トヨタ マークXジオ 新型車解説

  • 筆者:
  • カメラマン:原田淳
トヨタ マークXジオ 新型車解説
フロントスタイリング リアスタイリング フロントビュー リアビュー サイドビュー インテリア フロントシート リアシート サードシート ラゲッジフロア クリスタルシャインオプティロンメーター 画像ギャラリーはこちら

IIからXへと進化を遂げ・・・

1968年に産声を上げたトヨタ・マークIIブランド。その存在を知らない日本人はいないと言っても過言ではない。マークIIは9代に渡って日本の高級車市場を沸かせ続けてきた人気車だが、10代目から“マークX”と称号を変更し、新たなブランド車種として再出発を果たした。その新生マークXがこの度、装いを新たにセダンでもない、ワゴンでもなければミニバンでもない、「4+Free」という新発想室内空間を持つ新型車“マークXジオ"を投入した。

斬新「4+FREE」という新発想サルーン

イメージ

新型マークXジオは、05年東京モーターショーに出展された「FSCコンセプト」をベースに、新たな大人のライフステージを提案する新次元スタイルをメインコンセプトに開発された車だ。

マークXユーザーの多様化を視野に入れた点と、新たなターゲット獲得を見込んだラインナップ充実の必要性が求められてきた為である。とは言うもののルックスはミニバン本流である。新しいパッケージ空間というだけあり、特徴は「4+Free」という新発想的室内空間レイアウトだ。

大人4人がゆったり寛げる独立4座と、3列目シートエリアがワゴンルームに変形アレンジできる、未だ嘗て無い自由空間を併せ持った新スタイルを提供している。

フロントスタイリングリアスタイリングフロントビューリアビューサイドビュー

優雅でオリエンタルな表情とモダンな性質を味わう

インテリア

新型マークXジオのボディサイズは全長4695×全幅1785×全高1550(4WD=1565mm)でミニバンクラスではとても扱い易いパッケージだろう。

デザインは、新スタイルの4+Freeの斬新な切り口から創出される豊満なボディーシルエットが目を引く。サイドビューはフェンダーシルエットラインをオフセットした大きなRを繋げたキャラクターラインが特徴。デザイナーが拘っていると言うだけあり流れるような面白い造形を披露している。

フロントビューは大きな長方形に近いグリルをメインに、ワイド感を強調する印象的なフロントフェイスに仕上がっている。押し出し感が強調されていて今まで見たこともないような迫力だが、実際の面構成は凹凸面の印象が薄くメリ張り感の少ないシンプルな造形に仕上がっている。リアビューは、この手の車種の中で一番スタイリッシュに纏められている。

ボリューム感あるテールゲート付近の意匠は無駄なキャラクターラインが無く、素直な曲面構成で荷室の広さを予感させる。またサイドからリアランプへ続くダイナミックで、且つ精悍なショルダーラインがマークXセダンを彷彿させ、上品さを醸し出している。大きさ的にはWISHとイプサムの中間くらいと言って良いだろう。

インテリアは内装飾に精悍なグレー色とシックなプラム色の2種類を用意。よりエレガントで更なる気品ある雰囲気で迎えてくれる。先にも述べた通りこの新型マークXジオ最大の特徴は「4+FREE」パッケージである。

室内サイズは全長2,670mm×全幅1,505mm×全高1,220mmとマークXセダンに比べて幅が10mm狭くなっているものの、前後席間距離が980mmというマークXを凌ぐ余裕の足元空間を確保している。また4人乗車時でもラゲッジスペース長は1,130mmとし、大型スーツケースやゴルフバッグを収納できる広さを確保している。

シートのクッション性は若干の硬さを感じるものの、広い室内空間が開放感を与え、寛ぐ上での居住性能は抜群である。とくに後席のゆとりは全くもって文句無しだ。

インパネとトリムは柔らかな優美曲線と3次元曲面で構成させており嫌味の無いモダンなルーム感覚に仕上がっている。また助手席側ドアトリムからメーターフードまで続く稜線は、助手席の空間をゆったりと感じさせてくれる。さらに左右のフロントドアからインストメントパネル、センターアームレストへと流れるラインは、全クルーに余裕感を与えて高い居心性を感じさせてくれる。

そして何と言っても特徴的なのが室内イルミネーションだ。フロントガラス上部から後席上部に差し掛かる辺りまでの一体ロングイルミネーションランプは何とも言えない上質さを表現。

また、天井表皮に反射した光をレンズ越しに見せる柔らかな間接照明が、ひときわ斬新な空間を演出してくれる。光り方に関してはメーターにも斬新な施しがされている。クリスタルの様な幻想的な光り方を演出するオプティロンメーターを採用し、透明感とシャープさを備えた指針で視認性の向上と先進なデザイン性をアピールするなど、先鋭な特徴がフォーマル&エレガントにあしらわれていた。

フロントシートリアシートシフトサードシート室内イルミネーション

親譲りの大人の走行性は継承済み

V6 3.5Lエンジン直4 2.4Lエンジン

エンジンは、V6 3.5L(最高出力280ps/6,200 最大トルク35.1kg・m/4,700)と、直4 2.4L(最高出力163ps/6,000 最大トルク22.6kg・m/4,000)の2種を用意。

V6 3.5LエンジンはDual VVT-i採用によりエンジン効率を高めているほか、さらに吸気系にはACIS(可変吸気システム)を採用しており、加速時には力強いトルクが期待できる。また6 Super ECTも設定しており、6速ギア比を小さくすることで高速走行時の燃費向上と静粛性を確保している。

直4 2.4LエンジンはVVT-iを採用し、こちらも吸気効率を高めており豊かなトルクを確保。そして伸びやかな加速と滑らかな走りを両立している。さらにSuper CVT-iを設定し、低速からのロックアップ可能なトルクコンバーターを採用。変速ショックのない滑らかな走りとすばやい変速応答性、そしてリニアな加速感が得られ駆動力をサポートしてくれる。また4WD全車にはS-VSC+アクティブトルクコントロール4WD協調制御を採用しており、路面状況を把握して4輪へ最適な駆動力を配分してくれる。

そして走行する上での安全装備も充実している。様々な状況で車両の挙動が安定する方向へ操舵トルクをアシストしてくれる“S-VSC”ステアリング協調車両安定性制御システム。夜間のコーナリング時に車速・ステアリング蛇角に応じてロービームの照射軸を3秒後に車両が到達するポイントに自動的に向け、視認性を向上させる“インテリジェントAFS”を350Gに設定。

さらにミリ波レーダーにより、前走車、路上障害物、対向車などを検知し、衝突不可避と判断した場合、被害低減を測るプリクラッシュセーフティーシステムを搭載しており、更なる安全への拘りが感じられる。

3列シート設定車(ミニバン)の市場投入加速度は衰えを知らない。まして主力セダンが自らのラインナップにミニバン要素を持つクルマを投入したのは異例中の異例で、前代未聞である。新型マークXジオは、今後のクルマ市場に新たなトキメキをもたらしてくれるクルマとなるのか。成長が楽しみである。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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