新顔はまるで“ミニヴェルファイア”3種類の新フェイスを採用、価格も魅力の新型ワゴンR発売(2/2)

新顔はまるで“ミニヴェルファイア”3種類の新フェイスを採用、価格も魅力の新型ワゴンR発売
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エンジンは3種類を用意、新機能として10秒間のクリープ走行も可能に

スズキ 新型ワゴンR HYBRID FZ

エンジンはノーマルタイプ、マイルドハイブリッド、ターボの3種類を用意した。

マイルドハイブリッドは、先代型が採用したSエネチャージの発展型になる。先代型と同様、ISG(モーター機能付き発電機)を備え、減速時を中心とした発電、アイドリングストップ後の再始動、ハイブリッド機能(エンジン駆動の支援)を行う。

走行中のモーターによるハイブリッド機能は、最長30秒でこれも先代型と同じだ。

新たな機能は、発進時における最長10秒間のクリープ走行を可能にしたこと。リチウムイオン電池が十分に充電されていれば、ブレーキペダルを離すとエンジンを停止させた状態で10秒ほど走ってからエンジンを始動する。そのために先代型のSエネチャージではなく、マイルドハイブリッドを名乗った。

マイルドハイブリッド化に伴ってモーターは変更され、スイフトと同じWA05A型を積む。最高出力は3.1馬力、最大トルクは5.1kg-mになり、先代型のSエネチャージに比べて0.9馬力・2kg-mの向上となった。助手席の下側に搭載されるリチウムイオン電池の容量も拡大している。

エンジン性能は最高出力が52馬力(6500回転)、最大トルクは6.1kg-m(4000回転)。最高出力の数値は同じだが、最大トルクは0.3kg-m低下した。

JC08モード燃費は、マイルドハイブリッドが33.4km/Lで、先代型に比べると0.4km/L向上している。ノーマルエンジンは26.8km/Lで、0.8km/L優れている。先代型に比べて燃費の向上率は小さいが、その理由はプラットフォームを刷新しながら、車両重量があまり軽くなっていないためだ。

数値上の燃費値はさほど変わらないが、実燃費は向上が期待できる

ワゴンRは先代型でも相当な軽量化を行い、FZは車両重量を790kgに抑えた。

ダイハツムーヴやホンダN-WGNに比べると、先代型の時点でも30~40kg軽くしていたので、新型も軽量化を図ったものの、ボディの補強や装備の充実に伴う車両重量の増加と相殺されている。そのために一足飛びにボディを軽くしたアルトやスイフトに比べると、軽量化と燃費向上の比率が小さい。

それでも開発者は「マイルドハイブリッド化により、実用燃費が向上する場合がある」と言う。渋滞時にエンジン停止と再始動を頻繁に繰り返すと、燃料消費量が増えてアイドリングストップのメリットが薄れるが、マイルドハイブリッドなら前述のように最長10秒間のモーター駆動が可能だ。渋滞時の徐行ならエンジンを再始動させない場面が多く「数値以上の燃費向上が期待できる」という。

スティングレーのみに設定されているターボは標準モデルにもぜひ採用を

スズキ 新型ワゴンR スティングレー HYBRID T

ターボもマイルドハイブリッドを採用して、最高出力は64馬力(6000回転)、最大トルクは10kg-m(3000回転)だ。

自然吸気のノーマルエンジンと違って、先代型に比べて最大トルクが0.3kg-m増加した。JC08モード燃費は28.4km/Lで、先代型を0.4km/L上まわる。そのために新型ではターボの最大トルクが自然吸気の164%に相当し、燃費数値は85%。動力性能の向上率に比べて、燃費の悪化率が小さい。

ターボはスティングレーのみの設定だが、高効率なので価格の割安な標準ボディにも用意して欲しい。

緊急自動ブレーキを作動できる安全装備は、先代型は時速30kmを上限に車両や建物だけに反応する赤外線レーザー方式だったが、新型はスイフトと同じ単眼カメラを加えたデュアルセンサーブレーキサポートを採用する。

従って車両については時速100km、歩行者については時速60kmを上限に衝突の警報や緊急自動ブレーキを作動させる。ちなみにスペーシアやソリオは、2個のカメラを使ったデュアルカメラブレーキサポートを採用した。デュアルセンサーと性能は同等とされるが、細かく比べると一長一短だ。

そして決め手になったのは価格。デュアルカメラの価格はソリオの場合で5万9400円だが、ワゴンRのセーフティパッケージでは、同じ価格でデュアルセンサーに加えてヘッドアップディスプレイも備わる。ヘッドアップディスプレイの換算額は約2万円なので、デュアルカメラをデュアルセンサーに変えれば、この金額のコスト低減が可能なわけだ。

残念なのはサイド&カーテンエアバッグに消極的なこと。先代型と違って新型には用意されるが、最上級のスティングレーハイブリッドTのみに標準装着され、それ以外のグレードではオプションでも付けられない。

ホンダは「あんしんパッケージ」にサイド&カーテンエアバッグを含めて普及させたから、ワゴンRは充実度が低い。背景にはエアバッグに使われるインフレーター(バッグを膨らませるガスの発生装置)の供給事情なども影響しているが、乗員の保護装置としては重要なので充実させて欲しい。

スズキ 新型ワゴンR アンブレラホルダー(広報画像)

収納設備は、実用性が重視される軽自動車とあって豊富に備わる。

メーターがインパネの中央に移動したので、ハンドルの奥側にトレイを装着した。

ユニークなのは後席側のドアに装着したアンブレラホルダーだ。前述のようにリアサイドウインドーの面積が狭まったのを利用して、傘を縦に差し込めるようにした。傘に付着した雨水は車外に排出される。

軽自動車の競争激化を踏まえ、魅力的な価格設定となった新型ワゴンR

スズキ株式会社 鈴木俊宏社長

価格は2WDのセーフティパッケージ装着車で見ると、標準ボディのFXが127万3320円、売れ筋のFZが140万9400円。スティングレーはハイブリッドXが148万8240円、ターボのハイブリッドTが165万8880円になる。

先代型のFZはディスチャージヘッドランプ装着車が142万6680円だったので、新型FZはLEDヘッドランプを備え、緊急自動ブレーキを上級化させながら1万7280円安い。新型FZではフロントグリルのLEDイルミネーションが省かれるなど細かな装備の差はあるが、価格が下がったと考えて良い。

エコカー減税は、ハイブリッドは免税。ターボは自動車取得税が80%、同重量税が75%の減税になる。そのためにFZのセーフティパッケージ装着車で必要な諸費用は、3万7780円の自賠責保険料、9230円のリサイクル料金、4万6970円の届け出などの諸費用になり、購入時の予算総額は約150万円だ。

今の軽自動車は高くなったと思うが、その中で見ると、ワゴンRは機能や装備に対して購入コストが割安な部類に入る。

2017年にはホンダN-BOXのフルモデルチェンジも行われる模様で、軽自動車の競争が再び激化しそうだ。そこを視野に入れた価格設定でもあるのだろう。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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