日産 フェアレディZロードスター 試乗レポート(1/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:ZIPNIX/オートックワン編集部
ボリューム感あるリアビューが印象的なデザイン
フェアレディZがZ34にスイッチしてから1年たらずが経ち、追加されたロードスターは電動ソフトトップを持つ2シーターオープンというパッケージは先代と同様だが、あらゆる部分が進化している。
グレード体系は、クーペにあるバージョンSがなく、標準車は6速MTのみ、バージョンTは7速ATのみ、バージョンSTではMTとATの両方が選べるという4つのラインナップ。
価格帯は、435万7,500円~509万2,500円。クーペに比べて60万9,000円高いことになる。
エクステリアは、Z33では単にルーフをなくし、そこにソフトトップをのせただけという感じで、閉めると正直あまりカッコよくなかったが、Z34は閉めても流麗なクーペっぽいフォルムを維持し、リアフェンダーの膨らみも印象的。
そうはいっても、やっぱり開けてナンボではあるのだが、いずれにしてもボリューム感あるリアビューは、かなりの後ろ姿美人だ。基本的な部分はクーペを受け継いでいるものの、Zは先代もそうだったが、クーペとロードスターでは放つオーラがずいぶん違う印象がある。シンプルにいうと、バリバリのスポーツカーに対し、優雅なオープンカーという感じがする。
まず、使い勝手の進化した部分からお伝えすると、ホイールベース短縮にもかかわらず、Z33よりもトランク容量が拡大され、ゴルフバッグやAサイズのスーツケースも積むことができる広さが確保された。
また、シート後方にはちょっとした荷物が置けるストレージスペースが設定され、ハイバックレストタイプになったシートには空調システムが内蔵されており、身体の接地面を一定の温度に保ってくれる。オープンカーにとってはありがたい機能である。
安全面では、新たにSRSドアマウントカーテンエアバッグを採用したのも特徴だ。
ルーフロック・アンロックは完全自動化され、頭上のロックを手動で操作する必要がなくなり、すべてセンターコンソールの開閉スイッチの操作だけでOK。
また、車外からでもドアハンドル部にあるリクエストスイッチでルーフをオープン可能となった点も新しい。オープン状態にすると、格納されたソフトトップが完全に隠れて、ポルシェでいうスピードスターっぽい雰囲気もある、左右2コブあるストレージリッドでカバーされる。
開閉は速く、ちょっと機構の動きがドタバタと音を立てて乱暴な印象もあるのだが、この複雑な動きながら20秒で開閉動作が完了するのだから偉い。
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