メルセデス・ベンツ Vクラスに“キャンパー”登場|ジャパンキャンピングカーショー2018で「マルコ ポーロ ホライゾン」発表【JCCS2018】

  • 筆者: 遠藤 イヅル
  • カメラマン:オートックワン編集部/メルセデス・ベンツ日本

会場に着くまで知らなかった!まさにサプライズ発表

2018 年2月2日(金)~4日(日)の3 日間、幕張メッセにて開催されている“キャンピングカーの祭典”「ジャパン キャンピングカーショー2018 (JCCS2018)」。「クルマに、もっと物語を。」をテーマに、日本でも広がりを見せるキャンピングカーのムーブメントを象徴するように毎年規模・来場者数ともに拡大を続ける注目のイベントだ。広い幕張メッセの1~4ホールが用いて360台以上が展示される。

会場に訪れてみると、メルセデス・ベンツ日本がブースを構え、ミニバンの Vクラスを置いたことに気がついた。しかもそれは、日本では未発売の「V220dマルコ ポーロ ホライゾン(Marco Polo Horizon)」だったのだ!

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Vクラスはメルセデス・ベンツの3列シートミニバンで、現行モデルは3代目(W447)となる。日本には2015年10月から正規輸入が開始された。メルセデス・ベンツの乗用セダンやワゴンと同様の安全性と高い実用性を備え、同社のデザイン文法に則ったエレガントなデザインなどから、プレミアムミニバンとしての地位を確立。日本仕様のV220dには燃費や環境性能に対応した最新の2.2リッター直4ディーゼルエンジンが搭載されている。

広い室内に3列シートを設けた7人乗りのVクラスに、その空間を存分に活かしたキャンピング仕様があったらいいな…と思う人もいるかもしれないが、実はすでに欧州では2016年に「V220dマルコ ポーロ(Marco Polo)」というベッドやギャレーを完備したモデルが販売されている。さらに2017年1月にはこのマルコ ポーロからギャレーを取り除いて車中泊ができる“日常使いのクルマ”というポジショニングの「V220dマルコ ポーロ ホライゾン」が発表された。欧州でもまだ発売開始から間もないこのモデルが、JCCS2018の会場にしかも正規輸入車として展示されていたのだから驚いた。まさにサプライズ発表だった。

V220dをベースに5人まで就寝可能なベッドを用意

軽キャンピングカーや、トヨタ ハイエースなどの1BOXバンの車内をキャンピング仕様とした”バンコンバージョン”(バンコン)、トヨタ ダイナなどのトラックをベースとした”キャブコンバージョン”(キャブコン)、トヨタ コースターのようなマイクロバスを活用した”バスコンバージョン”(バスコン)、そして牽引されるキャンピングカーの”キャンピングトレーラー”など、キャンピングカーにはたくさん種類がある。

キャンピングカーの本場欧州では、フォルクスワーゲンのミニバン「T6」(日本未導入モデル)にポップアップルーフやベッド、ギャレーを装備した「カリフォルニア」など、バンコン型の本格的キャンピングカー仕様も存在する。

しかし、そこまで本格的なキャンピングカーではなく、手軽に車中泊ができてアウトドアシーンでも活躍できるようなモデルがいいな、というユーザーも少なからずいるため、JCCS2018でも車中泊「ができる」タイプのモデルも多数展示されている。

メルセデス・ベンツ V220dマルコ ポーロ ホライゾンはまさしくその需要に応えるための仕様と言えるものだ。

外観には装飾のラインや派手な加飾は一切与えられておらず、キャンピングカーらしさを感じさせるのは屋根上のポップアップルーフのみ。外観上の差異が少ないのも、日常使いのクルマには必要な要素かもしれない。

一方で車内はノーマルモデルと異なっており、3列目シートは倒すと3人が就寝できるフルフラット機能付ベンチシートに、運転席・助手席は回転式となっている。

様々な室内アレンジにより3列7人乗りにも2列目を外して5人乗りにも変身できるので、使用シーンに合わせた使い方も楽しめる。

3列目シートのトラベル量が多く、荷室容積優先のモードにすることができるのはVクラスが本来持っている美点の一つである。

ポップアップルーフを開けば、そこには大人2人が充分横になれる広さを持ったベッドルームが出現。リーディングライト付きなので読書もできる。つまり車内3人+ポップアップルーフの2人の合計5人までゆったりと車中泊という非日常感体験を味わえるのだ。

ポップアップルーフはキャンピングカー製造で高い技術と長い歴史を誇るウエストファリア製なので、その造りはとても丁寧でしっかりしているのも嬉しい。

後部窓を目隠しするカーテンもマルコ ポーロ ホライゾンの専用装備である。

“プレミアムアウトドアミニバン”という新しいカテゴリー

V220dマルコ ポーロ ホライゾンの魅力は、Vクラスが持っている安全性や操縦性の高さなどの安心感、洗練されたプレミアムミニバンというキャラクターはそのままに、キャンピングカーほどの本格的な装備は持たずとも週末のレジャー・アウトドアユースでスタイリッシュに活躍する“アウトドア向け”の要素が加わっていることだ。メルセデス・ベンツがV220dマルコ ポーロ ホライゾンを「プレミアムアウトドアミニバン」と称する通りの仕様になっている。これって今までありそうでなかった位置付けに思う。

日常使いと非日常体験を同時に楽しめ、しかもプレミアム感に溢れている新しいジャンルのミニバンとしてV220dマルコ ポーロ ホライゾンは今後注目の一台だ。メルセデス・ベンツ日本が他の海外プレミアムブランドに先駆けてキャンピングカー仕様を日本に導入したことも新しいエポックと言えよう。会場でその仕上がりや存在感を確認してみてはいかがだろうか。

[レポート:遠藤 イヅル/Photo:オートックワン編集部/メルセデス・ベンツ日本]

メルセデス・ベンツ Vクラス「V220d マルコ ポーロ ホライゾン」主要スペック

全長×全幅×全高:5,140mm×1,928mm×1,980(ポップアップルーフオープン時2,839mm)/ホイールベース:3,200mm/駆動方式:後輪駆動(FR)/ステアリング位置:右/乗車定員:7名(就寝定員:5名)/エンジン種類:直列4気筒 DOHC ターボチャージャー付 BlueTEC 直噴ディーゼルエンジン/総排気量:/2,143cc/使用燃料:軽油/最高出力:163ps(120kW)/3,800rpm/最大トルク:38.7kgf-m(380N・m)/1,400~2,400rpm/メーカー希望小売価格:8,460,000円(消費税込)

※諸元数値は欧州参考値

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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