ホンダ、パッケージ型「スマート水素ステーション」を、和光本社ビルに設置
水素社会の構築に向けて、ホンダ自ら「つくる・つかう・つながる」を実現
ホンダは、独自に開発した高圧水電解システム「Power Creator」を採用したパッケージ型「スマート水素ステーション(以下、SHS)」を和光本社ビルに設置し稼働を開始した。このSHSでは、太陽光発電による再生可能エネルギーから水素を製造し、CO2フリーの水素供給を行う。また青山本社ビルにおいてもSHS設置に向けた準備を進めている。
ホンダは来る水素社会に向けて、「つくる・つかう・つながる」のコンセプトを掲げている。
「つくる」分野ではSHSによる再生可能エネルギーからの水素製造・充填、「つかう」分野では新型燃料電池自動車(以下、FCV)「CLARITY FUEL CELL」によるCO2フリーでの走行、「つながる」分野では外部給電器「Power Exporter 9000」やVehicle to Home対応DC普通充電器「Honda Power Manager」により、電力をFCVからコミュニティや家庭・施設に提供することを可能にした。
水素を「つくる」分野では、2001年より再生可能エネルギーによる水素製造に取り組んでいる。2010年からPower Creatorを用いた実証実験を米国ロサンゼルスにて開始。2012年に環境省の委託を受け、日本で初めてPower Creator搭載の水素ステーションを埼玉県に設置した。2014年には水素の製造、貯蔵、充填機能を世界で初めてパッケージ型に収納したSHSに進化させ、岩谷産業株式会社やさいたま市、北九州市とともに実証実験を開始。CO2排出ゼロの水素製造を視野に関連技術の検証を重ねてきた。
一方、政府は2013年より規制改革会議において、SHSのような小型水素ステーションの普及を促進するために関連規制の見直しに取り組んでおり、2015年度中の実現を目標にしている。
このように、ホンダは官民の協力を得ながら、水素社会の実現に向けて一つ一つ課題の解決に取り組んでいる。和光本社ビルに設置したSHSは、導入初期は主に自社保有のFCVへの水素の充填に活用される。将来的には、ホンダとともに水素社会の早期実現を目指している自治体や企業が保有するホンダ製FCVにも対象を広げて活用する予定。
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