アウディ A5スポーツバック 試乗レポート/松田秀士(3/3)
- 筆者: 松田 秀士
- カメラマン:原田淳
スキのないクルマ造りが活かされている
キロメートル当たり193gというCO2排出量の環境にも配慮した2リッターエンジンは、150バールというガソリンエンジンとしては比較的高圧(燃料)でシリンダー内に直接噴射される。
そのインジェクターは6つのポートを持ち、これが理想的な混合気を生成するのだ。
このエンジン、5年連続でインターナショナルエンジンオブザイヤー(1.8~2リッター部門)を獲得している優れものだ。2本のバランサーシャフトを採用しているだけあって、どんなに高回転になっても振動感も無くとてもスムーズで静かなことに驚かされる。
さらに、ブレーキング時や減速時にはオルタネーターで積極的に発電して蓄電し、無駄にオルタネーターで発電しないようにしてエネルギーロスを低減して燃費性能を上げている。
パワーステアリングの油圧回路も、無駄を省く制御で燃費に貢献している。さらには、ハイパワーで低燃費に使い勝手の良い4ドア。
室内のスペースはA4セダン並み。エクステリアはクーペのような流麗さ。そして、縦置きエンジン+クワトロシステム(4WD)のバランスの良い卓越したハンドリング。まるでスキのないクルマ造り。
輸入車メーカーの中で、アウディの販売不振がそれほど深刻でないことの理由がよく理解できた。
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