マイルドハイブリッドを搭載したソリオの“本当の燃費”を測ってみた【燃費レポート】(6/6)
- 筆者: 永田 恵一
スズキ ソリオハイブリッド 燃費レポート/総評
スズキ ソリオハイブリッド 総合実燃費/20.0km/L
1.3リッター級エンジンを搭載するコンパクトカーの実燃費が18~20km/Lとして考えると、ソリオハイブリッドはまずまずの及第点ではないかと思われる。全高が高いゆえの空気抵抗の大きさを、軽い車重やマイルドハイブリッドを含むパワートレーンでカバーしたことは評価したい。
マイルドハイブリッドの損得勘定に関しては、1.2リッターエンジンのGグレード(145万4760円)とマイルドハイブリッドの標準グレードのMX(169万5600円)で、装備内容とエコカー減税の差まで含めて購入時の実質的な差額を計算すると8万円程度であろう。
Gグレードの燃費を計測していないためザックリとした計算になるが、アイドリングストップまで含めたマイルドハイブリッドが付かないGグレードの総合燃費をJC08モード燃費からマイルドハイブリッドの10%落ちとなる「18.0km/L」、レギュラーガソリンの価格を1L125円で仮定すれば、8万km走行時点あたりで差額の元を取ることはできるだろう。
そこまで走らずに車を処分することになったとしても、ハイブリッドという記号性による査定の有利さや市街地編で述べたアイドリングストップの快適さ、それ以前にソリオの大きなセールスポイントであるデュアルカメラブレーキサポートをGグレードには装着できないことも考えると、やはり冒頭で書いたように「ソリオを購入するならマイルドハイブリッドを選ぶ」のが正解といえる。
マイルドハイブリッド自体も本格的なハイブリッドのような大幅な燃費向上こそ望めないものの、費用対効果を総合的に考えれば納得できるものであり、価格が安ければこういったハイブリッドも「あり」だろう。
ソリオ自体も全体的によくまとまった車であるのに加え、ハイブリッドだと200万円級となるコンパクトカーとしては安くはない車なのは事実ではあるが、全幅の狭さや使い勝手の良さ、デュアルカメラブレーキサポートといったソリオだけのセールスポイントを持ったクルマだけに、現行モデルも月3,500台の販売目標台数に対して月間販売台数ランキングでは10位台後半にコンスタントにランクインし4,000~5000台も販売されていることが納得できる、今回の実燃費テストであった。
さらに、スズキからは東京モーターショーに出展されたEV走行も可能なソリオの本格的なハイブリッド、コンパクトクロスオーバーのイグニス、1リッター3気筒直噴ターボというダウンサイジングターボを積むバレーノの登場も控えており、今後のスズキのコンパクトカー攻勢には注目したいところだ。
この記事にコメントする