正式発表は2020年?新型レヴォーグにはEJ20エンジンに代わる高出力版が搭載か

スバルのコンセプトカー“VIZIV”の意味とは

ここ数年、スバルのコンセプトモデルは「ヴィジヴ(VIZIV)」を冠している。ヴィジヴと言うのは造語で、「Vision for Innovation(革新のための未来像)」と言う意味で、スバルの未来像を表現するモデルでる。

第1弾は2013年ジュネーブショーで発表された「ヴィジヴコンセプト」。当時は方向性を模索している状態だったのも事実だが、コンセプトが明確になったのは2014年に発表の「ヴィジヴ2コンセプト」からだ。このモデルからスバルのデザイン言語「ダイナミック×ソリッド」を形で表現。ちなみにこのモデルはXVへと繋がっている。2015年に登場の「ヴィジヴ・フューチャーコンセプト」は次期フォレスター、2016年に登場の「ヴォジヴ 7シーターコンセプト」は、北米専売SUVのアセントを示唆しているモデルであったのは明白だろう。

>>VIZIVツアラーコンセプトと、歴代VIZIVを画像で詳しく見る

次期型レヴォーグを示唆する“ヴィジヴ・ツアラーコンセプト”

そして今回、ジュネーブショーでお披露目されたのが「ヴィジヴ・ツアラーコンセプト」である。スバル自身「ワゴンボディの“ツアラー”の次世代モデルの提案」と語っている。

スバルデザインのキーマンである石井守さんは「東京モーターショーで発表したヴィジヴ・パフォーマンスコンセプトの流れから、もう少しユーティリティがあってクロスオーバーしたクルマを提案したい……と。つまり、『走り』と『ユーティリティ』を高次元でバランスさせたモデルと言うわけです。ワゴンとパフォーマンスカーのクロスオーバーモデルと言う位置づけです」。

ヴィジヴ・パフォーマンスコンセプトは、スバル関係者は口には出さないが、次期WRXを示唆しているモデルであるが、そのワゴン版=次期レヴォーグと考えるのが素直だろう。ちなみに、現行レヴォーグのコンセプトは「スポーツツアラー」である(笑)。

エクステリアを見てみると、フロント周りやフェンダーの処理などは2017年東京モーターショーで発表された「ヴィジヴ・パフォーマンスコンセプト」と共通している部分が多いが、スバル車の象徴の一つであるボンネットのエアスクープは控えめ。

一方リア周りは、角度が寝かされたDピラーやボリューム感のあるリアフェンダーからギュッと絞られたリアセクションなどは、スバルらしからぬ(!?)セクシーな造形に仕上がっている。

ヴィジヴ・パフォーマンスコンセプトは前掲姿勢にすることで“スバルの走り”をカタチで表現していたが、ヴィジヴ・ツアラーコンセプトはその流れではあるが、より前後のバランスが適正化されたように感じた。

コンセプトカーなのに“リアル感”を追求する意図とは

実際にモデルを見て感じたのは、ヴィジヴ・パフォーマンスコンセプトより全体的に“リアル感”が増していたことだ。

「さすが鋭いですね(笑)。実は作り方が違います。ヴィジヴ・パフォーマンスコンセプトはデータで作成しましたが、今回はそれをベースにしていますが全てクレイで作りました。ひと手間を入れることで『力強さの中に柔らかさ』をプラスさせたわけです」とスバル関係者は語る。

つまり、ダイナミックな走りの表現に加えて質感をプラスさせたと言うわけだが、筆者はヴィジヴシリーズながらより量産にステップアップしたコンセプトモデルだと考えている。ちなみにボディサイズは全長4775×全幅1930×全長1435mm、ホイールベース2730mmと発表。日本では「レヴォーグもサイズアップするのか?」と言う声も聞かれたが、あくまでもデザインコンセプトである。

現行レヴォーグは欧州にも輸出されているものの、基本は大きくなったレガシィに代わるモデルとして日本のために生まれたクルマと言う経緯を考えれば、このままのサイズで量産モデルになるとは考えにくい。

「スバルのコンセプトカー全般に言えることですが、“視界性能”に関しては量産車と同じ考えを用いています。つまり機能は犠牲にするデザインにしていないと言うわけです。実はヴィジヴ・ツアラーコンセプトはラゲッジリームのスペースはもちろん、リアゲートも開口部面積も考慮したデザインになっています」。

新型レヴォーグの正式発表は2020年か

今回はエクステリアのみのお披露目で、インテリアやメカニズムに関してのアナウンスは一切なかったが、シャシーはインプレッサ&XVからスタートしたSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)がベース、パワートレインは2021年まで世界生産の8割をダウンサイジングターボに移行する計画で、3タイプ(1.5/1.8L/2.4L)のターボエンジンを開発中と聞くが、その中からセレクトされるだろう。もちろん、次期WRX用に開発中のEJ20ターボに代わる高出力版2Lターボも設定されるはず。

ちなみにトランスミッションは多段ATの開発が進められている……と言う噂も聞いている。

気になる量産モデルだが、ある情報筋によれば各自動車メディアが予想しているタイミングよりも若干遅れる見込みだ。筆者の予想では、量産を示唆するコンセプトモデル(レヴォーグコンセプト)は2019年のジュネーブショー、量産モデルのお披露目は2019年の東京モーターショーで、そして正式発売は2020年と予想している。

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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