【ahead femme×オートックワン】-ahead 12月号- 自分だけの1台を手に入れる
- 筆者: 藤島 知子
3Dデジタルプラモデル『digimo』
人とクルマの関わりにおいて、現実世界とデジタルを結びつける次世代ツールとして注目の存在が、2011年11月30日にデビューを飾ったiPhone用のアプリ『digimo(デジモ)』である。
クルマのアプリというと、ドライブをサポートする情報提供やバーチャル上でクルマを走らせるゲームを想像するが、デジモはダウンロードしたクルマをコレクションしたり、自分なりのカスタマイズを楽しめるアプリである。
注目したいのは、単に仮想空間で妄想を膨らませる類のものではないことだ。
最初に用意される車種は、東京モーターショーのフォルクスワーゲンブースでお披露目された『ザ・ビートル』。
iPhoneを使えば誰もが無料でこのアプリをダウンロードできるが、その会場に足を運んでダウンロードした場合、そこでしか手に入らない特別仕様のクルマが入手できる。
これは携帯電話が持つ位置情報を利用して、街を探索しながらパーツや本体などを入手していける仕組み。デジモや自動車メーカーのサイトなどから、お宝がある場所のヒントが与えられ、探しに行く楽しみもあるというワケだ。
入手したクルマは画面上で組み上げ、ボディ色を選び、好みの角度で撮影する。画像はフェイスブックやツイッターを用いて、ソーシャルメディア上でコミュニケーションを図ることもできるという。
その精巧な出来映えにクルマ好きを唸らせ、クルマに興味がない人にすら、入手した画像を「カワイイ!」と言わしめるデジモ。
生みの親であるインフォバーンの小林弘人氏は大のクルマ好きだ。
「私が小さい頃は、自転車で街中を走り回って『ガチャガチャ』を買いに行き、ミニカーやスーパーカー消しゴムを集めたものですが、デジモはそのデジタル版です。クルマを自分専用にカスタマイズしたり、アーティストやアパレルブランドとコラボしたスペシャルカラーやご当地バージョン、限定車も用意したいと考えています。将来的には車種も増やして、友達とカードゲームで対戦したようにレア度や装備を競ったり、ジオラマみたいに自分のガレージを作り、バーチャル上でコミュニケーションを図れるようにしたいですね」。
自動車離れが囁かれる今日だが、デジモは様々なイベントに出向くキッカケになったり、ネットワーク上で皆と対話を重ねて、クルマへの『愛着』を深める足がかりとなりそうだ。
デジタルを用いながらも、人とクルマの関わりはいつだってアナログ的。
いつまでも人の心を揺さぶるものであって欲しい。
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