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自動車評論家コラム 2015/9/20 14:37

なぜ今欧州で「クロスオーバーSUV」がこんなに流行っているのか(2/2)

Text: 桃田 健史 Photo: 桃田健史
なぜ今欧州で「クロスオーバーSUV」がこんなに流行っているのか

欧州系は高級路線へ

ジャガー F-PACE インテリア

最近、世界のメディアの注目が一気に集まっているのが「ジャガー」。今回発表した「F-PACE」は、セダンの「XF」とクーペの「F-TYPE」が見事にクロスオーバーした逸品だ。

外観デザインではリアクオータービューに他社にない独自性を強く感じる。また、インテリアは樹脂製品やシート表皮等で、これまでのジャガー車をさらに一歩超えた質感がある。

さらにジャガー・ランドローバーグループは近年、車載器とスマートフォンの連携等のインフォテイメントで世界市場をリードする立場にあり、「F-PACE」にも大型HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)と多彩なアプリが搭載された。

アウディ e-Tron クワトロコンセプト
フォルクスワーゲン 新型ティグアン GTEメルセデス・ベンツ コンセプトGLCクーペ

この他、アウディ「e-Tron クワトロコンセプト」、そしてVWの新型「ティグアン」にもクロスオーバーな雰囲気が強く感じられる。

こうした欧州クロス―バーが流行り始めたきっかけは、BMWとメルセデスによるモデルラインアップの刷新だ。

BMWは「X6」と4シリーズという“偶数”表記をクーペとし、ベーシックな3・5・7シリーズに対するクロスオーバーを図った。

一方、メルセデスは2015年からGLシリーズの再構築を行い、クロスオーバーSUVの領域へ一気に方向転換した。なかでも「GLCクーペコンセプト」は欧州クロスオーバーの新潮流を強く意識したモデルだ。

クルマ文化の大転換期

ニッサン グリップス コンセプト

今回、フランクフルトショーで登場した数多くのクロスオーバーSUV。これは単純なデザイン変革ではない。クルマと人との関係が変わろうとしている大きな時代変化が具現化したのだと思う。

カーシェアリング等、クルマを使った新しい交通システムが世界各国で急激に成長している今、「クルマを購入する価値」がユーザーにも、そして自動車メーカー側にも問われている。

そもそもSUVは、アメリカ文化のなかで生まれた。商用車のピックアップトラックのラダーシャーシを活用した「使い勝手重視型」のクロスオーバーだった。それが90年代中頃からアメリカの庶民の足となり、そのトレンドが世界各地に伝播した。それに対して今回のクロスオーバーSUVの発祥は、自動車文化の原点がある欧州だ。

クロスオーバーSUVとは、次世代のライフスタイルにマッチした「新しいクルマのあり方」である。こうしたトレンドは今後、日本市場でもさらに大きくなるだろう。

筆者: 桃田 健史
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