ホンダ N BOX+(プラス)vs フリードスパイク どっちが買い!?徹底比較(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
抜群に使い勝手の良いラゲッジルーム、といえばもうこの2台しかない!
ここのところ、「ホンダ N BOX」の売れ行きが絶好調だ。
今や日本で売られるクルマの3台に1台が軽自動車であり、その販売トップに立つのがN BOXだ。
そして、(軽自動車協会連合会による)N BOXの販売台数には、N BOX+(プラス)も含まれている。N BOX+(プラス)の販売台数は、7月~9月の3ヶ月間で9,113台。派生モデルにも関わらず、好調な販売台数を記録している。
N BOX+(プラス)では、荷室床面の後方に傾斜が付けられ、スロープ状となったことで重い荷物も積みやすくなった。専用のボードを使えばフラットな荷室になり、軽自動車でありながら車中泊も可能なスペースを確保できる。
N BOXに「+(プラス)」を設けた目的のひとつとして、「車いす仕様車」の価格を引き下げる意図があった。もともと荷室の後部に傾斜を付けた目的は、車いすごと乗り込める福祉車両を造るためだ。
ただし「車いす仕様車」は販売台数が限られる為、コストの低減を図れず価格が高くなってしまう。そこで一般ユーザー向けのN BOX+(プラス)を設定し、販売台数を増やすことで「車いす仕様車」の値下げを行ったのだ。
これは、素晴らしいアイデアだ。クルマに限らず、福祉に関連する商品は価格が高い。そこで福祉機器に「幅広いユーザーが使える多用途性」を持たせれば、価格を安くできる。ホンダは、福祉に関係するメーカーへ画期的なヒントを与えてくれたのだと思う。
ユーザーにとっても、クルマを買う新たな喜びが加わるのではないか。N BOX+(プラス)に乗ることで、福祉の推進に貢献できるからだ。とはいえ、実際に買うとなれば慎重になるのは当然。ほかの車種と比べて、機能と価格のコストパフォーマンスはどうなのか。
そこで、同じようにラゲッジの使い勝手が高いコンパクトカー「ホンダ フリードスパイク」と比べてみたい。
【N BOX+(プラス) vs フリードスパイク 荷室対決】軽にも関わらず広大な荷室スペースを持っている N BOX+
「N BOX+(プラス)」と「フリードスパイク」。
この2車種に共通するのは、ボディサイズの割に広い室内を備え、荷室など車内のアレンジが充実していること。リヤ側のドアがスライド式なのも共通だ。フリードスパイクをひとまわり小さくしたクルマがN BOX+(プラス)ともいえる。
まずはボディサイズ。
N BOX+(プラス)は軽自動車だから、全長が3,395mm、全幅が1,475mmで、全高は1,780mmになる。フリードスパイクは全長が4,210mm、全幅が1,695mm、全高が1,715mmだから、N BOX+(プラス)はフリードスパイクよりも815mm短く、220mm狭く、65mm高い。
次は荷室の広さ。
荷室の奥行はN BOX+(プラス)が630mmでフリードスパイクは925mm。フリードスパイクが295mm長い。さらにリアシートを畳むと、N BOX+(プラス)が1380mmでフリードスパイクは最大値で2015mm。フリードスパイクが635mm上まわる。
以上の比較から分かるのは、N BOX+(プラス)の空間効率が優れていること。全長はフリードスパイクを815mmも下まわるのに、荷室の奥行ではリアシートを使った状態で295mm、畳んだ状態でも635mmしか差が付かない。N BOX+(プラス)はエンジンルームを徹底的に短く抑え、室内空間を長く確保したことが分かる。
リアシートを畳めば、両車ともに自転車を積むことが可能。シートは左右が独立して畳めるため、どちらも3名で乗車して自転車を積むことができる。N BOX+(プラス)は軽自動車という小さなボディで、フリードスパイクに匹敵する使い勝手を備えているのだ。
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