ミニ クーパーS クラブマン 海外試乗レポート(3/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:ビー・エム・ダブリュー株式会社
ミニ クーパーS クラブマン 海外試乗レポート
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ミニ・クラブマンS、「史上最も快適性に富んだミニ」という感触

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その他のハードウェアに関する部分については、基本的にこれまでのハッチバック・モデルに採用されたものを踏襲。現時点では1.6Lのターボ付きエンジンを積む『クーパーS』、同じくターボ無しエンジンの『クーパー』、最新のディーゼル・エンジンを積む『クーパーD』の3グレードが発表され、ハッチバックには存在する1.4Lエンジン搭載モデルが用意をされていない。これは「ボディ拡大分で半分。新ドアの採用分で半分」という合計75kgに及ぶ重量アップ分の影響も大きいかも知れない。ハッチバック・モデルと同様、あくまでも「ゴーカート・フィーリングの走りを目指す」というのがこのモデルでもあるからだ。

スペインはマドリッドを舞台に開催された国際試乗会に用意をされたのは全て『クーパーS』のMT仕様車。すなわちそれはクラブマン・シリーズ中で最も高い動力性能を発揮するモデル。

実はかつて開催された現行型ハッチバックの国際試乗会でも同様の試乗車ラインナップだった。もちろんいずれも、“ゴーカート・フィーリング”を最も色濃く演じる仕様でまずは活発な走りを印象に残してもらおうという主催者=BMW側の作戦というわけだ。

実際、1速ギアを選択してクラッチをミートしてみれば、その力強い加速感は前述の75kg増というデータを忘れさせるハッチバック・モデル同様に力強いもの。詳しく述べれば、実はスタート時のほんの一瞬だけはトルクの細さを感じさせられる、という傾向もハッチバックのクーパーSの場合と同様。街中ユースで発進/停止の機会が多いのならば、きっとそこでの印象はATとの組み合わせの方がずっと良いはず…というのも、ハッチバック・モデルでの経験から可能となるコメントだ。

ただし、ひとたび走り出してしまえばそこでの加速力や低回転域でのトルク感などは、いずれも文句ナシの仕上がり。トラクション能力には不満が無かった一方で時にトルクステアを感じさせられたのは、テスト車にオプション設定のLSDが組み込まれていた影響もあるかも知れない。

例によってランフラット・タイヤを履く事もあり、路面の凹凸はこれもハッチバック・モデル同様にひとつひとつ律儀に拾ってしまう感触。一方で、ピッチング挙動は確実にマイルド化。ここでは、やはり80mmのホイールベース延長が絶大な効果を挙げていたに違いない。「史上最も後席空間の広いミニ」は、「史上最も快適性に富んだミニ」と言っても良さそうだ。

環境にも配慮、アイドリング・ストップが標準採用

エンジン

ところで、そんなミニ・クラブマンの気になるハンドリング感覚は、こちらもまた「ハッチバック・モデルのそれに準じたテイスト」というのが実感だった。スペック上からすれば、増加した重量や延長されたホイールベースが、フットワークの活発さは薄めてしまう方向にあるはず。そして、確かにハッチバック・モデルよりはわずかにマイルド化をした印象もあるものの、それでもまだキビキビとした走りの感覚を味わわせてくれるのがこのモデルなのだ。

そんなこのモデルをはじめ全ミニ・シリーズのMT仕様車には、今回アイドリング・ストップシステムが標準採用された。バッテリーへの充電を減速時を中心に行う“プチ回生”システムや、適切なタイミングでのシフトアップを促すシフト・インジケーターも採用するなど、燃費向上=CO2削減への取り組みは“本気度”の高さを感じさせるもの。

走りと共に環境への配慮も忘れない――それもまた、この時代のプレミアム・ブランドとしての重要なメッセージのひとつなのだろう。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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