日産 ティアナ 試乗レポート

  • 筆者: 西沢 ひろみ
  • カメラマン:原田淳
日産 ティアナ 試乗レポート
フロントスタイリング リアスタイリング インパネ フロントシート エンジン タイヤ&アルミホイール 試乗 フロントスタイリング 試乗 画像ギャラリーはこちら

好き嫌いが分かれそうなインテリアデザイン。私は……。

フロントスタイリングリアスタイリング

「モダンリビングを思わせるインテリア」。ティアナのキャッチコピーを聞いたとき、いったいどんなクルマなのかと思った。まるで想像がつかない。しかも日本人が落ち着ける「和」を盛り込んだという。既存のクルマの概念を打ち破ったのは確かだけど、イメージが沸かないのも事実だった。

木目調を大胆にあしらったインパネ&センターコンソール、座椅子をイメージした前後シート…。初めて目にしたティアナのインテリアは、好き嫌いがはっきり分かれる印象だった。これが日産の新しい高級感の演出なのだろう。

室内に乗り込むと、ゆったり落ち着ける広い空間が居心地のいい雰囲気を放っていた。しかも、低くフラットなダッシュボードが前方視界と見切りの良さを確保。低いシート高が乗降性に大きく貢献していた。デザインを最優先しながら機能にも配慮している、まさに新しい発想の移動空間といえる。ただ運転ポジションはちょっとしっくりこなかった。アクセルペダルが遠いことと、ステアリングの位置が低いこと、シートの座面が前側にスラントしているのが要因だろう。全体の配置のバランスは、もうひと工夫が必要かもしれない。

プレミアムセダンに相応しい、官能的な速さ。

インパネフロントシート

まずは3.5LVQエンジンを積む350JMを連れ出した。最高出力170kw/最大トルク333N.mが披露する余裕の加速感は極めて滑らか。アクセルペダルに足を載せる感覚で、スピードメーターの針がグングンと上昇する。高級セダンに相応しい官能的な速さといっていい。もちろんクルージングも得意の場面。100km/hでのエンジン回転は1800rpmと低く、静粛性の高さと快適性が堪能できる。ミッションはマニュアルモード付6段変速のエクストロニックCVTを搭載。世界初の大排気量FF車用となるベルト式CVTは、違和感のないスムーズな変速を見せてくれる。特にキックダウンの領域は、エンジン回転が跳ね上がらないぶん5速ATよりも好印象だった。

新開発の2.3LVQエンジンを搭載する230JKは軽快な加速フィールが身上だ。ただし4速ATの変速がやや頻繁すぎる。加速性能は穏やかになるが、変速を抑えた方が快適性は高まるだろう。

粘りのある足回りに好印象。

エンジンタイヤ&アルミホイール

足回りは、フロントが井桁サスペンションメンバーを採用するなど細部の見直しを図ったストラット式。リヤがステージアのサスをヒントに室内への出っ張りを少なくして、乗り心地とリヤの追従性を高めた新開発のマルチリンクサスだ。

ミニワインディングへ足を運ぶと、ゆったりとしたロールを伴いながらも、粘りのあるフットワークを見せてくれた。トレース性も想像以上に高く、安定感のあるコーナリングが味わえる。特にハンドリングは、約1.5tの重量級ボディを前輪で引っ張る感覚が薄く、しなやかなリヤの動きが感じられた。FRに近いセッティングというのは本当だった。これなら、ときにはスポーティな走りを楽しみたい人も満足できるだろう。

軽快なエンジンフィールの230JKは、走行フィールにもキビキビ感が加わる。タイヤサイズが違うこともあり、路面への接地感や安定感は350JMが上だけど、クルマを操る楽しさはわかりやすい。

はたして、ライバルを超えることはできるのか?

試乗フロントスタイリング

インテリアを最優先したティアナは個性派高級セダン。ライバルは輸入車と思われたが、純日本車のマークIIをターゲットとしていた。本音は、マークIIよりも存在感のあるボディ、広い室内、質感の高いインテリア、魅力的な装備を同じ価格帯で手に入れられることがウリ。だからこそ、FRのマークIIと同じ 5.3m(16インチタイヤ装着車)の最小回転半径にもこだわったのだろう。日本の道路事情では、Lクラスの小回り性は重要ポイントだからだ。

全体的には保守的なマークIIに対して、ティアナは斬新なアイデアを主張している。マークIIを超えられるかどうかは、女性がモダンリビングをイメージしたインテリアを好きか嫌いかにかかっている気がする。

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筆者西沢 ひろみ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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