フォルクスワーゲン、「ゴルフ R ヴァリアント」をLAショーでワールドプレミア
Golf Rシリーズ初のステーションワゴン仕様
フォルクスワーゲンは、『ロサンゼルス モーターショー』(11月18日~30日)において、コンパクトクラスでは最もスポーティなオールラウンドモデル、「ゴルフ R ヴァリアント」を世界初公開した。
全輪駆動システムを採用したコンパクトな本格スポーツモデルの「ゴルフ R」は、モデルシリーズ誕生以降初めて、ステーションワゴン仕様をラインアップに加えた。搭載されるターボエンジンの最高出力は221kW/300PS、最大トルクは380Nmで、そのパワーは6速デュアルクラッチギアボックス(DSG)を介してフルタイム4WDシステムの4MOTIONに伝えられる。駆動力を4輪すべてに伝えることで、最大のトラクションと加速性能、アクティブセーフティが実現している。
さらに、スポーツサスペンション(通常のゴルフより車高を20mmダウン)、革新的なプログレッシブステアリングシステム、サーキット走行時などにキャンセルすることも可能な“ESC Sport”モードの採用などにより、本格スポーツモデルならではのダイナミックな走りを堪能することができる。
また、オプションで用意されている数多くのアイテムの中では、新しく“Race”モードのドライビングプロファイルも選べるようになったDCC アダプティブシャシーコントロールも注目である。
0~100km/h 加速 5.1 秒、燃費 7.0L/100km
「ゴルフ R ヴァリアント」は、静止状態から80km/hまでわずか3.8秒で加速し、100km/hまでの加速も5.1秒。最高速度は電子システムにより250km/hに制限されている。燃費とエミッションの数値は、このモデルに搭載されているターボチャージャー付き4気筒エンジンの高効率を物語っている。ヨーロッパの新ドライビングサイクル(NEDC)で測定した「ゴルフ R ヴァリアント」の燃料消費量はわずか7.0L/100kmで、CO2排出量も163g/kmに抑えられている。
広いスペースを備えた「ゴルフ R ヴァリアント」は、家族全員で多くの荷物を積載して旅行に出かけるといった状況にも対応可能な数少ない本格スポーツモデルの1台。ラゲッジ容量は、5人乗車時でも605Lが確保されている(リアシートのバックレスト上端まで積載した場合)。リアシートを完全に折り畳み、フロントのスポーツシートのすぐ後ろまで積載した場合、ラゲッジ容量は最大1,620Lにまで拡大することができる。
エクステリア
【ボディ後部は独自の設計】
「ゴルフ R ヴァリアント」のエクステリアは、Bピラーまではシャープなシルエットが魅力的なハッチバック仕様の「ゴルフ R」との違いはないが、リアドアから後ろは独自のデザインになっている。リアエンドにおける通常のゴルフ ヴァリアントとの違いは、Rデザインの新しいバンパー、光沢ブラック仕上げのディフューザー、クロームメッキされた4つのテールパイプトリム、Dピラーの部分の“エアロフラップ”、LEDライセンスプレートランプなどである。
【フロントデザイン】
フロント部分では、大きなエアインレットを備えたR仕様のバンパー、特徴的な専用ラジエターグリル(“R”のロゴ付き)、デイタイムランニングライトを内蔵したバイキセノンヘッドライトなどが、通常のゴルフ ヴァリアントとの識別点となる。LEDデイタイムランニングライトは、デュアルヘッドライトの下に印象的な2つのU字を形成し、夜間や日中を問わず効果的な補助ライトの役割を果たす。
【サイドビュー】
サイドから見たとき、「ゴルフ R ヴァリアント」は、ボディ同色の“R”スタイルサイドシル、フロントフェンダーの“R”ロゴ、マットクローム仕上げのドアミラーカバーなどにより、通常のゴルフ ヴァリアントと識別することができる。エレガントなブラックのウインドートリムは、フロントおよびリアの光沢仕上げパーツとコーディネイトされている。
18インチアルミホイールは、Rモデル専用に開発された“Cadiz”デザインのもので、225/40サイズのタイヤが組み合わされている。ホイールの開口部からは、耐フェード性に優れたベンチレーテッドディスクブレーキのブラックキャリパーが顔を覗かせており、そこにも“R”のロゴが刻まれている。「ゴルフ ヴァリアント」の中でももっともスポーツ性に優れたこのモデルは、オプションで19インチホイールを選択することも可能。その場合、同じ“Cadiz”デザインの19インチホイールが用意される。さらに、「ゴルフRヴァリアント」専用として、きわめて軽量かつ強度にも優れたフロー成型タイプの19インチ“Pretoria”アロイホイールも用意されている。モータースポーツデザインのこのホイールは、“グレーメタリック”と“ブラック”のカラーから選択できる。
インテリア
【専用スポーツシート】
インテリアでは、ファブリックとアルカンターラを組み合わせた最上級スポーツシートが装備される(シートカバーは“Race”デザインのファブリック。サイドサポートの内側素材にクリスタルグレーの飾りステッチを備えたアルカンターラを使用し、バックレスト部に“R”ロゴを施している)。
また、ブルーのアンビエントライト、オートエアコン、ラジオ/CDシステム(“コンポジションタッチ”)などが、すべて標準装備。さらにオプションとして、このモデル用に特別に開発された、ナッパカーボンレザーパッケージも設定されている。このパッケージを注文すると、シート外側とサイドサポートの内側、およびヘッドレスト部分に“カーボン”ナッパレザーが採用される。
また、シートの中央部分は、暗い色(“アンスラサイト”)または明るい色(“モダングレー”)のナッパレザーを注文することも可能。このレザー仕様を選択した場合も、飾りステッチの色はクリスタルグレーとなる。
レザー素材はそのほか、“R”デザインの3スポークスポーツステアリングホイールにも使われており、ステアリングのロワクロスバー部分にも“R”のロゴが装着されている。このステアリングホイールを含めて、レザーを使用したパーツにはすべて、対照的な“クリスタルグレー”の飾りステッチが施される。
【カーゴスペースの寸法】
リアシートには、フロントのスポーツシートと調和の取れたフレキシブルなシートを採用。「ゴルフ R ヴァリアント」に5人乗車した場合のラゲッジ容量は605L(リアシートのバックレスト上端まで積載した場合)。カーゴスペースの最小積載幅(1,003mm)と最小積載高(936mm)を基準にして、フロントシート後端およびルーフ上端まで積載した場合、その容量は1,620に拡大。荷室長は、リアシート後端までが1,055mm、フロントシート後端までが1,831mmとなっている。
【利便性を追求したカーゴスペース】
ラゲッジコンパートメントのフロアは高さを変えたり、また簡単な操作で完全に取り外し可能。このカーゴスペースには、ローラー式のブラインドカバーも標準装備される。必要がない時には、ブラインドカバーをネットパーティションごと取り外して、カーゴフロアの下に収納することもできる。リアシートは60:40の分割可倒式で、便利なリモートロック解除機能が備わっている。
メカニズム関連
【TSI エンジン】
2ドアおよび4ドアハッチバック仕様の「ゴルフ R」同様、新型「ゴルフ R ヴァリアント」にもEA88シリーズの先進的な4気筒ガソリン直噴ターボエンジンが搭載されている。221kW/300PS(5,500~6,200rpm)の最高出力を誇るこのTSIユニットは、市販モデル用の4気筒エンジンのなかでは最もパワフルな部類に属し、380Nmの最大トルクを、1,800~5,500rpmという、きわめて広い回転域で発揮する。
【効率を高める様々な技術革新】
このターボチャージャー付き直噴ガソリンエンジンで、シリンダーヘッドを介してターボチャージャーに送られるエグゾーストガスは水により冷却され(フル負荷時の燃料消費量を効果的に削減)、燃料供給システムは、直接噴射に加えて、吸気マニフォールドでの間接噴射も行う「デュアルインジェクション」方式を採用している。完全に電子化された冷却系の制御システムにより、エンジンの温度管理が適切に行えるようになり、あわせてウォームアップに要する時間も短縮されている。それにより、フリクションロスが低減し、燃料消費量も削減された。
さらに、このTSIエンジンには、デュアルカムシャフトアジャストメントを用いた可変バルブタイミング機構が搭載され、エグゾースト側のバルブは、リフト量も2段階で切り替えられるようになっている。それにより、吸排気プロセスの最適なコントロールが可能となり、パワーの向上と燃料消費量/エミッションの削減を同時に達成している。
【4MOTION 全輪駆動システムを標準装備】
フルタイム4WDシステムの4MOTIONは、「ゴルフ R」のキーテクノロジーのひとつであり、それは「ゴルフ R ヴァリアント」に関しても同様である。このモデルでは、最新世代に進化した4MOTIONが、6速オートマチックデュアルクラッチトランスミッション(DSG)と組み合わされている。DSGはマニュアルによるシフトチェンジを行うことも可能。
ハルデックス5カップリングを備えた4MOTIONシステムは、いずれかのホイールがスリップを開始する前からその効力を発揮し、トラクションロスをほぼ完璧に防止する。比較的低負荷もしくはコースティング走行しているような場合には、駆動トルクは主に前輪に伝えられ、後輪はドライブシャフトから切り離される。それにより、無駄な燃料消費が最小限に抑えられる。
しかし、ひとたび必要が生じた場合には、瞬時に後輪をドライブ機構に接続。そうした働きを司るのが、電子制御のオイルポンプにより作動するハルデックスカップリングで、場合によっては、駆動トルクのほぼすべてを後輪に配分することも可能。
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