スバル 新型アイサイト・ツーリングアシスト 公道試乗|”自動運転”の入り口をひと足お先に体験(1/2)

スバル 新型アイサイト・ツーリングアシスト 公道試乗|”自動運転”の入り口をひと足お先に体験
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■スバルの新型「アイサイト・ツーリングアシスト」はこれまでとどこが違う!?

2017年8月11~20日、26~27日にかけて、東京都港区にある六本木ヒルズで、スバルによる「アイサイト・ツーリングアシスト体感試乗プログラム」が開催された。東京都の首都高速道路を走りながら、最新の運転支援技術、EyeSight TOURING ASSIST(アイサイト・ツーリングアシスト)を体感試乗できるイベントだ。このプログラムに参加してみた。

なお8月16日の時点で、まだ26~27日の募集は受け付けている。ウェブサイトで応募すると、抽選で1日当たり36組が体験試乗することが出来る。また空きがある場合に限り、どの日程でも当日参加が可能なので(ただし当日枠は同乗試乗だけで参加者の運転はできない)、六本木界隈に出かけた時は立ち寄ってみるのも良いだろう。

>>スバル 新型アイサイト・ツーリングアシスト 公道試乗の模様をフォトギャラリーでも観てみる

アイサイト・ツーリングアシストの簡単な説明を受けた後、インストラクターが同乗するスバル 新型レヴォーグ 1.6GT-S EyeSightで六本木ヒルズを出発した。このレヴォーグは2017年7月にマイナーチェンジを受け、アイサイトの追加機能であるアイサイト・ツーリングアシストを搭載する初のモデルだ。

しばらくは六本木の市街地を走るが、この時にはアイサイト・ツーリングアシストは作動させない。高速道路など歩行者や自転車のいない道路環境で使用する運転支援の機能になるからだ。首都高速道路(首都高)に入ってから、早速アイサイト・ツーリングアシストを試す。

スイッチを入れると、スピードメーターとタコメーター(エンジン回転計)の間にレイアウトされたマルチインフォメーションディスプレイに、先行車とハンドルの絵柄が緑色で表示されて制御が開始されたことを示す。これとは別に先行車と車線を示す青色の絵柄も表示され、2個のカメラセンサーが先行車と車線の両方を検知できていることを示す。この表示と併せて、インパネ中央の最上部に装着されたマルチファンクションディスプレイにもアイサイト・ツーリングアシストの作動状態が表示された。

制御の作動中は、クルーズコントロール機能として、ドライバーがアクセル/ブレーキペダルを操作しなくても、車間距離を適正に保ちながら先行車に追従走行を行う。同時に車線中央維持/先行車追従操舵機能として、ハンドルの操作も支援する。時速60キロ以上では車線(左右どちらか片側でも検知可能)、それ以下の速度では、車線と併せて先行車の動きも検知しながらハンドル操作の支援を行う。

設定速度は首都高が定める制限速度の時速60キロにセットして走行したが、平日の首都高は渋滞が激しい。この交通環境でも、運転支援を保てるのがアイサイト・ツーリングアシストのメリットだ。ハンドル操作の支援は、以前は時速65キロ以上だったが、今は停車時まで制御を行える(スバル レヴォーグはマイナーチェンジ以前から、全車速追従型のアダプティブクルーズコントロールを採用している)。

■アイサイト・ツーリングアシストのハンドル制御が極めて自然な理由とは

注目される操舵支援システムだが、カーブの曲がり具合に応じて正確にハンドルを切り込んだり戻す制御の印象は、アイサイト・ツーリングアシストの場合おおむね良好だ。車線の中央を走れるように、電動パワーステアリングに適切な力を加えてアシストしていた。時々「カクン、カクン」と小刻みにハンドルを切る場面も見られたが、操舵制御をスイッチでキャンセルしたくなるほどの違和感はない。

ちなみに同様の運転支援技術である日産 新型セレナの”プロパイロット”は、背が高いミニバンゆえ、車両自体の操舵感が鈍いことも手伝ってか、ハンドルを左右に小刻みに動かす自己修正をしながら曲がっていく印象。同じプロパイロットを搭載する新型エクストレイルの場合は操舵がもう少し正確になって、修正の度合いも弱まるが、それでも探るように曲がる。

これらライバルモデルの動きに比べると、スバルのアイサイト・ツーリングアシストは自然な印象であった。この自然さの裏側には、時速60キロ以下で走行する際に先行車を把握して操舵の支援を行う機構が寄与している。

アイサイトの主要部品となるステレオカメラセンサー(2つのデジタルカメラを使用)は、人間の両眼の視覚と同様だ。渋滞で車間が詰まり、車線を示す白線が分かりにくくなっても、目の前の先行車は常に把握出来る。このように先行車に追従して操舵支援を行う機能が、アイサイト ツーリングアシストを滑らかに制御してくれるひとつのポイントとなっている。

ただし、すべての場面で操舵支援ができるわけではない。首都高速道路には急なカーブもあり、ハンドルの操舵角度が45度を超えるくらいになると、制御を中止することがあった。この前の段階として、舵角が大きくなると操舵支援が次第に曖昧になっていった。

こういった状況ではドライバーが積極的に操作する。スバルのアイサイト・ツーリングアシストに限らず、運転支援機能はドライバーの操作を優先させるから、不安を感じた時は自分で操作しても問題ない。

アイサイト・ツーリングアシストの操舵支援が安定して行えるのは、直進状態のハンドル角度を0度とすれば、左右にそれぞれ20度くらいの範囲だ。前出のような急カーブが続くような区間は、都市高速やジャンクションの接続路など一部に限られる。制限速度を時速100キロに設定する一般的な高速道路ならカーブの曲がり方も緩やかだから、操舵の支援を長時間に渡り続けられる。

それでもハンドルから手を離すのは厳禁で、アイサイト・ツーリングアシストでは、保持しない状態が約10秒間に達すると警報を発する。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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