ランボルギーニ 新型ウルス 試乗│本格的なオフロードパフォーマンスを備えた猛牛のSUV(1/2)

  • 筆者: 西川 淳
  • カメラマン:ランボルギーニ ジャパン
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実は過去にも4WDモデルが存在したランボルギーニ

ランボルギーニ初のSUV、と言うとマニアに叱られそうだ。過去に「LM002」という、カウンタック用12気筒エンジンを積んだ4WDモデルが確かに存在した。けれども、一度でもLM002に乗ったことがある人ならば、あのクルマを軽々しくSUVなどと呼ぶことに抵抗をもつはず。それは成り立ちからしてほとんどハマー H1のようなモデルであり、昨今のSUVにあるライトなイメージとはかけ離れていた。

もっとも、過去に背の高い4WDモデルを曲がりなりにも生産したという経歴は、今になって流行りのSUVモデルを出すにあたり、都合のいい理由になったことは確かだ。

ウルスは、ランボルギーニ初の市販ターボカーでもある。クルマ好きの方なら容易に想像がつくように、搭載するパワートレーンはVWアウディグループ内の共同開発&生産品で、4リットルV8ツインターボ+8AT+トルセン式フルタイム4WDシステムは、すでにポルシェ カイエンターボやベントレー ベンテイガのV8でお馴染みのもの。プラットフォームはMLBエボである。

ランボお馴染みの3つの走行モード+新しい3つの走行モード

グループで共通のパワートレーンをベースとする、とはいうものの、そこはランボルギーニ用ということで、系列最高となる650psの最高出力が与えられている。0-100km/h加速も3.6秒とスーパーカー級で、最高速度は305km/hにも達する。なるほど、ランボルギーニが自ら謳うように、ウルスはスーパーSUVだ。

この4WDシステムでは通常時に前40:後60でトルク配分されており、走行状態に合わせてフロントへは最大70%、リアへは最大87%のトルクを振り分けてくれる。巨大なSUVにスポーツカーのような性能を与えるべく、リアステアシステムやアクティヴトルクベクタリングも備えた。

最新のSUVらしく、シャシー&パワートレーンに電子制御を駆使することで、路面を選ばず高性能を発揮できるよう細心の注意が払われた。注目して欲しいのは、センターコンソール上にひと際目立つ、まるで取って付けてきたかのように大きな操縦桿タイプのスイッチ(タンブーロ)だ。

左右にレバースイッチを備え、ドライバー側では、ストラーダ(ノーマル)・スポーツ・コルサ(サーキット)というランボの既存モデルでお馴染みの各モードに、テッラ(グラベル)、ネーヴェ(スノー)、サッビア(デザート)という新たな3モードを加えた計6つのモードの中から、走行環境に合わせて好みのセッティングを選ぶことができる。ちなみにモニター上でも、同様のセットが可能。助手席側のスイッチは“お好み”のモードを組み合わせるインディヴィジュアルセッティング用。システム的には、カイエンやベンテイガと同じロジックである。

ウラカンやアヴェンタドールとはまるで違って、ウルスの場合はコルサの方が断然面白い

ウルスの国際試乗会は、ローマ近郊のヴァッレルンガサーキットを起点に開催された。一周4.1キロのグランプリサーキット(試乗車:22インチ+カーボンパッケージモデル)はもちろんのこと、オンロード(試乗車:23インチモデル)とオフロード(試乗車:21インチ+オフロードパッケージモデル)でも試すこともできた。

まずは、サーキットでダイナミック性能をテストする。エンジンスタートボタンを押し、抑制気味のV8ノートを身体で感じながら、右パドルシフトを引くと、1速に入った。8ATではあるが、他のランボルギーニスーパーカーと同じ操作だ。

ピットレーンを飛び出た瞬間に、“軽い”と思った。試しにハンドルを左右に振ってみると、ノーズの動きがとてもシャープで、釣られて車体もよく動き、大きなサイズをまるで感じさせない。右アシの裏にはたっぷりとしたトルクを常に感じることができる。踏み込めば途端に、乗り手の腰回りがスーッと軽くなっていく。

徐々に速度をあげた。視線が高いSUVの長所は見晴らしの良いこと。サーキットでも有効で、コーナーの進入口から先が広く見渡せる。要するに、狙ったとおりのラインをトレースしやすい。

NAのスーパースポーツを操っている感覚で踏みこんでしまうと、あっという間にレッドゾーンへ。ババババッと無粋な燃料カットが入る。日産 GT-Rがそうであったように、サーキットでは早め早めのシフトアップに徹した方が、タイムは伸びそうだ。

最初は、スポーツモードで走っていてが、どうにも思い通りに楽しめない。途中からコルサモードに切り替える。オーバーステア気味のスポーツモードが楽しかったウラカンやアヴェンタドールとはまるで違って、ウルスの場合はコルサの方が断然面白い。ニュートラルステア傾向が、この手の巨体で攻めるには適しているのだろう。

面白いように内を向く。その間、車体はあくまでもフラットな姿勢だから、精神的に不安なくがんがん攻めこんでいけた。コース前半の高速コーナーでは、4WDの恩恵で安心感の高いハイスピードコーナリングを楽しむことができたし、タイトベントではアクティヴなトルクベクタリングの助けも借りて、異常に速く回っていけた。

ランボルギーニ/ウルス
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新車価格:
3,499.8万円3,499.8万円
中古価格:
3,110万円6,249.5万円
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西川 淳
筆者西川 淳

別名ボンジョルノ西川が示すとおり、大のイタリア好き。乗り手をワクワクさせる、刺激に満ちたクルマが好きなので、自然にイタリア車に接することが多い。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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