。

車種全長全幅全高ホイールベース
CR-V

4805

1865

1690

2700

クラウンクロスオーバー

4930

1840

1540

2850

新型CR-Vの内装(インテリア)

新型CR-V e:HEVの内装(インテリア)もCR-V e:FCEVと比べて大きな変更はないと考えられます。

新型CR-Vではインパネ周辺の質なども先代モデルと比べて向上しました。

メーターやスイッチ類の基本的な配置はZR-Vに似ていますが、装飾類はさらに上質な作りとなっています。

新型CR-Vの前後席(シート)

ここからは新型CR-Vの前後席(シート)をみていきましょう。

シート類もCR-V e:FCEVと大きな違いはないと考えられます。

新型CR-Vの前席

新型CR-Vの前席の座り心地は、設計の新しいSUVとあって快適です。

シートの作りに工夫が凝らされており、腰から大腿部をしっかりと支えることができます。

そのため着座姿勢が乱れにくく、肩まわりのサポート性も良好です。長距離を快適に移動できます。

新型CR-Vの後席

新型CR-Vは後席も広いです。

身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の頭上には握りコブシ1つ分、膝先には3つ分近い余裕があります。

後席のサイズも広く、座面は適度に柔軟でボリューム感もあります。

ZR-Vと比べても、明らかに広くて快適です。

新型CR-V e:HEVの予想パワーユニット

新型CR-V e:HEVのパワーユニットは、北米仕様と同じ直列4気筒2.0Lハイブリッドエンジンと2モーターが採用されると考えられます。

駆動用モーターの最高出力は180〜200馬力、モーターの最大トルクは32.0kg-m前後となるでしょう。

新型CR-Vの走行安定性

燃料電池車のe:FCEVとハイブリッド車のe:HEVでは動力性能は大きく異なりますが、新型CR-Vの走行安定性についてはほぼ同じであるため、ここでは走行安定性に限って紹介します。

新型CR-V e:FCEVに試乗すると、カーブを曲がったり車線を変更したりする時は4輪の接地性が高いと感じられます。

新型CR-V e:FCEVは車両重量が2トン以上あるのでボディの重さは感じますが、挙動の乱れは気になりにくいです。

ステアリングホイールを回し始めた時から、車両の進行方向が正確に変わり、運転しやすくて車両との一体感も得やすいです。

CR-V e:FCEVは、北米で生産される輸入車のため、北米仕様のオールシーズンタイヤが装着されています。

そのため、タイヤが路上を転がる時に発するノイズが大きく、乗り心地も硬く感じられる場合がありますが、この欠点は日本向けの足まわりとタイヤに変更することで改善できます。

この辺りはe:HEVになっても大きな変更はないでしょう。

以上のように燃料電池車で復活したCR-Vは、従来型に比べて、内装の造り、シートの座り心地、ステアリングの操舵感、走行安定性、乗り心地などが幅広く向上しています。

新型CR-V e:HEVの予想価格と発売時期

CR-V e:HEVの導入にあたって問題となるのは価格です。北米仕様の価格を単純に換算すると、CR-V e:HEVは520〜600万円に達します。

日本では人気の高いトヨタ ハリアー ハイブリッドと同等の410〜500万円の価格帯に合わせないと売りにくいです。

CR-Vを国内で堅調に売るには、価格に関してホンダの本気度が問われます。

新型CR-V e:HEVの予想価格は450万円〜! 2025年の中盤以降に発売予定

そこでCR-V e:HEVを2025年の中盤から後半に、450〜520万円の価格帯で投入するでしょう。

2025年にホンダ車のフルモデルチェンジや新規投入車種として予定されているモデルは、スポーティクーペのプレリュード程度です。

プレリュードの価格はホンダのスポーツモデルであるシビックタイプRと同じく500万円前後に達するため、数多くは売りにくいです。

そこでSUVの最上級車種として新型CR-Vを投入すれば、国内の新たな基幹車種となるでしょう。

2024年に入ると、以前は国内で販売されるホンダ車の約40%を占めたN-BOXが売れ行きを下げています。

2023年10月にフルモデルチェンジを果たしましたが、2024年1〜10月の売れ行きは、モデル末期だった先代型よりも約10%少ないです。

フリードも2024年にフルモデルチェンジを行って、ホンダの国内販売台数は増えましたが、ホンダ車全体の商品力のさらなる強化が求められています。

また、CR-Vの廃止と再開を繰り返し、場当たり的な対応が今のホンダの欠点です。以前のCR-Vのユーザーは、国内で廃止されると見捨てられた気分になったでしょう。

CR-Vユーザーは廃止されたタイミングでトヨタ ハリアーなど他社のSUVに乗り替えることもあります。その後に国内販売を再開すれば、かつてCR-Vを愛用したユーザーは動揺するでしょう。

それを再び廃止したり、復活させることは、ユーザーに対する愛情の欠如といっても大げさではありません。

新型CR-Vでは燃料電池車だけでなく、ハイブリッドも追加して、盤石な販売体制が確立することを願うばかりです。

新型CR-Vのレビュー・評価

外観

3.0

★★★☆☆

内装・居住性

4.0

★★★★☆

走行性能

4.0

★★★★☆

運転のしやすさ

2.0

★★☆☆☆

乗り心地

4.0

★★★★☆

燃費

4.0

★★★★☆

価格の割安度

3.0

★★★☆☆

新型CR-Vの良い点

・内装の質感が高く、後席も広いからファミリーで使いやすい

・ボディ剛性が高く、走行安定性が優れている

・SUVとしては乗降性や積載性が良く、日常的に使いやすい

×新型CR-Vの気になる点

・ボディサイズが大きく、混雑した街中では運転しにくい

・北米仕様のタイヤは、路上を転がる時のノイズが大きめだ

・ボディが重いため、2.0Lのe:HEVではパワー不足に注意したい

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:佐藤 正巳/島村 栄二/堤 晋一/茂呂 幸正/本田技研工業/MOTA編集部】

ホンダ/CR-V
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新車価格:
336.2万円455.8万円
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48万円447.6万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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