JAF、ESC(横滑り防止装置)普及活動を開始
JAFは、自動車安全技術「ESC(横滑り防止装置)」の本格的な普及啓発活動を開始する。2009年9月から開始する「ESC体験試乗会」を皮切りに、機関誌「JAFMate」やホームページを通じた情報提供も行っていく。
JAFは、ESCが先進安全自動車(ASV)技術の中でも、身近で普及可能性が高く、交通事故低減の効果も高いものと注目している。今後の継続的なキャンペーンを通じて、自動車ユーザーへの認知の向上と正しい理解を求め、適切な普及を目指していくとしている。
当キャンペーンは、FIA基金が世界の自動車クラブと展開している「Choose ESC!(ESCを選ぼう)」キャンペーンについて、JAFが日本国内において展開するもの。当キャンペーンの実施に際しては、ESCの製造メーカーであるボッシュならびにコンティネンタル・オートモーティブの協力を得て実施する。
■本年度の日本国内のおもな活動予定
【ESC体験試乗会の開催】
岡山県会場:9月23日:岡山県運転免許センター
宮城県会場:11月7日:赤門自動車学校
栃木県会場:12月12日:GKNドライブライントルクテクノロジー
【実技型講習会「セーフティトレーニング」「シニアドライバーズスクール」他】
ESC車両を使用したカリキュラムを導入。今年度は14会場で計画。
【広報活動】 機関誌「JAFMate」への掲出 ホームページ(JAFチャンネル等)
■ESCの装備率(新車登録ベース)
日本:9%/2005年、10%/2006年、14%/2007年、19%/2008年
アメリカ:21%/2005年、29%/2006年、44%/2007年、58%/2008年
欧州:40%/2005年、43%/2006年、50%/2007年、55%/2008年
韓国:13%/2005年、18%/2006年、19%/2007年、23%/2008年
中国:3%/2005年、3%/2006年、6%/2007年、11%/2008年
※2009年7月ボッシュ調べ
■ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)技術について
ESCは、車両の横滑りを効果的に低減させ、衝突回避に貢献する自動車安全技術である。複数の高度センサーを介して、コントロールの喪失を感知。ESCは、1秒間に25回、ドライバーのステアリング操作と実際の走行状況を比較し、両者に違いがある場合で、かつ車両が横滑りし始めた場合に、特定の車輪にブレーキをかける。ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)と協調動作し、オーバーステア(リアがスライドアウトするケース)やアンダーステア(フロントのグリップが失われるケース)の修正を図る。ESCはこのようにして車両のコントロールを回復させ、車両の進行方向を修正・維持するとしている。ESCは、各自動車メーカーによって呼称が異なる。
■「Choose ESC!(ESCを選ぼう)」の海外での展開について
「Choose ESC!(ESCを選ぼう)」というキャンペーンは、FIA(国際自動車連盟)の関係団体であるFIA基金の社会貢献活動の一環として、2年前から(2007年5月8日、イタリアでスタート)展開しているもの。ESCは現在、欧米で装着義務化や、安全評価の重要なカギを握る装備として評価される動きが盛んになってきており、欧米でも装着率は上がっている。
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