米国EVシンポジウムに見る自動車業界の「本音」/桃田健史(1/3)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史
世界から注目が集まるハイブリッド・電気自動車の国際会議
LAダウンタウンから、フリーウエイ5号線を南下。朝6時半には始まる大渋滞を避ければ、約30分でアナハイム市に着ける。
ここアナハイムは、ご承知の方も多いと思う。ディズニーランドの本拠地だ。
今から55年前、1955年7月18日にディズニーランドがオープンした頃、この辺りは丘陵地帯に畑がポツポツ。カリフォルニアドリームに満ち溢れるような、新天地だった。
だが2011年現在、辺りは商業施設、中小規模の工場、住宅地が密集する地域へと変貌。ディズニーランド内部や周辺にはホテルが多いが、80年代~90年代の建物がほとんどで「街全体にどこか寂れた雰囲気」が漂っている。
そうしたアナハイムのヒルトンホテルで開催されたのが、SAEのハイブリッド・電気自動車シンポジウム(2011年2月9~11日)だ。
このSAEとは、米自動車技術会のこと。いわゆる業界団体なのだが、自動車製品の規格化については事実上、「SAE=アメリカ政府公認」なのだ。
例えば、プラグインハイブリッド車や電気自動車用の充電コネクター。
この形状とプロトコル(通信言語)の規格は、SAEの「J1772」が事実上、世界標準になった。こうした流れのなかで、次世代のハイブリッド車や電気自動車の技術について、SAEの存在はドンドン大きくなっている。
そして、年1回開催されるこのシンポジウムに世界の注目が集まるのは当然だ。
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