サーブ 9-3 試乗レポート

  • 筆者: 森 慶太
  • カメラマン:難波賢二
サーブ 9-3 試乗レポート
リアスタイリング フロントマスク インパネ フロントシート エンジン 試乗 タイヤ&アルミホイール リアシート フロントスタイリング 画像ギャラリーはこちら

“3シリーズ”で勝負をかける

リアスタイリングフロントマスク

車名の9はサーブの看板数字。3はBMW3シリーズと同クラスであることを意味している。英語でプレミアム・コンパクトとかジュニア・エグゼクティブと呼ばれるクラスのクルマだ。あるいは、そこに向けて作られたクルマ。 10年も現役を続けた旧型は、それよりさらに5年ほど早く出た初代ベクトラ(オペル)の兄弟だった。サーブらしく乗る人に優しい、いいクルマではあったけれど、簡単にいってかなり古クサくもあった。見ても乗っても。

その点、新型はベクトラでいうとこれまた出たばかり(2002年登場)の現行=3代目の兄弟モデル。ハードウェアはイッキに2世代新しくなった。サーブはここ数年間ほど利益を出しておらず、また9-3が比較的数を望めるクラスの商品ということもあって、この新型に彼らはかなり死ぬ気の勝負をかけている。 日本仕様は3種類。どれも2リッター直4ターボの5ATで、違いは動力スペックと各種装備。アーク2.0tは松竹梅の竹にあたる。

座っただけでほしくなる

インパネフロントシート

座った瞬間から安堵感がドッとおしよせて、走り出したら何時間でも快適なまま。身じろぎひとつせずにすむ。それがサーブのシートの一大美点(乗用車のシートに関してそれ以外の美点などありえないともいえる)。上級車9-5のシートと較べると掛け心地はちょっとだけディフュージョンな感じがするけれど、素晴らしいことに大筋違いはない。前後とも。ヘッドレストの形状や位置から見てとれる安全意識の高さも特筆すべき点だろう。

私にいわせれば、シートひとつとってもこれだけデキのいいクルマは日本製にはただの1台もない。サーブ9-3を買う理由としては、ある意味それだけでも十分かもしれない。

また、これまたサーブの美点として運転姿勢の調整の自由度がきわめて高い。これに関しては、支点が遠くかつ角度もキメ細かく決めることのできるチルト、およびテレスコピック両方向の調整機構がステアリングについていることも大きい。やはり、素晴らしい。

楽チンで実用的な速さ

エンジン試乗

2リッター+ターボで175ps。たとえば新型レガシィの2リッターはターボなしでも190psだから、つまりピークパワーをことさら欲張った性格のエンジではない。いわゆるライト・プレッシャー系のひとつといっていい。5段ATの変速プログラムが秀逸ということもあり、実際このターボエンジンはきわめて乗りやすい。ノロノロ運転域でのモタつきもまったく感じられず、なんというか実用的に速い。

メーカー公称の最高速度は5ATで220km/h。参考までに、150psのリニア1.8t(これも2リッター)はやはり5ATで210km/h。また、210psのエアロ2.0Tは同じく230km/h。試したわけではないけれど、掛け値ないところでしょう。 排ガスのエネルギーを過給の仕事に使って奪いさる、というターボの性格上、排気音は確実に静か。また過給が効いているときのトルクは自然吸気エンジンには望めない分厚さで、したがって快適に、かつイージーに速い。そして燃費もこれなら悪くない、はず(今回の試乗、高速5:街乗り4:峠1で 9.3km/L)。

これでもいいけど

タイヤ&アルミホイールリアシート

結論として、サーブ9-3スポーツセダンのアーク2.0tはいいクルマだ。家族に喜ばれて自分も楽しい、幸福への理性的な選択としてオススメできる。アドレナリン分泌を刺激するのではなく、コワさをなくすことで速く走らせてくれる、という感じのアシのよさもサーブ一流。ただひとつ問題は、あとほかに2つある車種と較べてどれを選ぶか。

私のイチオシは、実はリニア1.8tだ。リニア1.8tに標準装備の布シートは掛け心地がもっとフンワリ優しく、タイヤのサイズがおとなしいためシャシーの乗り心地もモアベター(アーク2.0tについているグッドイヤーNCT5が少々カタい、ということもある)。150psのさらにおとなしいターボも、日本の道路事情によく合っている。そのうえ、リニア1.8tは価格が安い。アーク2.0tの415万円に対し360万円。さらにもう少し枠を拡げるとウルトラ絶品にして419万円(大バーゲン!)の9-5 2.0t(ワゴンのみ)というのもあったりする。

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筆者森 慶太
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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