ホンダF1不甲斐なさに、内外メディアが激しいプレッシャーをかけ始めた
- 筆者: 国沢 光宏
- カメラマン:本田技研工業
鈴鹿ではパワーユニットの問題をハッキリ見せることになる
八郷社長は、新井F1プロジェクトリーダーからのレポートを信用しているという。先週末にモンツァで行われたイタリアGPも厳しい内容である旨、レポートされていたことだろう。「報告と結果の乖離がなければ良いと考えてる」(八郷社長)。ということで、イタリアGPは問題になっていないだろう。
次戦のシンガポールGPについていえば、モナコGPや今年最も良い結果を残したハンガリーGPと同じく全開率の低いコースのため、世界チャンピオン経験を持つ2人のドライバーはパワーユニットの故障さえなければ、頑張ってくれるかもしれない。シャシもダウンフォースを付ければ問題なし。シンガポールGPに続く鈴鹿の日本GPも現体制のままだろう。
その鈴鹿サーキット、御存知の通りテクニカルコースながらエンジン全開率が高い。パワーが無いと全く勝てないばかりか、後続車にアオられる無様な場面が続出となる。
パワーユニットの問題をハッキリ見せることになるだろう。加えて地元のGPだ。厳しい内容で終われば(終わる可能性100%だと考える)、さすがの八郷社長も抜本的な決断をしなければなるまい。
追い込まれた時のホンダは強い!
思い出して頂きたい。ホンダがF1チャレンジ第3期もホンダ内部の体制の悪さがずっと指摘されていたものの、監督の変更などしたのは撤退する1年前。その年に開発されたシャシは素晴らしく良い仕上がりで、ホンダを居抜きで引き継いだブラウンGPは見事シリーズチャンピオンを奪取した。
現在の惨状もホンダの技術力の低さから来るのでは無く、体制に問題があると考えます。
仮に鈴鹿の日本GP終了後に大ナタを振るったとしたら、いつ成果に繋がるか?現在のF1レギュレーションでは、エンジンを作り直すことが出来ないばかりか、改良範囲も極めて限られている。
来シーズン用のエンジンは、今期あまりに酷いため、改良範囲の拡大を認められる可能性が出てきたけれど、やはり小変更しか許されないと考えていいだろう。
劇的な改善は基本的に難しい。今年より遥かに厳しい条件になる、ということ。それでも優秀なエンジニアなら高いハードルを突破できることだろう。追い込まれた時のホンダは強い。
最悪のケースは鈴鹿後も体制の変更をしないというもの。そうなると今年と同じようなシーズンになってしまうと考える。
[Text:国沢光宏]
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