ホンダ「S660」をホンダ「ビート」と比較してみた/渡辺陽一郎(5/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
グレード構成&価格設定
S660は2グレードの構成で、「β(6速MT/CVTともに価格は198万円)」と、本革&ラックススェードのシート表皮などを使った上級の「α(218万円)」が用意されている。
一方、ビートは1グレードのみで、価格は138万8000円(8%の消費税を加えたとすれば約150万円)であった。大卒初任給をベースにして今の価値に換算すると約166万円だ。給与、物価、貨幣価値はこの20年間にあまり変化しておらず、ビートは今のクルマに比べて装備がシンプルな代わりに価格も安かった。
安全装備は充実させねばならないが、今後は快適装備をシンプルにしたS660があって良いかも知れない。ビートはアルミホイールも装着していなかった。
進化度数:2点/10点(もう少し頑張りましょう)
総合評価
S660とビートの登場には24年間の隔たりがあるが、外観や居住空間には共通点が意外に多い。その一方で、走行安定性、安全装備、燃費性能は、S660が大幅に進化した。
車両のコンセプトはS660がスポーツ、ビートは街乗りだったが、エンジンの性格はビートが高回転指向で、意外にスポーツカー的であった。
表現を変えれば、両車の価値観はかなり似ている。そして街乗りを表現した分だけ、24年前のビートの方が新鮮味が強かった記憶もある。
S660はとても優れた軽スポーツだが、2015年に発売したなら、もうひと工夫して「今の時代に合ったスポーツカーの価値」が欲しいところだ。
そしてビートのソフトトップは後部に畳み込む一般的な方式だから、脱着を要するS660に比べると操作が簡単だった。ボディの後部には、狭いながらもトランクスペースが備わる。
販売規模も異なり、S660は1ヶ月に800台だが、ビートは3000台としていた。価格、使い勝手を含めて、S660よりも気軽に買えるクルマであった。
S660は素晴らしく進化したが、ビートを見習うべきところもあるように思う。
進化度数:6点/10点(順当に進化した)
ホンダ「S660」/「ビート」 進化度数 総合結果
ボディスタイル&サイズ:2点
内装のデザイン&居住性:5点
動力性能 :3点
走行安定性 :9点
乗り心地 :7点
快適&安全装備 :8点
燃費性能 :8点
グレード構成&価格設定:2点
総合的な進化度数 :6点
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