シトロエン、WRCラリー・ポルトガルで表彰台を独占
シトロエンは、ラリー・メキシコに続きWRCで今年2度目の表彰台独占を果たした。優勝したセバスチャン・オジェ / ジュリアン・イングラシア組に続き、2位、3位にはシトロエン・トタル・ワールドラリーチームが入りました。セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ組は2位フィニッシュで、ドライバーズポイントでのリードを伸ばした。ダニ・ソルド/マルク・マルティ組が3位入賞したことで、マニュファクチャラーズタイトル争いでも、シトロエンはライバルに一層の差をつけ、トップを独走している。
ラリー・ポルトガルのデイ3は、初日、2日目に比べるとずっと短い距離でしたが、勝負の行方は最後までわかりませんでした。夜明けとともに、セバスチャン・オジェとセバスチャン・ローブがわずか21.1秒差でサービスパークを出発。シトロエン・レーシング・チーム代表、オリビエ・ケスネルの出した指示は明確でした。「勝ちに行け! ただし、飛ばしすぎてコースアウトしないように」
ローブ、SS14-15で最速タイム
デイ3は2つのステージからなるループを2回と、アルガーヴ・スタジアムでの2度目のスーパーSSという構成。2位でスタートしたセバスチャン・ローブは前半の走りで可能なかぎり差を詰めなくてはならないことがわかってした。6度の世界チャンピオンに輝くローブはSS14と15で最速タイムを叩きだし、サービスパークに戻ってきたときにはトップのオジェとの差は11秒になっていた。「午前中の走りはよかった。でも、勝つのは難しいかも知れない」「オジェは先頭だから路面の掃除役になっているのに、走りがとても鋭く、ノーミスだ。でも、我々の優勝の可能性が残されているかぎり、最後までプッシュしていくよ」とローブはコメント。
デイ3を4位スタートとなったダニ・ソルドは最初の2つのステージを終えた時点で3位に浮上。昼のサービスパークで次のように語った。「最初のステージは神経を使った。コース上にダストがいっぱい舞っていたからね。でもSS15では思い切り飛ばせて、気持ちよくドライブできた。4位のペター・ソルベルグとの差はごくわずかだから、ペースを落とさないようにして今シーズン初の表彰台を狙うよ」
この日2度目となる2つのグラベル・ステージでの走行でもローブは再び最速を記録。しかし、オジェを抜いて優勝を手にするまでに差を詰めることはできず、最後のスーパーSSでは2位を死守することに専念した。「充実した戦いだった。デイ1は『路面掃除』でずいぶんタイムロスした。なんとか取り戻そうと必死で頑張ったけど、あとちょっとスピードが足りなかった。今から思えば、もっとアグレッシブに攻めてもよかったのかも知れない。とにかく、一番速かったドライバーが優勝した。僕たちの2位も大きな意味がある。これで、ドライバーズポイントで38ポイントのリードになったからね」
シトロエン、マニュファクチャラーズポイントで大幅リード
ダニ・ソルドが3位に入ったおかげで、シトロエンはマニュファクチャラーズポイントを一気に獲得、2位との差が5ポイントから26ポイントに広がった。「こういう結果を出して、チームに貢献できてうれしい」とフィニッシュしたソルドは興奮気味に語る。「小さな問題がいくつかあって、それがなければ2人のセバスチャンにもう少し迫ることができたかも知れないけれど、一番大事なのはシトロエンに最大限のポイントをつけられたこと。シーズン前半をこういう形で終えられてうれしい。アスファルトでのラリーが待ちきれないね」
シトロエンのディレクター、フレデリック・バンゼもC4 WRCの表彰台独占に大満足の様子。「二人のセバスチャンに優勝目指してとことん戦ってもらおう、というケスネルの方針に私も賛成し、最高の結果を得ることができました。シトロエン・トタル・ワールドラリーチームの勝利のためにこれまで貢献してきてくれたセバスチャン・オジェ、そしてシトロエン・ジュニアチームの堂々たる優勝ですね。セバスチャン・ローブが2位、ダニ・ソルドが3位に入ったおかげで、マニュファクチャラーズチャンピオン争いでも余裕ができました。大満足の結果です」
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