EVフェスティバル2009 レポート(2/3)

EVフェスティバル2009 レポート
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日産 ティーダ EVテスト車両

これが、日産の量産型EV リーフの「外側違い」だ。つまり、「プラットフォーム、リチウムイオン二次電池の配置、重量配分、サスペンションセッティングなどは、量産のリーフと同じ」(同車を運転した、日産自動車実験技術開発本部でEVプロジェクト開発主担の吉田正樹氏)である。

2009年8月2日、日産横浜新社屋でお披露目された、リーフ。その後は、東京モーターショー2009で日産の主役として世界の注目を浴びた。

EV開発で先行する三菱や富士重工は、ガソリンエンジン搭載の既存軽自動車ベースのEVだが、対する日産 リーフは世界標準乗用車カテゴリーのCセグメント(コンパクトカー)で、しかもEV専用車だ。

筆者は、1周約2.5kmのメインコースで、ティーダEVテスト車両の後席に乗った。この車両は左ハンドル車だ。正確な車重は未公開だが、停止状態からの動き出しは、i-MiEVよりも身軽なイメージ。

走行中のモーター音は若干の高周波が残る。これは日本人には気にならない程度だが、「欧米人は気にするので、量産車ではさらに消音する」(前出の吉田氏)。

回生ブレーキの力は、あまり強くない。この車両にはBモード(i-MiEVやプリウスと同様に、回生力が強いモード)が未装着だが、リーフにはBモードが標準装備される。後席乗車でも、ロードノイズは微少で上質な乗り味に驚いた。

また、90年代後半に市販されたハイパーミニに、久しぶりに乗った。

生産中止から10年以上経っているクルマとは思えぬ出来栄え。筆者はここ1年ほどで、日米欧の様々な量産型EVを試乗しているが、ハイパーミニは現時点でも十分に市場対応可能だと思う。

ただし、衝突安全に関して、近年の各国要件に合わせるためには、このまま再量産して販売ということにはならないと思う。

三洋電機有志チームの取り組み

ERKに参戦した、チームGAIA。民生品のリチウムイオン二次電池18,650(直径18mmx長さ65mm)を3パック搭載(総本数、約500本)。

また、左右後輪別々の内製モーター(それぞれ最大出力約3KW)を採用し、ステアリングの角度センサーによって、旋回内側のモーター出力を絞り、旋回性を上げた。

同社は、環境EXPOブースで、電動アシスト自転車・エネループを展示。今年9月発売の折りたたみ式で前輪インホイールモーターを搭載。筆者が会場内で試乗したモデルはニッケル水素二次電池搭載だったが、リチウムイオン二次電池仕様もある。現在、電動アシスト自転車は日本の他、欧州での普及が加速中だ。

さらに、北米での需要も十分に期待出来ると、三洋電機関係者は筆者に語った。

ERKは、カート使った実験というよりは、社内の開発者たちのクラブ活動に近い存在だ。しかし、小型電動移動体は、EVの新たなる成長分野として、日本のガソリン車関連代替産業としての可能性を秘めている。

そうしたなか、日系EV量産車へのリチウムイオン二次電池の本格供給が噂されている三洋電機の動向が気になるところだ。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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