奇跡のイベント「スーパーGT 夏祭り2009」に思う/今井優杏のコラム(1/2)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:今井優杏
奇跡のファン感謝イベント「スーパーGT 夏祭り2009 in MEGA WEB」に思う
いよいよ秋も深まり、モータースポーツの世界も間もなく閉幕シーズンを迎えようとしています。こうやって一年を振り返ると、やはり今年のモータースポーツ界の皆さんは本当に大変な1年を過ごして来られたと思います。
開幕直前にF1からの撤退を表明したホンダの影響を受け、国内モータースポーツに参戦するエントラントもスポンサーの撤退などの大打撃を受けました。これにより、参戦を見送らざるを得なくなったチームも存在します。
私はモノカキ業務と同時進行でモータースポーツイベントを中心にしたイベントMCをしていますが、チーム関係者の口からはため息しか聞こえない時期も、確かに存在したのです。
しかしそんな2009年、奇跡のイベントが夏に開催されたのをご存知でしょうか。その名前は『スーパーGT 夏祭り2009 in MEGAWEB』。
お台場にあるトヨタのショールームに、スーパーGTに参戦する3メーカー、レクサス(トヨタ)・ホンダ・ニッサンのレーシングドライバーが集結し、入場料無料のファンサービスイベントを行ったのです。
それほどモータースポーツに興味のない方には、イマイチその凄さがわかっていただけないかもしれないのですが、これは本当に奇跡のイベントでした。
もともと毎年夏休み期間中にはレクサスドライバーで結成された“LGDA”(レクサス・GTドライバーズ・アソシエーション、発足当時はTGDA、トヨタGTドライバーズアソシエーションでした)がファン感謝イベントを同ショールームで行っていたのですが、
『今年の未曽有の大不況の中、少しでもモータースポーツに興味を持ってほしい、来てくれるお客さんに楽しんでほしい、そしてなによりもこれからを担う子供たちに自動車に対しての夢を忘れないで欲しい』
との願いから、LGDA会長である脇坂寿一選手がこのイベントを立ち上げたのです。
そのためにはメーカーの枠を超えてドライバーが結束しなければならない、と脇坂選手は自らトヨタ・ホンダ・ニッサンに交渉、その熱意が通じ、晴れてイベントが開催される運びとなったのでした。
文字にするとそれだけのようですが、これがどれほどの常識を超えた提案か!こう言えばその凄さをわかっていただけるでしょうか?MEGAWEBにトヨタとレクサス以外の車両が展示されたのは、開館以来初めてのことだったそうです。
ニッサンのギャラリーにレクサスのGTマシンが展示されているようなものですよ!当日はほとんどのレーシングドライバーが集結し、モータースポーツファンにとって大興奮の一日になりました。
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