BMW i8のデザイナー、テスラモデルSの開発トップを引き抜いた謎のEVベンチャーが表舞台に!

  • 筆者: 桃田 健史
  • カメラマン:ファラデー・フューチャー/桃田健史
BMW i8のデザイナー、テスラモデルSの開発トップを引き抜いた謎のEVベンチャーが表舞台に!
【CES2016速報】ファラデー・フューチャー ファラデー・フューチャー ファラデー・フューチャー 【CES2016速報】ファラデー・フューチャー 【CES2016速報】ファラデー・フューチャー 【CES2016速報】ファラデー・フューチャー 【CES2016速報】ファラデー・フューチャー 【CES2016速報】ファラデー・フューチャー 【CES2016速報】ファラデー・フューチャー 【CES2016速報】ファラデー・フューチャー ファラデー・フューチャー 画像ギャラリーはこちら
【CES2016速報】ファラデー・フューチャー

設立から1年半が経ち、ついに表舞台に登場した「謎のEVベンチャー」。だが、やっぱりその実態は謎だらけだった。

世界最大級のITおよび家電の見本市、CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)が今年もラスベガスで開幕した。

1月6日からの一般公開を前に、2日前の1月4日は報道陣向けの記者会見が始まった。そのなかで、大きな話題となったのがEVベンチャーの「ファラデー・フューチャー」だ。

特設会場に登場したのは、ルマン24時間レースに出場するようなカタチのレーシングカー。マシンのフロントからリアにかけて、2本の巨大なエアトンネル。リアカウルの中央には、超高速走行でマシンの操縦安定性を狙った垂直ウイングが目立つ。

ファラデー・フューチャー【CES2016速報】ファラデー・フューチャー

インテリアは、一人乗りで、酸素は供給するシステムを組み込んだ専用ヘルメットを着用するという。ダッシュボードは、スマートフォンでコントロールし、自動運転を含めた次世代型の「情報コネクテッドカー」だ。

シャーシは、搭載する二次電池パッケージの容量に応じて、「ホイールベースを自在に変更できる」プラットフォームを採用した。またモーターの搭載位置や数もフレキシブルで、FR、FF、AWDなど、どのような駆動方式にも対応する。

モーターの出力、電池の容量、満充電での航続距離、最高速度、そして販売価格と発売時期など、すべては「未定」という徹底した秘密主義だ。

明らかになっているのは、「ラスベガス北部に新設する工場で、可能な限り早期に量産する」ということだけだ。そのうえで、今回のコンセプトモデルはレーシングカーのイメージだが、「今後はセダン、SUVなど、量産車として多くのラインアップを投入する予定」(開発担当者)と説明した。

いったい何者なのか?

ファラデー・フューチャー【CES2016速報】ファラデー・フューチャー

300人強が詰めかけた記者会見は、Ustreamで生中継された。その映像のなかでも目立ったのが中国人の存在だ。

記者会見の最前列の中央にも、中国人がズラリと並んだ。彼らは、ファラデー・フューチャーが「パートナー」と呼ぶ、中国の動画配信企業「LeTV」の関係者だ。「インベスター(出資者)ではなく、パートナーだ」とファラデー側は強調する。

また、ファラデー・フューチャーの共同経営者も中国人で、彼は中国の上海GMの元幹部だ。そうした中国オペレーションのもとで、開発担当者は、ロータス、レンジローバーと渡り歩き、前職はテスラで「モデルS」と「モデルX」の開発総責任者を務めた人物、ニック・サンプソン氏をテスラから引き抜いた。

このほか、主要な開発関係者はテスラからの転職組が多い。デザインには、BMWで「i3」「i8コンセプト」を描いたトップクラスのデザイナーを起用した。

本社の所在地は、ロサンゼルス近郊のガーディナ市で、本社の所在地は北米日産が10年前まで使っていた大型ビルだ。そこで働く正社員が550人で、さらに海外拠点に200人、合計750人体制。

だが、「最高経営責任者(CEO)は現在、いない」という。謎多きEVベンチャー「ファラデー・フューチャー」。今回の発表でわかったのは、巨額の投資が中国からアメリカの次世代車開発に注がれているという事実だけだった。

[Text:桃田健史]

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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