2009年下半期ベスト・バイ・カー／藤島知子(1/2)

【国産車】トータルベストカー／スズキ パレットSW

下半期で私がもっとも驚かされたのが、パレットSWのCVT仕様。

トランスミッションはロー／ハイ2段の切り替えをもつ副変速機構付きで、駆け出しで力強い加速を披露するほか、CVT持ち前の燃費に優れたスムーズな走りで、走りの楽しさと環境性能を見事に両立させています。

CVT化にまつわる重量増については、むしろ乗り心地がしっとりした印象を受けますし、スペース系の軽自動車の強みといえる車内の積載性も抜群。

顔つきも、ホンワカ系からキリリとしたスタイルになったことで、幅広い層にウケがよさそうです。

【国産車】ベストハンドリングカー／ホンダ シビックタイプRユーロ

「タイプR」といえば、ストリートからサーキット走行までこなすスポーツ派にはたまらない肩書きですが、すでに欧州で発売されていた、3ドアのシビックタイプRが2010台限定で日本でも販売。

洗練されたスタイリングに野暮ったさは皆無ですが、高回転型の2リッター自然吸気エンジンは、出足の力強さと伸び感を見事に両立させたフィーリング。

大人のプレミアムスポーツモデルというだけあって、欧州のワインディングでしっくりきそうなしなやかさ、静粛性の高さも備わっているのもポイント。

【国産車】ベストデザインカー／日産 フェアレディZロードスター

華やかさを感じさせるモデルといえば、やはりオープンモデルの存在。

なかでも国産勢でひときわ目を惹くのは、フェアレディZロードスターでしょう。スポーツカーとして空力性能が求められたグラマラスなボディのシルエット、その躍動感あるスタイリングは幌を開けた状態でも美しい。

また、スエード調の素材を使った内装の質感、組み合わされる幌の色合いもシックなカラーがお洒落なセンスを感じさせてくれるし、なんといってもその辛口なイメージは抜群の存在感。

男性だけでなく、カッコいい姿勢を貫きたい女子の心にも響きます。