次期エスティマの開発凍結から一転、トヨタが開発にGO!?時代が求める次世代クロスオーバーへ(1/2)

  • 筆者: 桃田 健史
  • カメラマン:茂呂幸正/トヨタ自動車
次期エスティマの開発凍結から一転、トヨタが開発にGO!?時代が求める次世代クロスオーバーへ
トヨタ エスティマ(現行モデル2016) トヨタ エスティマ(現行モデル2016) トヨタ エスティマ(現行モデル2016) トヨタ エスティマ(現行モデル2016) トヨタ エスティマ(現行モデル2016) トヨタ エスティマ(現行モデル2016) トヨタ エスティマ(現行モデル2016) トヨタ エスティマ(現行モデル2016) トヨタ エスティマ(現行モデル2016) トヨタ エスティマ(現行モデル2016) トヨタ エスティマ(現行モデル2016) 画像ギャラリーはこちら

名古屋で感じた、第四世代『エスティマ』誕生の可能性

トヨタ エスティマ(現行モデル2016)トヨタ エスティマ(現行モデル2016)

今年6月、トヨタ関連企業での会合のため、名古屋に行った。

その際、名駅(めいえき:地元では名古屋駅をそう呼ぶ)前のミッドランドスクエア内のトヨタショールームを覗いてみてビックリ。2階の展示スペース中央に置かれた、『エスティマ』に興味を示す人がかなり多かったのだ。

発売して間もない時期だったとはいえ、またフロントマスクなどの意匠が変わったとはいえ、所詮マイナーチェンジだ。基本的には2006年発売の第三世代であり、今年でなんと10年間もフルモデルチェンジしないという、大衆車としては異例の単一世代での超ロングセラーである。それほどまでに、世間はエスティマを求めているのだ。

この時、筆者は同ショールーム内に20分間ほど滞在したが、エスティマの周りにはいつも数人が集まっていた。年齢層は20代のカップルから老年のご夫婦までと幅広い。前から写真を撮ったり、運転席や後席に乗り込んで車内を見回したりして、「素敵だ」とか「カッコいい」と話していた。彼らにとって、“10年間フルモデルチェンジ無し”などという発想は皆無なのだろう。

こうした現場の実情が示すように、本サイトを含めて、今回のエスティマ・マイナーチェンジに関する記事のPV(ページビュー)は、同時期にフルモデルチェンジした各車を凌ぐ勢いだった。

このような市場の声を、トヨタ本社も十分に認識している。だからこそ、自動車業界周辺で「一時は開発が凍結したエスティマが一転して、第四世代の開発にGOがかかった」という噂が飛び交うようになったのだ。

噂の真偽はどうであれ、各種データや販売現場で『エスティマは進化し続けることが当然だ』と証明されている現状で、トヨタ本社が次期エスティマ開発の凍結を固辞する理由はない。

>>トヨタの天才たまご『エスティマ』を写真でチェック(画像37枚)

時代が一巡して、再び「クロスオーバー」へ

初代 トヨタ エスティマトヨタ 2代目アルファード

エスティマが生まれたのは、バブル期の真っただ中、1990年。だが、その存在は決してバブリーではなく、新しい日本のクルマを強く感じる時代の『ゲームチェンジャー』だった。

エスティマの製品企画が始まった80年代半ば、日本にはまだ、ミニバン文化が根付いていなかったが、その兆候が見え始めていた。それが、タウンエースの流行と、ハイエースの乗用化だ。

当時、筆者は日本国内レース等に出場していたが、レースチームの移動ではタウンエースを使う人が急増。もともとは商用車だったタウンエースが、RV(レクリエ―ショナル・ヴィークル)ブームなどを背景に、乗用車へと商品のポジショニングを変化させていた。また、タウンエースでは車内空間が物足りない人たちが、商用車の兄貴分であるハイエースの車内を改造して、乗用車として活用するケースも目立ってきた。

そうした時代のなかで、『天才たまご』と称する、ガラス部分が極めて大きく前衛的で、しかも車内が極めてルーミーな、乗用車と商用バンの「クロスオーバー」として登場したのがエスティマだ。ただし、その頃はクロスオーバーというワードはトヨタも自動車メディアも使わず、せいぜいマルチ・パーパス・ヴィークル(MPV)と表現するに止まっていた。

だが、エスティマの存在感は2000年代に入ると急速に弱まっていった。なぜなら、エスティマより大柄な『アルファード』が登場し、トヨタのミニバン・ヒエラルキーが大きく変わったからだ。

アルファード誕生の頃、トヨタ主催の公道試乗会に出向くと、トヨタ関係者たちは「エスティマに対して…」という枕詞を多用した。アルファード車体は、エスティマがベースという設計要件に加えて、製品として『いかにエスティマとの差別化を図るか』を模索していたからだ。そして、その当時、多くのトヨタ関係者が、『まさかアルファードがここまでブレイクするとは!?』と思っていたはずだ。

>>トヨタの天才たまご『エスティマ』を写真でチェック(画像37枚)

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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