「自動運転」って退屈ですか?/~清水和夫氏に聞く~【後編】(1/2)

「自動運転」って退屈ですか?/~清水和夫氏に聞く~【後編】
米国向けオートメイテッド・ハイウェイ・ドライビング・アシスト(AHDA)テストの様子 関越道渋滞の様子 トヨタの自動運転技術実験車 AHDAによる追従走行 Mercedes-Benz SクラスによるINTELLIGENT DRIVEテスト中の様子 Mercedes-Benz SクラスによるINTELLIGENT DRIVEテスト中の様子 Mercedes-Benz SクラスによるINTELLIGENT DRIVEテスト中の様子 Mercedes-Benz SクラスによるINTELLIGENT DRIVEテスト中の様子 画像ギャラリーはこちら

自動車評論家 清水和夫氏に聞く「自動運転」シリーズ後編。前編では主に自動運転を実現するにあたっての可能性、世界や日本における自動運転の現状・動向などについて伺いました

そして、後編ではさらに「自動運転って退屈しないの?」「自動運転の責任は?」といった深い話にまで突っ込んでみたいと思います。

えっ?自動運転って愉しいの!?

清水:ボクはレース出身のジャーナリストで今でもポルシェのチーフインストラクターを務めています。誰よりも走る愉しさを尊重しています。だから僕自身「自動運転なんて」という感覚でこの技術を見ていました。でも現在市販されている最新システムに乗ると、「あれっ」と思うほど楽しいのです。

編集部:えっ、なんで自動運転が愉しいのですか?

関越道渋滞の様子

清水:答えは二つあります。まず、週末に家族と遠出しますよね。イヤなのは帰りの渋滞です。眠いし退屈だし、運転がイヤになります。しかも渋滞でノロノロ運転している時間がもったいないと思いませんか?

編集部:渋滞では事故も増えますしね。

清水:追突事故が渋滞に拍車をかけますから。そんなとき、低速でもいいから前のクルマに追従し、高速道路くらいのカーブなら自動でハンドルを操作することは、いまの技術では可能です。

編集部:その時は自動運転で走るとドライバーは他のことができますね。

清水:寝たりしてはダメですが、メールをチェックしたり、景色を楽しんだりできると渋滞も辛くないのです。しかも自動運転だと上り坂で速度が低下することもないので、サグ渋滞が緩和されるのです。

編集部:渋滞が減り、追突事故がなくなり、移動時間が早くなるととても便利ですね。

ペーパーでもベテランのような運転が可能に!

米国向けオートメイテッド・ハイウェイ・ドライビング・アシスト(AHDA)テストの様子

清水:二つ目の理由は私だけが気がついていることかもしれませんが、自動運転ではコンピューターシステムが人間の目や手足の代わりとして機能しますが、ドライバーとオーバーラップさせて走ると、実は愉しいのです。

編集部:なんでですか?

清水:システムとドライバーが運転という作業を共同で行うと、まるで二人羽織のような感覚なのです。手が4本もあって、目が4つもある。人間の認知とシステムの認知が重なり、判断と操作も共同で行うと、まるでドライバーに能力が高まったように感じます。つまり、経験の浅いドライバーでもベテランのような感覚で運転できるということです。

編集部:ドライバーをサポートしてより安全に、より快適に、大げさに言えば、ペーパードライバーでもベテランドライバーのような運転ができるようなテクノロジー、それが自動運転だということですね。

清水:コンピューターのサポートによってドライバーの負担が減る分、他のことができるようになりますよね。もっと注意を払って事故が起きないようにするとか。車は目的地に行く、という究極の目的があります。道中で事故が起きたりすると、目的地に着けなくなるわけじゃないですか。ですから安全に目的地に着けるということは、とても重要な車の機能なのです。

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清水 和夫
筆者清水 和夫

1954年生まれ。1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして、自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。近年注目の集まる次世代自動車には独自の視点を展開し自動車国際産業論に精通する。一方、スポーツカーや安全運転のインストラクター業もこなす異色な活動を行っている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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