ジャガー XKR 海外試乗レポート(4/4)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
ジャガーの価値ある部分とは
フラッグシップ・モデルらしくあくまでも優雅な佇まいを見せるジャガーXKRは、 “生粋の走りのモデル”という一面を持つのも大きな特徴。そして、そこでは単に強力な加速力を実現するだけではなく、動力性能にも負けない足回りやブレーキ・システムの採用により、サーキットでの連続走行でも決して音を上げる事がない極めて高度なポテンシャルのフットワークを手にしているのがちょっと驚きだ。
実際にこのモデルを手に入れた世界中の幸せなオーナーたちが、それを敢えてサーキット・コースへと持ち込んでハードな走りにトライをするとは考え難い。極端に言ってしまえば、足回りのセッティングやブレーキの容量で仮に多少手を抜いた箇所があったとしても、それで実際に困るジャガー・オーナーは殆ど存在しないと言っても良いはずなのだ。
しかし、だからこそこうしたラグジュアリーで流麗なモデルにまで、本格的なサーキット走行をこなせるだけの実力を与えたところが、またジャガー車ならではの価値ある部分と思えてくる。歴史と伝統に支えられてきたブランドであるからこそ、こうした事の重要性を知っている――そう教えてくれるのが、このXKRというモデルでもあるのだ。
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