ボルボ V40 海外試乗レポート/九島辰也(1/2)
- 筆者: 九島 辰也
- カメラマン:ボルボ カーズ ジャパン
さて、一歩先行くボルボの安全技術をご覧いただこう!
今年春のジュネーブショーを覚えているだろうか。フェラーリはF12ベルリネッタを、ポルシェはボクスターをワールドプレミアした。で、そのとき欧州での激戦区Cセグメントの2台も登場している。フルモデルチェンジしたメルセデス•ベンツAクラスと、ここで紹介するボルボV40だ。
そのV40に6月の終わり北イタリアのベローナで試乗してきた。ヨーロッパでのローンチと同時期に行われたメディア向け国際試乗会である。
特長は新世代ボルボを強調するデザインとスポーティな走り、それとさらに進化した安全装備に違いない。
今回彼らは自動車業界初となる歩行者向けのエアバッグを開発し、このクルマに搭載した。具体的には歩行者がぶつかることをセンサーが感知すると、ボンネットが上がって衝突エネルギーを吸収し、さらに頭部が当たるであろう部分にエアバッグが展開するというものだ。
まさに独自の事故調査部門を持つ彼ららしい新技術。安全面に関して一歩先行くボルボの提案である。
C30の潮流を汲む新たなデザインアプローチとは、
デザインもまたV40の特徴のひとつであることに疑いの余地はない。V60に通じるスポーティなボルボワールドを感じさせる。ただ、エクステリアデザインの責任者サイモン・ラマーはこうも言っていた。「このクルマはC30の流れの中にある」と。
つまり、彼の言いたいことはこうだ。C30は現代ボルボとクラシックの融合であり、このクルマもまたそれに準じている。具体的には鋭いボンネットのV字シェイプがモダンで、リアはP1800ESをモディファイした部分がクラシックに当たる。それをうまく調和させ、今風に仕上げたのがこのV40だ。
“今風”というのは長いホイールベースと切り詰められた前後のオーバーハングだったり、ハッチバックでありながらスポーツワゴンやクーペのように見せるフォルムだったりする。結果、フロントピラーはどのモデルよりも寝かされ、ルーフも思いのほか低くなった。その意味じゃボルボにとってもかなりの力作であることは間違いない。
この記事にコメントする